2018年3月9日に日本証券アナリスト協会で開催された、株式会社アイリッジ2018年7月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:株式会社アイリッジ 代表取締役社長 小田健太郎 氏

2018年7月期第2四半期 決算説明会

小田健太郎氏(以下、小田):アイリッジ代表取締役社長小田です。

本日は、弊社の第2四半期の決算説明会にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

この後、順次資料に従いまして、決算のご説明をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

2018年7月期第2四半期 決算概要

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はじめに、第2四半期の決算概要について、ご説明させていただきます。

売上高は、毎月ストックで入ってくる「月額報酬」と、都度の契約で売上が上がる「アプリ開発、コンサル等」、この2つがございますが、ともに前年同期比で増収となっています。両方を合わせた売上は、前年同期比でプラス11パーセントの成長となっています。

一方、利益面ですが、売上高は増加していますが、今後の成長に向けて積極的な人材の採用を進めている関係から、採用費および人件費の増加が影響いたしまして、営業利益、経常利益は前年同期比で減少となっています。

また、当初の予想比では、第1四半期の立ち上がりの遅れの影響を挽回できず、売上・利益とも未達となっています。

2018年7月期第2四半期 決算ハイライト

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もう少し背景も含めた部分を決算ハイライトというかたちで、ご説明いたします。

まず、そもそも、我々が今ビジネスを行っているスマートフォン・マーケティングは、広い意味で言うと、企業さんのデジタルマーケティングの中で、とくに注力されている、大事になってきている分野ですが、こちらの取り組み状況は非常に良好であると考えています。

やはり、企業さんにとって、ユーザーとの接点がスマートフォンであるというところは変わらず大事な要素になっていますので、このマーケット状況は引き続き、良好であると見ています。

そのような市場の中で、売上高ですが、第1四半期は立ち上がりの遅れがありましたが、第2四半期で積み上げをいたしまして、前年同期比で、先ほどお話ししたように、プラス11パーセントの成長となっています。

一方、当初の予算に対しましては、第1四半期のビハインドを戻すまでに至らず、通期でも影響する見通しとなっています。

その背景は、この後また、あらためてご説明させていただきますが、やはり、この市場環境が非常に伸びてきて、スマートフォン・マーケティングに注力されている中で、企業さんのスマートフォン・マーケティング、我々からすると案件という塊になるのですが、こちらも1個1個が大きくなってきています。

結果として、案件の取り組みの期間が長期化してきているということがありまして、想定している期間に収まらない案件も出てきていることで、予算に対して、取り戻すことができなかったというところが1つございます。

そのような関係もありまして、営業利益につきましては減益となっていますが、先ほどお話しいたしましたとおり、採用費と人件費など、販管費の増加による減益です。

しかし、一方で、この大きく伸びている市場で、さらに成長していくためには、我々のようにソフトウェアビジネスを行っている業界では、やはり人材が大事な要素ですので、この部分をしっかりと採用できているというところはポジティブに捉えています。

また、さらなる中期的な成長を目指して、自社サービスの育成にしっかりと取り組んでいますが、足元で、非常に注目されている電子地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy(マネーイージー)」もしっかりとした広がりが見えてきていますし、その他の取り組みにつきましても、広がりを見せられるように、順次取り組みを進めているところです。

このような大きな取り組み、背景がありまして、本日の決算となっています。

今申し上げた内容を、この後、順次ご紹介させていただきます。

事業環境

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まずはじめに、事業環境についてです。

非常に良好だと捉えている部分ですが、我々が取り組んでいる「popinfo」というO2Oマーケティングのエンジンの利用ユーザー数の伸びからも、そのように感じているところです。

ここ数年、毎年しっかり成長を続けていまして、今期も7ヶ月で「popinfo」の利用ユーザー数が1,200万ユーザーを超え、累計で8,000万ユーザーを超えるところまできています。

四半期ごとに500万ユーザー超の増加ペースを保っていますので、引き続き、この部分は伸びていくと見ています。

サービス別の売上高

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そのような背景の中での、サービス別の売上についてです。

当社は先ほど申しましたとおり、O2Oという開発事業を行っていますが、その売上は、毎月計上される「月額報酬」という部分と、契約ごとに計上される「アプリ開発、コンサル等」という部分に分けています。「月額報酬」はユーザーの伸びが寄与しまして、前年比28パーセント増と、着実な積み上げを続けています。

また、「アプリ開発、コンサル等」は第1四半期に立ち上がりの遅れがありましたが、第2四半期で大型案件のリリースが増収に寄与いたしまして、全体として、しっかり成長できているところです。

一方、このマーケットの成長に伴って、企業さんのアプリマーケティングへの取り組みに注力していることの裏返しなのですが、先ほど申しましたとおり、我々から見た案件一つひとつのが大きくなってきていまして、それにより案件が長期化しています。

やはり、大きな案件ですと、受注するまでにこれまでより時間がかかる傾向が出てきたり、あるいは、案件を進めていく中で、お客様の事情も含めて、着手時期が少し後ろ倒しになったりということが起こる確率が高くなってきていると捉えています。そのような事情もあり、当第2四半期では(計画)未達となっています。

一方、資料下段に書いていますが、仕掛品の残高が5,400万円ほどありまして、前年同期比58.8パーセント増加しています。案件の大型化・長期化により、期をまたぐものが増えてきているということが、このような数字からも見てとれると考えています。

四半期推移:売上高、営業利益

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四半期ごとの売上高と営業利益の推移について、ご紹介いたします。

我々のビジネスは、例えば、大企業さまのO2Oの案件のお手伝い、O2Oアプリの開発の受託といったことも多くありますが、やはり大手企業さまの決算期、3月に向けて納品する傾向は、この数年変わっていませんので、3月は我々にとっては第3四半期ですので、毎年、第3四半期の売上が大きいという傾向は変わらずです。

そのようなトレンドはありますが、当期、(グラフの)オレンジ色の部分は、第1四半期に立ち上がりの遅れがありましたが、第2四半期に取り戻しまして、第2四半期という期間で見ますと、前年同期比では売上、利益ともも過去最高の水準となりました。

営業利益増減分析(前年同期比増減)

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営業利益について、冒頭で、人材の確保がしっかりと進んでいることの裏返しで、採用費や人件費がかさんでいるというお話をいたしましたが、その部分をこちらのページでもご紹介しています。

(スライドの)一番左側、前年同期の営業利益ですが、こちらに対して売上高が増加し、売上原価とその他の販管費が、採用費・人件費の増加以外の部分です。この部分だけで見ますと、8,300万円という利益が見込めていますので、今後の成長に向けた人件費の増加以外の部分では、前期に比べましても、しっかりと伸びていると言えるかと思っています。

こちらに今後の成長に向けた採用費・人件費を追加することで、結果(グラフ一番右側)としては、減益となっているというグラフです。

従業員数の推移

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従業員の数についても、やはり足元では、スマートフォン・マーケティングだけではなく、インターネットビジネス全般に言えることだと考えていますが、とくにエンジニアを中心とした人材の獲得が非常に大変になってきているということが、周囲を見回しても、感じているところです。

我々はしっかりと採用を進めているところでして、前期末66人に比べまして、この(2018年)2月でも8人増加して、74名と(なっています)。さらに、今期末に向けて、82名まで増やすということをしっかりと進めているところです。

今後、この増えた人材はO2O事業、基幹事業の成長に向けて当てていくことに加え、さらなる成長に向けた自社サービスのためにリソース配分をしていくことで、中長期的な成長を目指していきたいと思っています。

売上原価

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売上原価について、ご説明いたします。

売上原価は、前年同期比で0.8ポイント増加となっています。

主な開発コストに該当する原価人件費と外注費は、この部分だけで見ると2.2ポイントの改善となっていますので、開発という部分に特化すると、しっかりと原価率の改善を進めていると言えるかと思います。

一方、トータルで見ると(売上原価が)増加しています。「その他原価」と我々は言っているのですが、主に新規事業・サービスに積極的に取り組んだことによるサーバー費の増加によって、トータルでの売上原価が0.8ポイントの増加となっています。

販売費および一般管理費

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また、販管費および一般管理費ですが、こちらは前年同期比で5.3ポイントの上昇となっています。この部分は先ほどご説明いたしましたとおり、従業員の増加による人件費の増加、採用費の増加が主要因となっています。

(ご参考)四半期推移①

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12ページは四半期ごと各主要項目の数値となっています。

(ご参考)四半期推移②:サービス別の売上高

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13ページは、サービス別の売上高の四半期推移です。ご参考として見ていただければと思います。

貸借対照表

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貸借対照表ですが、流動負債の減少により、現金および預金が減少している部分もありますが、とくにコメントさせていただくような状況ではないと思っていますので、このような状況にあるということだけお伝えしておきます。

2017年11月以降の主なニュース

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昨年(2017年)11月以降のビジネス側の取り組みの主なニュースをこちらに並べています。

例えば、この後、自社サービスのご紹介もいたしますが、電子地域通貨のプラットフォーム「MoneyEasy」で、いくつか取り組みが進んでいます。あるいは、従来から取り組んでいる「東急線アプリ」のさらなる拡充。

(表の)真ん中から少し下あたり(2018/2/6)ですが、大阪市交通局さまの大阪メトロのアプリの開発支援、リリースをさせていただいたといったところを、ニュース事項として記載しています。

(表の)下から2つ目も新しい取り組みで、ボートレースの公式アプリの開発のお手伝いもしています。

Amazon Alexaの対応スキル開発

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1つだけ、少し先の取り組みとしてご紹介させていただきますと、「Amazon alexa」、AIスピーカーやスマートスピーカーとか言われる分野です。

この分野にも取り組みを積極的に進めていまして、実績としては、従来より「東急線アプリ」でお手伝いをしている東急電鉄さまの機能拡張の一環で、「Amazon Alexa」によって運行情報をお伝えするといったものをリリースしています。

さらに、このような事例を積み重ねながら、AIスピーカーという新しい分野でのビジネスを広げているところですので、このような部分もご紹介させていただきました。

自社サービスの育成

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続きまして、中期で見たときのさらなる成長のエンジンになるような自社サービスの育成を進めていますので、その取り組み状況をいくつか、ご紹介いたします。

1つ目は、電子地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」というものですが、この上期も非常に多くの取り組みを進めていまして、メディアでもご紹介いただくケースが増えています。こちらは取り組みをしっかりと進めてきているかなと思っています。

2つ目は、我々もともと、位置情報を得意としたO2Oマーケティングの分野を行ってきましたが、さらに、この位置情報を使ったロケーションビジネスの分野をしっかりと強化して、さらなる収益(源)に育てていきたいとと思って居ます。この1つ目と2つ目は今、力を入れて推進しているところです。

一方、やはり中期で見ると新しい取り組みも、並行して進めていかなければいけないと考えていますので、上期以降、まだ発表していないような新しい取り組みについても、順次継続して進めていき、(今後)発表したいと考えています。

「MoneyEasy」スマートペイメント市場の成長

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電子地域通貨「MoneyEasy」の取り組みを加速化していくというところを、ご紹介いたします。

非常に大きな括りで申しますと、スマートフォン決済、また上位の概念で言うとキャッシュレス決済を進めていくという分野で取り組みを進めています。このスマートペイメント市場は、今非常に伸びていて、注目されている分野です。

我々のようなインターネットビジネスを行っているプレーヤーから、金融機関をはじめとするプレーヤーまで、非常に注目して、取り組みを進めています。

こちらのグラフに見えますように、2023年には114兆円まで(市場規模が)拡大する見込みになっている分野です。我々もしっかりとニーズを拡大していきたいと考えています。

加えて、我々はキャッシュレス(決済)とスマートペイメントだけではなく、やはり決済はお客さまがお店に来て、支払う部分ですので、従来から取り組んでいるO2Oの分野と非常に親和性が高いです。

ですから、我々の強みを発揮できる分野と考えていますので、そのような経験を生かしながら、この成長するスマートペイメント市場で取り組みを強化しています。

「MoneyEasy」の展開

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この(スマートペイメント)分野で、我々はとくに電子地域通貨という、地域で使われるような、スマートフォンを用いた電子通貨の取り組みを進めています。

足元では、電子地域通貨を簡単にいろいろな企業さんや地域の金融機関さんが発行できる「MoneyEasy」というシステムプラットフォームを展開いたしまして、ビジネスとして成長させていくという取り組みを進めています。

発表している事例としては、こちらに書いてあるように5つの取り組みを進めています。実際に本番の商用として取り組みを進めているのは、飛騨高山エリアの「さるほぼコイン」です。

昨年(2017年)の12月から少量を本番稼働していまして、さらに、この(2018年)3月中旬には、インターネットバンキングからコインのチャージが可能になるようなバンク機能追加する予定です。

まだ、実証実験というかたちでの発表になっていますが、伊予銀行さまとの「 IYOGIN Co-in」ですとか、ハウステンボスさまとの「(仮)テンボスコイン」。木更津の市役所、商工会議所、あるいは地元の君津信用組合さんと一緒に取り組み出した「(仮)アクアコイン」。

NTTデータさまと「BeSTA FinTech Lab」といった取り組みもを進めています。

少量(の稼働)で取り組んでいるものは(流通量を)伸ばしていく。実証実験段階のものは本番(稼働)に進めていく。また、これら以外にも、まだ発表していない案件もありますので、しっかりと進めていきます。

「MoneyEasy」の概要

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「『MoneyEasy』とは何か」というところですが、言葉のとおりですが、スマートフォンで使える電子地域通貨サービスのプラットフォームシステムです。

(電子通貨は)通常、コインというかたちで、媒体管理されるケースが多いのですが、コインへの交換(チャージ)、あるいはスマートフォンだけで、簡単なQRコード決済といったものができる取り組み。

または、個人間のコインの送金、従来のポイントシステムでは難しかった現金払戻しも、しっかりとできるようなトータルパッケージとしての展開を進めています。

非常に加盟店側の導入負担が軽く、導入コストが実質ゼロで開始できるようなQRコード決済という支払い形式になっている点が、我々の「MoneyEasy」電子通貨システムの特徴になっています。

「MoneyEasy」の支払いフロー

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お店側は加盟店IDが仕込まれたQRコードを、ポスターやシールなどのかたちで貼っておくだけで、ユーザー側は我々の「MoneyEasy」を基盤にした、いわゆるウォレットアプリでQRコードを読み取って、自分で金額を入力して支払うと。

加盟店の導入コストも実質ゼロであり、複雑なオペレーションもないという、QRコード決済の分野で、ビジネスにいち早く取り組んで(業績を)伸ばしているといったところが(「MoneyEasy」の)特徴です。

ロケーションビジネスの展開

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また、我々の強みである位置情報を、さらなるビジネス、収益化につなげていこうという取り組みとして、ロケーションビジネスを進めています。

これは、我々の位置情報を使ったO2Oのエンジンになる「popinfo」で取得した位置情報を含めたアプリ内のいろいろなログ。それと、提携先の企業さんアプリから取得したロケーションのデータ、あるいはそれ以外のいろいろなユーザーデータを掛け合わせることで、例えば、ユーザーのプロファイリングをしていく。または、ユーザーの行動特性を分析していく。このような、位置情報を核としたビッグデータの分析基盤を作ってまいります。

そのようにユーザーに合わせたかたちで、我々の得意分野であるプッシュ通知や、クーポンの配信、あるいはポイントを付与するなど、実際購買につなげていく。

このようなものを、まだ取り組み余地の大きいロケーションといった切り口で、広げていくといったことを強化して、進めているところです。

業績予想の概要

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以上のように中期の成長に向けた取り組みを進めているところですが、今期の業績予想については、こちらのとおりです。

これまで冒頭からお話させていただきましたとおり、前期比では成長していますが、案件の大型化、長期化といった影響が続いていまして、通期でも当初の予想から減少する見込みとなっています。

一方、上期の利益の押し下げ要因にもなった人材の獲得は、今、申し上げたような、さらなる成長に向けた大事な財産であると思っていますので、この部分は、しっかりと積極的に継続して進めていきたいと考えています。

その結果、こちらにありますように、通期の修正予想といたしまして、売上高は15億円~16億円。営業利益は5,000万円〜1億円。経常利益は5,000万円~1億円。当期純利益で3,500万円~7,000万円と修正させていただき、今期の予想ということで発表させていただきます。

第2四半期決算説明は以上です。

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