節約しよう、と意気込むものの「何から手を付ければいいかよくわからない」と感じている人も多いと思います。節約は非常に奥が深く、「やりすぎ」と「適度」と「サボりすぎ」の基準もあいまいですし、指標もありません。難しく感じることは当然です。
そこで今回は「やってはいけない節約」と「絶対やるべき節約」についてご紹介します。その2つを切り分ける基準を知ることで、自分なりに節約の指標が見えてくるはずですよ。
やってはいけない節約とは?
節約には2種類あって、そのうちの1つがこの「やってはいけない節約」なのです。節約とはそもそも「無駄を省くこと」ですから、無駄でないものを省いてしまっては、もうそれは節約ではありません。必要なものを省けば、当然生活の質が下がり毎日を快適に過ごすことができなくなってしまいます。それでは本末転倒ですよね。そこで、まずはそのことが自分にとって本当に「無駄であるかどうか」を見極めなければなりません。
無駄であるのかそうでないのかをはっきり見極めるために、いくつかの指標を用意してみました。ぜひ一度、自分の節約ポイントを振り返ってみてください。
1 大切な仲間を失う節約
一番やってはいけない節約が、仲間を失う節約です。ここでいう仲間というのは、友達や同僚、先輩・後輩や上司なども含まれますし、家族や親戚も含まれると考えてください。いわゆる「自分の味方でいてくれる人」のことです。仲間を失う節約とは、たとえば仲間へ渡すプレゼントやご祝儀をケチったり、大切な恩師への御礼を安価なもので済ませたりするなどということを指します。
人のためにお金を使うことは無駄に感じることも多いと思います。確かに、仲間でいたくない人のために余計なお金を使う必要はありません。そもそもお金がなければ繋がっていられない人は仲間ではありません。そうではなくて、大切にしたい人へ贈るもの、今後も縁を繋ぎとめておきたい人へ贈るものはそれなりのお金をかけて贈るべきです。
贈り物ひとつで、あなたの品位が問われます。それはプレゼントを受け取った人からどう思われるかということだけでなく、それを見た周りの人もあなたの行いにジャッジを下すということです。その結果、周りの人から疎遠にされることもあります。人と人のつながりはお金以上のもの。人間関係に影響を及ぼすところでケチると、本人はうまく節約したつもりでいても、長い目で見ると損をすることが多いのです。
2 自己投資の節約
自分への投資額を引き下げることも、やるべきではない節約のひとつです。当然、余剰な投資や自分の身にならないような投資はやめましょう。特に多いのが「自分磨き」と称してさまざまな習い事をしたせいで、どれもが中途半端になってしまうことです。これは明らかに「無駄」ですから、自分が本当に習得したいもの、その先に自分の成長ビジョンが描けるものに絞り込んで投資をしましょう。
ただ、むやみやたらに習いたいことを我慢したり、「お金がないから」「才能がないから」といって自分を粗末に扱ったりすることは絶対にやめてください。自分の心の声をよく聞いて、自分の可能性に投資しましょう。目安として、習い事はせいぜい2つまで。それ以上になると、特にフルタイムで忙しく働くビジネスパーソンの場合にはオーバーワークになってしまいます。一つひとつの精度が欠け、習熟度が落ちるので2つ以内に絞り込んで集中することをオススメします。
また、自己投資するときには自分の興味・関心に素直に従うことがポイントです。芸は身を助けるという言葉があるように、何か得意なものや自信が持てることがあると、いずれ自分の身を助けることになります。それは語学や教養だけでなく、スポーツでも芸術でも同じこと。「ただの趣味」で気まぐれに取り組むのもいいですが、何かひとつ極めてみるのもいいかもしれませんね。
3 「大は小を兼ねる」という発想の節約
無駄遣いが多い人にありがちなのがこの「大は小を兼ねる」という発想で、いろんなものを買うことです。必要以上の機能や必要以上の大きさのものを購入し、結局使わずに余っている、というパターンが目立ちます。たとえば、家具家電にしても冷蔵庫や洗濯機は大きいほうがいい、テレビは高機能で高画質なほうがいい、ソファはたくさん座れるほうがいいという発想ですね。
もちろんこだわりがある人もいますし、家具家電の寿命と将来的なことを見据えてワンサイズ大きいものを選ぶのは無駄なことではありません。しかし、特にこだわりもなく、その家具家電が寿命を迎えるまでに必要にならなさそうな機能やキャパシティのものを購入するのはやめましょう。非常に無駄の多い買い物になってしまいます。
絶対やるべき節約とは?
次に、絶対やるべき節約。節約にはいろいろありますが、どういうことから始めればいいかよくわからない人も多いと思います。それならまずは、次のような節約を心がけてみてください。