昨今の物価高騰や税負担の増加など、老後への不安は増すばかりです。
貯蓄や資産運用などによる自助努力が求められるなかで、実際に老後を迎えているシニア世代の方々は、どのくらいの準備ができているのでしょうか。
今回は60歳代・ひとり世帯の貯蓄額のなかでも「貯蓄3000万円以上」の割合にスポットライトを当てます。現代シニアの厚生年金と国民年金の平均月額、また2024年度の年金額例もチェックしていきましょう。
1. 【60歳代・ひとり世帯】貯蓄3000万円以上は何パーセント?
60歳代・ひとり世帯で「貯蓄3000万円以上」を達成している人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」より、60歳代・ひとり世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【60歳代・ひとり世帯】貯蓄3000万円以上の割合
- 15.1%
1.2 【60歳代・ひとり世帯】平均貯蓄額と中央値
- 平均:1468万円
- 中央値:210万円
貯蓄3000万以上は2割未満となりました。定年退職時に一括で受け取った退職金により貯蓄額が急増した世帯も含まれる可能性があります。
また、この貯蓄額には現金や預貯金だけでなく、株式や投資信託、債券などの金融商品の残高も含まれています。
そのため、金融商品の資産価値が上昇したことで資産が増加した世帯もあるでしょう。
2. 【厚生年金と国民年金】日本の公的年金、平均受給月額はいくら?
では、現代のシニア世代は、年金を月いくら受給しているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、現代シニアの平均的な年金額も見ていきましょう。
2.1 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
2.2 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
※国民年金部分を含む
国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台でした。とくに厚生年金は、現役時代の働き方やワークライフバランスに大きく影響します。
自分の年金見込額や納付状況などは「ねんきん定期便」などでチェックしてみてください。