3. 住民税非課税になるのに必要な手続きはある?
住民税非課税世帯に該当するために、必要な手続きはあるのでしょうか。
所得が低い方などは「何か手続きしないといけない」と感じるかもしれませんが、特別な手続きは必要ありません。所得の申告さえできていれば、自治体が判定してそのまま把握します。
ただし、「どうせ自分は収入がなかったから」「少なかったから」と所得の申告自体ができていないと、正確な判定ができません。必ず確定申告や住民税申告等を行いましょう。
4. 住民税非課税世帯に対する支援は給付金以外にもある
住民税非課税世帯を支援するため、日本にはさまざまな給付金や助成があります。
2022年には電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金として、1世帯あたり5万円が支給されました。
前述の通り、2023年にも「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金(名称は自治体によって異なります)」として、1世帯あたり3万円が支給されました。さらに1世帯あたり7万円の給付(合計10万円)が実施されています。
こうした給付金以外の助成制度も確認しましょう。
4.1 幼児教育・保育の無償化
0~2歳児は幼児教育・保育の無償化の対象外ですが、住民税非課税世帯であれば全年齢で無料化となります。
また、副食費等を独自で無料にする自治体もあります。
4.2 大学無償化(高等教育の修学支援新制度)
大学などの授業料や入学金が、免除もしくは減額される制度があります。
さらに学生生活を送るための生活費として、日本学生支援機構(JASSO)から給付型奨学金を受け取ることもできます。
4.3 国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料の減免
国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料は、所得に応じて負担する所得割と、加入者全員が負担する均等割の合計で決まります。
このうち均等割は一律で同じ金額ですが、非課税世帯は軽減されます。
他にも年金保険料などは収入に応じて減免が認められるため住民税非課税世帯は対象になる可能性が高いです。
5. まとめにかえて
今回は住民税の中の「住民税非課税世帯」について見ていきました。どんな世帯があてはまるのか、また手続きの必要性や助成金についても確認しました。
政府は給付支援サービスの提供を開始するなど、デジタル化も進めています。
ただし、住民税は「税」のひとつに過ぎず、その他にもいろいろな「税」が世の中にはあります。まずはご自身がどんな「税」を負担しているのか確認してみましょう。
その中で疑問に思ったことは、まずは「知る」というところから始めるのが大事です。国や市などは、いろいろな発信をしています。
まずは皆さんが「税」に対して関心をもち、調べてみることによって意外なメリットが出てくるかもしれません。
参考資料
- 東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
- 総務省「個人住民税」
- 大阪市「個人市・府民税が課税されない方」
- 内閣府「物価・賃金・生活総合対策本部(第8回)議事次第」2023年3月22日
- 板橋区「住民税 よくある質問」
- 内閣府「新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年12月1日」
- 東京都港区「「港区住民税非課税世帯等生活支援給付金」追加支給(現金7万円給付)のご案内」
- デジタル庁「給付支援サービスの提供を開始しました」
- 給付支援サービス公式サイト「給付事務を迅速で確実に」
渡邉 珠紀