東芝、3Q累計の連結最終損益が黒字化 通期予想も上方修正

2018年2月14日に行われた、株式会社東芝2018年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社東芝 代表執行役専務 平田政善 氏

メモリ事業の非継続化およびGC注記について

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平田政善氏:座ったままご説明をさせていただきます。よろしくお願いします。お忙しいなか、ありがとうございます。それでは株式会社東芝2017年度第3四半期累計の業績について、ご説明をさせていただきます。

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まず4ページをお開きください。業績の説明に先立ちまして、その前提について大きな変更がございましたので、まずそちらをご説明させていただきます。

1点目はメモリ事業についてです。ウエスタンデジタル社との和解や、独禁法の承認手続の進捗により、株式譲渡完了の蓋然性が高まったということから、米国会計基準の要請により当第3四半期決算より、非継続事業に組み替えるということにしています。

これにより、売上高、営業利益、税引前損益の各ラインから、メモリ事業の影響額を控除して、一方でメモリ事業の税引後損益を「非継続事業当期純損益」に計上することになります。ただ本日の説明においては、わかりやすさなどの観点から必要に応じて、メモリ事業を含めた従来ベースの業績のご説明も行ってまいりますので、よろしくお願いします。

それから2点目です。2016年第3四半期より続いていた、「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況」についてです。今回メモリ事業売却完了の蓋然性が高まったこと、あるいは6,000億円の第三者割当増資をしたこと、さらにはWEC(ウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニー)債権売却、こういったことによって資金繰りの懸念および債務超過の状況が解消されると見込んでおります。各分社会社においては、特定建設業の許可などを取得できたことにより継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況は、この第3四半期で解消されたということになっています。

以上2点が、今回決算の大きなポイントになります。

全社

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5ページをご覧ください。これはメモリ事業の非継続事業への組み替え後の、第3四半期累計業績となっています。次ページ以降でポイントをご説明します。

今回のポイント

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売上高は、エネルギーシステムソリューションで第2四半期にランディス・ギア社がIPOによって連結除外になった影響で、前年同期に対して減収となっております。ストレージ&デバイスソリューションで増収となりましたが、全体では前年同期に対して約350億円、1.2パーセントの減収となりました。

為替の影響は、売上高への影響は約570億円の増収影響があったと試算しています。実質的には約900億円の減収ということになっております。大半の理由はランディス・ギア社の除外の影響というふうにご理解ください。

損益面は営業損益が496億円に加えて、先ほどご説明した、第2四半期でのランディス・ギア社の株式の売却益、こういったことを主因に営業外損益がプラス383億円となりましたことから、継続事業の税引前損益は879億円の黒字ということになっています。

一方、非継続事業損益はメモリが約37パーセントの営業利益率に相当する利益を達成しておりますが、メモリの会社分割に伴う税額が影響し、非継続事業のところではマイナス273億円という数字になっています。

この結果、当期純損益は270億円の黒字ということです。

フリー・キャッシュ・フローは、4,462億円のマイナスとなっております。営業キャッシュ・フローは、WECの親会社保証支払を主因に3,837億円のマイナス、投資キャッシュ・フローはメモリへの投資が継続している一方、ランディス・ギア社の株式売却収入があったことにより、625億円のマイナスという数字です。

全社

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7ページをご覧ください。株主資本です。第三者割当増資が6,000億円、それから9ヶ月間の純損益の増加などがあった結果、前年度から5,490億円改善し、未だ債務超過の状況ではありますけれども、マイナス39億円ということで第3四半期がしまっています。

メモリ事業 非適格会社分割に伴う税額影響

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8ページをご覧ください。メモリ事業の分割に伴う税額は少しややこしいので図示しています。今回、メモリ事業の非継続化に伴って、米国会計基準に基づいて税額の計算方法が変更となっています。

(2017年)11月9日に通期見通しをお見せしたのですけれども、この段階ではメモリ事業を非継続としていなかったことから、非適格分割に関わる税額を含めた2017年度の見積もり税額を算定して、その税額に基づく見積もり自己税率を使用して、各四半期の税金費用を算出していました。

今回はメモリ事業の非継続化により、非継続事業の税額は発生の都度、全額個々に認識することとされております。これは米国会計基準の要請です。そういうことがありまして、第3四半期決算において非適格分割に伴う税額を、全額メモリ事業の非継続事業で認識しているという決算の数字になっています。

9ヶ月累計の非継続事業の税引前利益、これはすなわちメモリの税引前利益ですが、これが1番左の下、グリーンのところです。3,157億円ということでした。

この利益に対して、通常の税率見合いの税額、これが次のピンクの小さいところですけれども、975億円ということで、繰延税金資産を含むメモリ事業非適格分割評価益に関わる税額は、2,455億円。これが上に書いてある大きなボックスのところですが、これをあわせ、税額が3,430億円となります。

この第3四半期累計の非継続事業に関する税額として、3,430億円を計上しているということでございます。

1番左側のグリーンのところです。3,157億円の税引前利益が出て、これに対して税金が3,430億円という税額費用を入れますので、結果として1番右側の273億円のマイナス、これが非継続事業に入っていくということです。

営業損益(対前年同期分析)

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9ページです。営業損益の前年同期比較をご覧いただきたいと思います。ここではメモリ事業の非継続組替前でご説明をさせていただきます。

非継続組替後の前年同期の数字、営業利益は5ページにもありましたけれども761億円、1番左側の数字です。メモリ事業を含めた組替前に戻しますと、前年同期は1,812億円の営業利益だったということです。

これに対して、2017年の第3四半期累計では、NANDフラッシュメモリの売価アップにより約1,000億円のプラス、さらに微細化や3次元NAND比率の増加、あるいはコスト改善などによる効果で約1,200億円の改善があり、また為替も改善方向に働きました。

これに加えて、減価償却費や研究費、これはNANDフラッシュメモリを中心ですけれども、固定費が増加し、あるいは継続して実施をしている緊急対策の規模縮小の影響、こういったことを含めて、前年同期に対して約1,800億円の改善が入り、約3,600億円の黒字という数字になっております。

ここから、メモリ事業の営業利益約3,100億円を控除いたしますと、非継続組替後の営業利益は496億円になったということです。

営業外損益

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10ページは、営業外損益の内訳です。

ポイントは、中ほどの有価証券売却損益692億円ですが、ランディス・ギアの売却益がここに入っています。

フリー・キャッシュ・フロー

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11ページ目はフリー・キャッシュ・フローのご説明です。

先ほど簡単に触れたように、一番右側がこの9ヶ月累計です。投資サイドでは、ランディス・ギアの売却によるキャッシュインがありましたが、それを除きますと約2,000億円強の投資を行ったということで、NANDフラッシュメモリの投資が中心です。

それから営業キャッシュ・フローも、ウェスチングハウスの親会社保証の支払いを一括で行ったことがあって、3,837億円の大きくマイナスになり、合わせて4,462億円のマイナスがあったということです。

貸借対照表

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それから、12ページがバランスシートです。

薄いグレーのところに非継続事業資産、負債方では非継続事業負債です。メモリ事業を非継続事業に組み替えたのでメモリ事業の資産・負債を一括してそこに表現するのが会計基準上の要請ですので、組替を行っています。

セグメント別 メモリ非継続組替後/セグメント別 メモリ非継続組替前

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次に、セグメント別の内訳になります。

14ページが、セグメント別にメモリを非継続組替後にしたものです。ただ、これまでのご説明と表則を合わせるために、15ページでメモリ非継続組替前のセグメント別を付けています。

エネルギーシステムソリューション 主要事業内訳

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エネルギーシステムソリューションの内訳は、売上高6,115億円、利益が121億円の赤字で、この9ヶ月間で少しロスコンの引き当ての追加が必要であったということで、赤字になっています。

ただ、このセグメントはお客さまの要請で第4四半期に非常に売上が多く、年間では少し赤字ですが、赤字の額が縮減をするであろうという状況です。

エネルギーシステムソリューション 受注残高推移

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それから次の表が、エネルギーシステムソリューションの受注残高の推移です。若干、現状では、前年同期に比べて受注残高が減少している状況がご覧いただけるかと思います。

インフラシステムソリューション 主要事業内訳

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18ページが、インフラシステムソリューションの内訳です。売上高が8,306億円、それから営業損益が113億円、ROSで1.4パーセントと、ここも現在はあまり高くないROSですが、このセグメントも第4四半期に売上が大きく、年間では後ほどご覧いただきますが、3パーセント強のROSになるであろうという見通しを立てています。

ストレージ&デバイスソリューション 主要事業内訳 (メモリ非継続組替前)

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次が、ストレージ&デバイスソリューションです。これは、メモリを含めたかたちで表示しています。全体では、売上が約1兆5,000億円、営業損益は3,680億円、ROSは24.7パーセントですが、メモリが大きく寄与しているところがあります。

ハードディスクについても、ややパソコン向けの市場が縮小しているということはありますけれども、エンタープライズ向けの大容量のハードディスクが販売好調で、ROS6パーセントを確保しているということです。

それからディスクリート等のその他のデバイス関連も好調に推移しており、ROS9パーセントというレベルになっています。

ストレージ&デバイスソリューション 四半期別営業損益トレンド (メモリ非継続組替前)

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20ページは四半期別のトレンドでございますので、後でご参照いただければと思います。

リテール&プリンティングソリューション インダストリアルICTソリューション

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21ページ、上段がいわゆるリテール&プリンティングソリューション、東芝テックです。ここは順調に業績を伸ばしております。

それから、下段がインダストリアルICTソリューションです。ここもこの9ヶ月ではマイナス26億円ということで、営業損失を出していますが、同じように第4四半期での売上が大変大きく、年間では黒字を見通しているセグメントです。

その他

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22ページが、その他のセグメントになります。パソコン・映像ともに、大変遺憾ながら引き続き、第3四半期累計で赤字となっています。

映像事業に関しましては、ハイセンス社に売却をするということで進んでおり、中国の独禁法の承認手続きも完了しており、今期中、うまくいけば2月中にクローズし、3月からはハイセンスに連結をさせると見込んでいます。

一方、パソコン事業は66億円の赤字で、大変遺憾な数字ですけれども、確実に黒字化を実現していくとともに、パソコン事業が持続的に発展していくために、さまざまな検討を今加速して進めている状況です。以上が、第3四半期の内容でございます。

全社

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続きまして、通期見通しをご説明をさせていただきたいと思います。これまでと同様に、メモリ事業の譲渡益に関しては手続き進行中ということで、この見通しの中では含めておりません。第4四半期の為替レートの前提は1ドル110円でやっています。

また、今回はメモリ事業の非継続事業への組替を行ってはおりますが、まず組替前でいったんご説明をして、そのあと組替による想定影響額をご覧いただきたいと思います。表の一番左から2番目、黄色の部分が今回2017年度のメモリ事業、非継続組替前の業績見通しになっております。非継続組替前では、前回11月9日の公表値との変動をその右に、差で書いております。

2017年度見通しとしては、売上高4兆9,900億円、営業損益と税前損益はそれぞれ4,400億円と4,600億円の黒字、当期純損益は5,200億円のプラスと、前回の公表した予想から改善の見通しが立っています。

営業損益は、メモリは増益となる見通しですが、エネルギーシステムソリューションでロスコンの引当の追加が必要であるということで若干悪化し、対前回で100億円の改善の見通しです。税引前損益では、対前回で600億円の改善を見込んでいます。これを加えて、営業損益の改善とともにトータル600億円の税引前損益の改善となっています。

営業外損益は、先ほどお話ししましたように、映像事業のクローズが見えてきたということで、売却益が約250億円ありますけれども、これを営業外損益に今回新たに組み込んでいます。

それから、ウェスチングハウスの親会社保証の支払いの完了によって、前回び見通しにはウェスチングハウスの債権の売却、あるいは親会社保証の支払いは金額が大く為替の変動があると悪化してしまう可能性があったためリスクを入れておりましたが、そのリスクが実現することもなくクローズしましたので、今回そのリスクを外し、営業外損益では500億円の改善ということになっています。

それから、当期純損益が大きく、6,300億円改善しています。

税引前損益の600億円に加えて、まず1点目は、ウェスティングハウスの債権の売却益1,800億円、これが1月にリールクローズしたものです。それから、ウェスティングハウスの債権売却に伴う税額減少の影響、これが前々からお話をさせていただいていた2,400億円です。これもプラスが入ってきました。さらにゴーイングコンサーンの注記が外れたことによって、米国会計基準上繰延税金資産を計上するということが出て、これで1,100億円の繰延税金資産の計上をしています。それから、先ほど申しました映像事業の売却に伴う税額減少の影響が400億円あります。

こういったことを今回の見込みの中に織り込み、前回予想から6,300億円改善し、当期純損益は5,200億円になるという見通しです。

また、フリー・キャッシュ・フローについては、ウェスティングハウスの債権売却に伴う改善、これがキャッシュベースで2,500億円入ってきます。こういったことはありましたけれども、親会社保証の支払いを追加で5,300億円、アメリカの電力会社さんに全額支払ったということがあって、前回予想から1,700億円の悪化、マイナスの5,500億円になるであろうという見通しをたてています。

このマイナス影響を、今回実施した増資でカバーしたかたちとなっておりますけれども、増資によるプラスの影響はこのフリー・キャッシュ・フルーではなく、財務・キャッシュ・フローのところで認識をされています。

次に、1番右側の黄色い部分をご覧ください。こちらがメモリ非継続控除後の業績予想になります。

売上、営業利益、それから税引前損益の各ラインからメモリの影響を控除したものです。控除した金額を、非継続事業損益として認識するために、当期純損益には影響はありません。組替による影響額には、メモリ事業とその他の映像事業との内部取引に関する修正も含まれているため、メモリ事業の業績見通しとは完全には一致していません。

ただ、こういった数字になっているだろうということです。控除したメモリ事業の金額は1兆900億円、あるいは利益では2,400億円になります。

それから、財務指標関連に関しては、株主資本、12月末ではまだ債務超過の状況ではありましたけれども、今回の見通しで4,600億円のプラスに転じていくということです。

それから、Net有利子負債も、前回は9,400億円の借入サイドということでたけれども、6,000億円になるということで、これも増資による影響、あるいはウェスティングハウスの債権を売却した影響等が入っているということです。

株主資本見通し 対前回予想

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25ページです。

これが、株主資本の前回の見通しからの影響7,500億円のマイナスであるということを11月の初めに公表しましたが、第三者割当増資6,000億円を行いました。

それから、ウェスティングハウスの債権を売却したことによって、売却益が1,800億円、これは税引後の数字でございますけれども、入ってきております。

それから、債権を売却することによる税額の減少効果2,400億円、繰延資産の再計上1,100億円、営業事業の売却がほぼほぼ確実になってきましたので、この分を税金の減少分と合わせて650億円の改善効果があるということで、4,600億円になっていくということです。

この後3月までにメモリのディールで1兆円近い株主資本がこれにオンされていくということになります。

Net有利子負債見通し 対前回予想

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それから、Net有利子負債はこれも前回の予想では9,400億円ということで、先ほど若干触れましたように、第三者割当増資をしたので、6,000億円借入金が減少です。

ただ、見合いでウェスティングハウスの親会社保証の支払いを5,300億円行なっております。

それから、ウェスティングハウスの債権売却によるキャッシュインが2,500億円ということで、合わせ持って6,000億円の借入に削減していくということです。

これで同じように、3月までにメモリが入れば、大きな資金改善が起こりますので、現預金サイドになってくるという見通しをたてています。

セグメント別 メモリ非継続組替後

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27ページですが、今の見通しをセグメント別に記載したものです。

このページは、メモリを非継続事業として捉えております。16年度も17年度もメモリを外しています。

表の真ん中の黄色い部分が、今回の業績予想となっており、17年度の売上は全社で3兆9,000億円でございまして、前年度比較だと1,400億円の減収となる見通しです。

エネルギーシステムソリューションは、約1,400億円減っていますけれども、これはランディス・ギアを除外した影響が出ています。

その他セグメントにおいても、パソコンやテレビで1部地域の事業撤収などによって、減収になっているという状況です。

営業損益については、前年度比較で820億円悪化ということで、絶対値としても0となる見通しです。

これは、消去の欄に、まず600億円の構造改革費用、これを織り込んでいます。

その他という欄のところに、先ほど少しご覧いただきましたパソコンやテレビ、こういった赤字が入っています。

こういった事業の再編を今行っているというところです。

以上が、メモリを除いた後の会社の見通しとなっています。

エネルギーシステムソリューションでの赤字に加えて、その他のセグメントの収益性も、まだまだ、ご覧いただいたように低いということで、現在構造改革を、鋭意、会社としては進めているという状況です。

セグメント別 メモリ非継続組替前

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28ページが、メモリ非継続組替前、従来ご説明していたセグメントベースの数字になっていますので、後でご参考にご覧いただければと思います。

なお、17年度見通しの主要事業の内訳については、ベンディックスの34ページ以降に掲載をしてございますので、後ほどご覧いただければと思います。

以上で、ご説明を終わります。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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