そうは言っても、やはり辛いものは辛い。ついつい頭に血が上って「もう辞めます」と言ってしまうサラリーマンは少なくない。しかし、それだけは絶対にやめよう。

「転職するな」とは言わない。「せいぜい3年は我慢しろ」と言いたいが、それもケース・バイ・ケースだろう。自分の職場が特にブラックなのか否かをしっかり見極めた上で、どうしても辞めたいなら、辞めれば良い。

その際に気をつけることは、「労働基準法を守っていないからブラック企業だ」ということにはならない、ということだ。高速道路を制限速度で走っている車が少ないのと同様に、労働基準法を厳格に守っている企業は少ないからだ。要は程度の問題であるから、判断は慎重に行なおう。

極めて重要なことは、辞めるなら、次の仕事を見つけてからにしろ、ということだ。「辞めてしまってから次の仕事を探すとなると、見つからないリスクがあるから」ということもあるが、日本企業は転職者の受け入れに比べて無職者の採用を嫌うのだ。履歴書に空白期間があると、採用されにくいのだ。

したがって、会社を辞めると決めたら、直ちに転職先を探すことだ。辞表は転職先が見つかってから。これだけは、絶対に忘れないでほしい。

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塚崎 公義