来たる2025年は「団塊の世代」がすべて後期高齢者となる年。シニア世代の親を持つ多くが、介護費用に関する不安や疑問を抱えていることでしょう。

なかでも、有料老人ホームを探す際の「入居一時金」は大きな金額。「0円プラン」を設けている有料老人ホームもあり、プラン選択で迷っている人もいるのでは?

ちなみに70歳代が受け取る公的年金額の平均は、厚生年金を受け取る場合14万円台、国民年金のみを受け取る場合は5万円台(※1)また、金融資産保有額の平均は二人以上世帯で1757万円、単身世帯で1529万円(※2)です。

介護施設を選ぶ基準はご家庭によって異なりますが、途中で資金が枯渇してしまうことは避けたいもの。親の年金・資産の状況に応じた適切な介護資金計画を立てる上で「入居一時金の有無」は大きな要素となるでしょう。

この記事では「入居金0円プラン」に向いている人・いない人について、現役ケアマネジャーが解説していきます。最後にシニア世代の年金と貯蓄事情に関するデータも掲載しています。

(※1)厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
(※2)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)[二人以上世帯][単身世帯]」

1. 【老人ホーム】入居一時金とは、そもそもどんなもの?

入居一時金とは、有料老人ホームに入居する際に支払う初期費用のことを指します。

家賃の前払い金のような意味合いを持つ入居一時金は、施設によって金額が大きく異なり、0円から数百万円まで様々です。

一般的には、入居一時金が高額なほど月額利用料は低くなります。これは入居一時金が家賃として償却されていくからです。償却期間は、施設によって異なります。施設に合わないなどの理由で早期退去した場合、未償却分の入居一時金は返還されます。