老後生活において、大きな収入源となるのが「公的年金」です。
日本の公的年金は原則65歳から受給開始となりますが、年齢によって受給額に違いはあるのでしょうか。
68歳男性は「10歳年上の友人の年金が高いです。年齢で違いがありますか?」と気になっているとのこと。
本記事では、「厚生年金・国民年金」の平均額を1歳刻みで紹介していきます。
「年齢以外の年金額が異なる理由」についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。
1. 日本の公的年金「厚生年金と国民年金」の仕組みを知る
まず初めに、日本の公的年金の制度や仕組みについて、整理しておきましょう。
日本の公的年金は「厚生年金」と「国民年金」の2種類があり、これらは2階建て構造となっています。
それぞれの違いや特徴は下記のとおりです。
1.1 国民年金の加入者や保険料など
- 加入対象者:原則として日本に住む20歳から60歳未満の全ての人
- 保険料:一律(年度ごとに見直し)
- 年金額:40年間未納なく全ての保険料を納めれば満額受給
1.2 厚生年金の加入者や保険料など
- 加入対象者:主に会社員や公務員
- 保険料:毎月の給与や賞与などの報酬により決定
- 年金額:現役時代の年収や加入期間によって決定し、国民年金に上乗せして支給
会社員や公務員は厚生年金に加入しており、国民年金に上乗せする形で厚生年金が老後に受け取れます。
反対に、自営業者やフリーランス、専業主婦などの場合は、国民年金のみの加入となります。
2. 【年金一覧表】厚生年金と国民年金の平均月額はいくら?
「厚生年金か国民年金か」によって受け取れる年金額の水準がかわります。
また「年齢別」によって、どのくらい公的年金の受給額に差が生じるのかも気になるところです。10歳年上の友人の方が年金額が高いとのことですが、実際に違いがあるのでしょうか。
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、60歳〜89歳までの「厚生年金と国民年金」の平均月額は下記のとおりです。(厚生年金の平均月額は、国民年金を含んだものとなっています。)
「厚生年金」と「国民年金」それぞれの平均月額を1歳刻みで見ていきましょう。
2.1 厚生年金の平均月額を1歳刻みでチェック
60歳〜89歳の「厚生年金」の平均月額は下記のとおりです。
- 60歳:9万4853円
- 61歳:9万1675円
- 62歳:6万1942円
- 63歳:6万4514円
- 64歳:7万9536円
- 65歳:14万3504円
- 66歳:14万6891円
- 67歳:14万5757円
- 68歳:14万3898円
- 69歳:14万1881円
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
- 80歳:15万1109円
- 81歳:15万3337円
- 82歳:15万5885円
- 83歳:15万7324円
- 84歳:15万8939円
- 85歳:15万9289円
- 86歳:15万9900円
- 87歳:16万732円
- 88歳:16万535円
- 89歳:15万9453円
確かに年齢があがるほど年金額は高まるようです。
68歳の平均月額は14万3898円、78歳の平均月額は14万7166円となりました。
2.2 国民年金の平均月額を1歳刻みでチェック
60歳〜89歳の「国民年金」の平均月額は下記のとおりです。
- 60歳:4万2616円
- 61歳:4万420円
- 62歳:4万3513円
- 63歳:4万3711円
- 64歳:4万4352円
- 65歳:5万8070円
- 66歳:5万8012円
- 67歳:5万7924円
- 68歳:5万7722円
- 69歳:5万7515円
- 70歳:5万7320円
- 71歳:5万7294円
- 72歳:5万7092円
- 73歳:5万6945円
- 74歳:5万6852円
- 75歳:5万6659円
- 76歳:5万6453円
- 77歳:5万6017円
- 78歳:5万5981円
- 79歳:5万5652円
- 80歳:5万5413円
- 81歳:5万5283円
- 82歳:5万7003円
- 83歳:5万6779円
- 84歳:5万6605円
- 85歳:5万6609円
- 86歳:5万6179円
- 87歳:5万6030円
- 88歳:5万5763円
- 89歳:5万5312円
厚生年金の場合は、月に14万円前後の年金額が受け取れる一方で、国民年金の場合は月に5万円ほどしか支給されていないことがわかります。
68歳の平均月額は5万7722円、78歳の平均月額は5万5981円。むしろ減少しているようです。国民年金と厚生年金では傾向が異なることがわかります。
年齢による違いも若干ありますが、現役時代に加入している年金保険が「厚生年金」か「国民年金」かで、将来の収入源となる公的年金の受給額が大きく変わるとうかがえます。