3. 【老人ホーム】退去を避けるために行うべきこと
ここでは老人ホームに入居する前と後の段階に分けて、退去を避けるためにできることを解説します。
3.1 入居前にしておくこと
今回のご相談では、お父様の認知症進行による退去への不安をお持ちとのことでした。入居前の面談では、「実際に退去となったケース」について詳しく質問されることをお勧めします。
認知症への対応は、施設によって大きく異なります。妄想や幻覚などが原因で退去になった事例がある場合には、施設の選択を慎重に検討する必要があるでしょう。
3.2 入居してからするべきこと
入居後も、お父様と定期的に面会を行うことをお勧めします。家族の面会は、お父様の状況を把握し不安や不満を解消する貴重な機会です。
コミュニケーションは、お父様のストレス軽減にもつながります。またコロナウイルスなどで面会制限がある場合には、オンライン面会を活用する方法も。
また施設スタッフとのコミュニケーションも重要です。お互いの要望や意見を伝えることで、信頼関係を築けます。
またお父様が不安定な時に、家族が面会したり外出支援するなど協力的な姿勢を見せることで、施設側も可能な限りのサポートを提供してくれるでしょう。
4. 万一、退去になった場合
万一、退去勧告を受けても90日程度の猶予期間があることが一般的です。
利用中の老人ホームが、次の施設や病院を探すために協力してくれるケースも多くあります。それでも、どうしても見つからない場合は、ショートステイをつないで施設入居や入院できるのを待つことも可能です。
また入居一時金など前払い金を支払っている場合は、入居期間によって未償却分が返還されます。返還金の計算方式は施設によって異なるので、契約前に確認しておきましょう。
5. まとめにかえて
認知症介護の辛さは、未来が見通せないことにあると言えるでしょう。
「この状態がいつまで続くのだろう」「これからどうなるのだろう」と、不安を抱えるのは当然のことです。
そんな時は、主治医やケアマネジャー、施設スタッフなどの専門家に相談しましょう。介護保険制度は家族を支援するための制度でもあります。
決して一人で抱え込まずに、解決方法を一緒に探していきましょう。