2024年2月15日は、2カ月に1度の年金支給日です。今年最初の年金支給日を心待ちにするシニアも多いでしょう。

このように、年金生活になると2カ月分の年金を受け取り、日々の家計をやりくりします。

実は、そんな厚生年金や国民年金から「天引き」されるお金があることをご存知でしょうか。

私達が得る給料と同様に、税金や保険料が天引きされるのです。

老後を迎えてから年金の「額面」と「手取り」の違いに驚くことがないよう、年金について予習しておきましょう。

1. 厚生年金と国民年金は2階建ての構造

老後の主な収入源となる老齢年金。公的年金である「厚生年金と国民年金」から支給されますが、それぞれの仕組みや概要を押さえておきましょう。

日本の年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

 

 

1.1 国民年金(老齢基礎年金)

1階部分にあたる国民年金には、日本に住む20~60歳未満の方が原則加入します。保険料は一律で、2022年度は月額1万6590円、2023年度は1万6520円でした。

40年間納めることで満額の老齢基礎年金が受け取れますが、未納や免除された期間があればその分減ってしまいます。

1.2 厚生年金(老齢厚生年金)

公務員や会社員などは、国民年金に上乗せして2階部分の厚生年金にも入ります。

厚生年金の場合、保険料は一律でなく現役時代の報酬に応じた等級で決まります。つまり加入期間や納めた保険料によって、受け取れる老齢厚生年金額が変わるということです。

日本は国民皆年金なので、このように誰もが年金に加入します。

次では老齢年金の平均的な「額面」を見てみましょう。

2. 厚生年金の受給額は「額面」で月平均いくらなのか

ここからは、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金の実際の受給額を見ていきます。

会社員や公務員だった方が受給する厚生年金の金額には、国民年金部分も含まれています。

2.1  厚生年金の平均年金月額

〈全体〉平均年金月額:14万3973円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金部分を含む

全体は14万3973円でしたが、男女で月約6万円の差が出ました。

2.2 【厚生年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)

  • 1万円未満:6万1358人
  • 1万円以上~2万円未満:1万5728人
  • 2万円以上~3万円未満:5万4921人
  • 3万円以上~4万円未満:9万5172人
  • 4万円以上~5万円未満:10万2402人
  • 5万円以上~6万円未満:15万2773人
  • 6万円以上~7万円未満:41万1749人
  • 7万円以上~8万円未満:68万7473人
  • 8万円以上~9万円未満:92万8511人
  • 9万円以上~10万円未満:112万3972人
  • 10万円以上~11万円未満:112万7493人
  • 11万円以上~12万円未満:103万4254人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5662人
  • 13万円以上~14万円未満:92万5503人
  • 14万円以上~15万円未満:95万3156人
  • 15万円以上~16万円未満:99万4044人
  • 16万円以上~17万円未満:104万730人
  • 17万円以上~18万円未満:105万8410人
  • 18万円以上~19万円未満:101万554人
  • 19万円以上~20万円未満:90万9998人
  • 20万円以上~21万円未満:75万9086人
  • 21万円以上~22万円未満:56万9206人
  • 22万円以上~23万円未満:38万3582人
  • 23万円以上~24万円未満:25万3529人
  • 24万円以上~25万円未満:16万6281人
  • 25万円以上~26万円未満:10万2291人
  • 26万円以上~27万円未満:5万9766人
  • 27万円以上~28万円未満:3万3463人
  • 28万円以上~29万円未満:1万5793人
  • 29万円以上~30万円未満:7351人
  • 30万円以上~:1万2490人

※国民年金部分を含む

男女差だけでなく、個人差も非常に大きいことがわかります。

現役時代の働き方は様々。今は同じ年収でも、若い頃の年収は違うものですし、今後は独立して厚生年金を脱退するかもしれません。

60歳を過ぎて働き続ける人もいれば、リタイヤする人もいるでしょう。今の年収が同じでも、将来の年金額は異なることが一般的なので、年金額にも個人差が現れます。