株式市場の振り返り-日経平均株価は大幅3日続落、一時21,000円割れが視野に

2018年3月2日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,181円(▲542円、▲2.5%) 大幅3日続落
  • TOPIX 1,708.3(▲31.8、▲1.8%) 大幅3日続落
  • 東証マザーズ総合指数 1,213.6(▲18.7、▲1.5%) 大幅続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:237、値下がり銘柄数:1,791、変わらず:41
  • 値上がり業種数:0、値下がり業種数:33
  • 年初来高値更新銘柄数:14、年初来安値更新銘柄数:69

東証1部の出来高は16億100万株、売買代金は3兆235億円(概算)となり、いずれも前日から増加しました。NY市場が大幅下落となる3日続落となったことを受け、一気にリスクオフモードが高まり、それが利益確定売りや見切り売りという形で表れたようです。

売買代金は2月14日以来となる3兆円超えとなりましたが、ディフェンシブな商いだったと言えましょう。

そのような中、日経平均株価は終日大幅マイナス圏で推移しました。前場の終盤には一時▲635円安となって、21,000円割れが視野に入る場面もありました。後場には下げ幅を▲450円前後に縮小する局面もありましたが、大引けに掛けて再び安くなり大幅3日続落で終わっています。

終値の下落率は2月6日(▲4.7%安)、2月5日(▲2.6%安)に次ぐ今年3番目となりました。ただ、終値で21,000円台は死守したようです。

なお、TOPIXも同じような値動きで推移しましたが、下落率は日経平均株価より小幅に止まりました。これは、日経平均株価を構成する主力大型株に売りが集中したことを意味しています。

東証マザーズ総合指数は大幅続落、売買代金は連日の1,000億円超え

東証マザーズの出来高は5,631万株、売買代金は1,254億円となりました。出来高は前日並みでしたが、売買代金は増加しました。大型市場での先行き不透明感が強まったことで、新興市場では個人投資家の物色意欲が強まったと見られます。出来高はまだ高水準とは言い難いものの、売買代金は1,200億円を上回っています。

ただ、主力株で利益確定売りが増加したことなどから、総合指数は大幅続落となりました。取引時間中は一時1,200ポイント割れギリギリまで下落しましたが、最後は何とか維持しています。

トランプの輸入制限発動表明で新日鐵住金などが大幅安、ローソンは9日続落

個別銘柄では、主力大型株が軒並み大幅安となり、ソフトバンクグループ(9984)、ホンダ(7267)、日東電工(6988)、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)等がいずれも▲3%超安の大幅下落となりました。

また、トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限(高関税など)の発動表明を受けて、新日鐵住金(5401)など鉄鋼株が軒並み大幅安となり、三菱マテリアル(5711)など市況素材関連株も大きく値を下げています。

その他では、ローソン(2651)が9日続落で5日連続の昨年来安値更新になるなど、下げ止まりの兆候が見られないことが注目されました。

さらに、105円/ドル台の円高進行を懸念して輸出関連銘柄が総じて大幅下落となり、マツダ(7261)は自動車株の中で唯一の安値更新となっています。

一方、任天堂(7974)が小幅上昇ながら逆行高となりました。また、良品計画(7453)が大きく値を上げ、ニトリホールディングス(9843)も堅調に推移するなど、小売株の一角が買われたようです。

新興市場では、Mマート(4380)が一時▲10%安に迫る急落となり、マネーフォワード(3994)やブランジスタ(6176)は大幅反落となりました。

一方、メドレックス(4586)とジェイテックコーポレーション(3446)がいずれも昨年来高値を更新し、イグニス(3689)は一時+20%高に迫る爆騰となっています。

青山 諭志