2. 「厚生年金と国民年金」70歳~79歳の平均月額はいくらか
では、みなさん年金は平均で月いくら受給しているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、70歳~79歳の平均的な年金額も見ていきましょう。
2.1 厚生年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
2.2 国民年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:5万7320円
- 71歳:5万7294円
- 72歳:5万7092円
- 73歳:5万6945円
- 74歳:5万6852円
- 75歳:5万6659円
- 76歳:5万6453円
- 77歳:5万6017円
- 78歳:5万5981円
- 79歳:5万5652円
厚生年金は14万円台、国民年金は5万円台となっています。
ただし、厚生年金の受給額は個人によって大きな開きがあります。全年齢におけるボリュームゾーンも「9万円~11万円未満」「17万円~18万円未満」にばらけており、受給額の多い方と少ない方にわかれることがわかります。
年金見込み額はねんきんネットやねんきん定期便などで個別に確認しておきましょう。
3. 2024度の年金額は2.7%の増額になるが…
公的年金の年金額は、物価や賃金の変動を考慮して毎年度見直しが行われます。
厚生労働省が公表した2024年度(令和6年度)の年金額の例は以下のとおりです。
3.1 2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金)月額
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
- 厚生年金※:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
前年度より2.7%の引き上げですが、これを上回るペースで物価上昇が進んでいます。そのため、実質的には目減りといえるでしょう。
金融緩和や現役世代の賃金アップを受けて、今後の年金額がどのように変化するのかにも注目が集まります。
4. 「おひとりさまで迎える70歳代」年金に頼らない老後の準備を
今回は70歳代のおひとりさまの貯蓄と年金事情について見ていきました。年金だけを頼っての老後生活は、厳しいという状況がお分かりいただけたかと思います。
中には年金だけでも老後の生活は十分足りるという方もいるかもしれませんが、多くの方はそうはいかないのが現状です。
人生100年時代となってきた昨今、老後の生活を豊かに過ごすためにも、年金以外の準備が必要となるでしょう。働いている間での貯金も大切ですが、貯金だけでは老後生活に向けて間に合わない可能性が高いです。
そこで取り入れていきたいのが「資産運用」です。貯金とは違いリスクは伴いますが、大きく資産を増やしていくことが可能です。
ただ、資産運用とは言っても方法は様々あります。まず資産運用を始める第一歩として、どんな資産運用方法があって自分にはどの資産運用が合っているのかを知っていくことから始めてみてはいかがでしょうか。
備えあれば患いなし、善は急げです。豊かな老後生活に向けて少しずつでも取り入れていけるといいですね。
4.1 【ご参考】70歳代おひとりさま世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:26.7%
- 100万円未満:5.8%
- 100~200万円未満:4.3%
- 200~300万円未満:4.1%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.6%
- 700~1000万円未満:5.1%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:5.3%
- 2000~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:17.3%
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
大庭 新太朗