おひとりさまとして老後を迎える人にとって、心配になるのが「老後資金」。
「自分と同じ年代の平均貯蓄額はいくらなのか」「どのくらい貯蓄をしているのが普通なのか」気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、金融広報中央委員会から発表された最新データをもとに、おひとりさまの「最新の平均貯蓄額」を年代別に紹介していきます。
実は、50歳代おひとりさまの貯蓄中央値は100万円以下となっています。2024年3月に公表された内閣府「生活設計と年金に関する世論調査」では「全面的に公的年金に頼る」と回答した人が26.3%のみとなった現代。
老後資金の必要性とともに、おひとりさまの老後の生活について考えていきましょう。
1. 【年代別】おひとりさまの「最新の平均貯蓄額」はいくら?
2024年2月29日に金融広報中央委員会から最新の「家計の金融行動に関する世論調査」が公表されました。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、おひとりさま世帯の20歳代〜70歳代の平均貯蓄額(金融資産を保有していない世帯を含む)は下記の結果となりました。
【年代:貯蓄の平均値・中央値】
- 20歳代:121万円・9万円
- 30歳代:594万円・100万円
- 40歳代:559万円・47万円
- 50歳代:1391万円・80万円
- 60歳代:1468万円・210万円
- 70歳代:1529万円・500万円
平均値は「全てのデータを足したあとにデータ数で割った値」となっており、極端に貯蓄額が多い人がいた場合は平均値が偏る傾向にあります。
そのため、一般的な貯蓄の実態を知りたい場合は中央値を参考にすることをおすすめします。
中央値をみると、年代が上がるにつれて貯蓄額が増加傾向にありますが、どの年代においても1000万円に到達していません。
また、50歳代の中央値は80万円という結果に。100万円以下という実態は、老後を目前とした貯蓄額にしては「少ない」と感じる人も多いでしょう。
2. 貯蓄が全くない「金融資産非保有」の世帯はどれくらい?
前章では、各年代のおひとりさま世帯の平均貯蓄額をみていきましたが、どの年代においても「老後資金」として十分に準備できていない人が多い傾向にあります。
さらに、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」の同調査では、各年代で貯蓄が全くない「金融資産非保有」世帯が一定数いることがわかりました。
【年代:金融資産非保有割合(貯蓄ゼロ)】
- 20歳代:43.9%
- 30歳代:34.0%
- 40歳代:40.4%
- 50歳代:38.3%
- 60歳代:33.3%
- 70歳代:26.7%
まもなく老後生活を迎える50歳代で38.3%、老後生活をスタートさせている60歳代・70歳代でそれぞれ33.3%、26.7%となっています。
上記のことから、約3人に1人の割合で貯蓄が全くない状態で老後生活を送っている、おひとりさまシニアがいることがうかがえます。
現代では「老後生活は年金だけでは生活できない」「老後のために貯蓄が必要」と言われていますが、果たして貯蓄ゼロの状態で生活していけるのでしょうか。
次章で、老後生活における収支を確認しておきましょう。