2018年2月16日に行われた、KeePer技研株式会社2018年6月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:KeePer技研株式会社 代表取締役 社長 谷好通 氏
KeePer技研株式会社 常務取締役経営企画部長 滝谷正史 氏
会社概要
谷好通氏(以下、谷):KeePer技研の谷でございます。よろしくお願いいたします。
まず私どもの会社の概略を、簡単にご説明したいと思います。私ちょっと足の具合が良くないものですから、座らせていただきます。ごめんなさい。
KeePer技研は、KeePerという車のコーティングを主に扱っている会社ですが、創業が1985年ですので、創業から32年の会社です。
昭和60年 株式会社タニ、共同石油高津波給油所として創業
もともとは、ちっちゃなガソリンスタンドを女房と2人で始め、いろんないきさつがあり、こんなふうになっちゃったということです。
二つの事業セグメント
現在、この会社はキーパーLABO運営事業というキーパーコーティングをメインにした洗車とコーティングの専門店です。これを62件、直営でやっています。FCも若干ありますけども、今はFCは募集をしていません。その代わり、「キーパープロショップ」という技術認定店を全国に5,645ヶ所持っています。
これを総称してキーパー製品等関連事業といいいます。このキーパープロショップへ技術の伝達とケミカル製品を販売するということです。ただ実際のビジネスは、ケミカルの販売が主になっていますので、これを総称して、事業の名前としてはキーパー製品等関連事業と言っています。
キーパーLABO運営事業
この会社の基本になるのは、直営店の「キーパーLABO」という店舗が軸です。社員はまずこの店に全員入って、技術を覚え、店のマネジメントを覚えて、責任者目指してやっていく、あるいは、LABOの中でしっかりとやっていくのも1つの方法です。それからLABOで覚えた技術を持って、キーパーLABOで使っている技術をガソリンスタンドの人たちにお教えするトレーニングセンターに出向いて、ここでインストラクターをやるという、両方の道があります。また、あるいは掛け持ちをやったりと、いろんな体制を持っています。
キーパー製品等関連事業
今まではトレセンが11ヶ所だったんですけれども、福山にトレセンを1つ、郡山に1つを作って、13ヶ所になりました。トレセンで研修生を教えていくということが、主な仕事になっています。
キーパープロショップの店舗数
このプロショップは、今全国に5,646ヶ所ありますけれども、日本全国にくまなく散らばっていて、キーパーコーティングを正しくやるということを唯一の約束として、集約しています。
キーパープロショップの主な活動
このキーパープロショップを盛り上げていくために、選手権やコンテスト、あるいは上達会といった活動を行いながら、キーパーコーティングの質の維持を図っています。
KeePer技研株式会社のビジネスモデル
そういった店舗直営店と営業、インストラクションの仕事があります。営業と言っても、ほとんどインストラクションの仕事で相互に働き合っており、これを支えているのが開発の部門です。開発は自主開発でやっています。東京昭島に研究所があって、ここが私どもの基礎になって、ここで作られた技術が製品になります。製品そのものは全部OEMで作っていまして、約6割を国内で作っています。
残りの4割をドイツのSONAXというメーカーとタイアップをしています。共同開発した製品を、ドイツで作っています。ドイツ4割、国内6割というような比率です。これを直営にも製品事業にも卸しています。この卸は機械とかいろんな道具も、ほとんどすべての物をオリジナルでやっていますけれども、事業の中心になっているのはケミカル製品ということになっています。
企業ビジョン
「日本に新しい洗車文化を」ということでやってまいりました。全国を走っている乗用車が6,000万台のうちの約5パーセント、300万台に対して毎年キーパーコーティングを施しています。これはいろんなアンケートをしてみても、実際にお客さまが「あ、キーパーコーティングやっているよ」というようなことを答えていただいたということです。
その数字は、ただ黙ってやっちゃったとか、サービスでやっちゃったとか、そういうものではなくお互いに納得ずくでやってそういう数字になっています。こういったことを繰り返していって、キーパーコーティングの良さを認めていただいて、非常に多くのリピーターに買っていただき成長し、3年前に上場し、2年前に一部に市場を変更したということです。
平成30年6月期 第2四半期決算 損益
今期、平成30年6月期の第2四半期の数字のご紹介です。
滝谷正史氏(以下、滝谷):改めてご挨拶申し上げます。滝谷と申します。よろしくお願いいたします。私からは決算諸表につきまして、ご報告します。
お手元に決算短信の資料があるかと思いますが、そちらのまず1ページをご覧ください。経営成績につきましては、この半年間、売上が前年同期比で4.2パーセントの増加し、39億5,700万円、営業利益はプラスの1.7パーセントで7億100万円、経常利益は3.1パーセント増加で7億1,000万円、四半期純利益は10.5パーセント増で4億6,600万円になっております。
これに関しましては、決算短信の7ページをご覧くいただきたいと思います。
こちらで前年同期比との比較が出ております。売上については今申し上げたような伸びですけれども、原価につきましては前期比でマイナスの2.4パーセント、売上の粗利益につきましてはプラス6.9パーセントとなっております。
販管費は、前年同期比でプラスの6.9パーセントです。
平成30年6月期 第2四半期決算 貸借対照表
バランスシートは2ページに戻っていただき、5ページと6ページもご覧いただきたいと思います。
全体の総資産は、若干のプラスです。こちらは59億5,600万円となっており、主な動きとして、借入をどんどん返済する方向に今なっております。
この半年間につきましても1億9,500万円、約2億円弱返済をしておりまして、足元の借入の残高は4億1,500万円となっております。
平成30年6月期 第2四半期決算 キャッシュ・フローの状況
あとはキャッシュ・フローについても、若干付け加えたいと思います。こちらにつきましては、8ページをご覧いただきたいと思います。
8ページでは当期の営業キャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フローおよび財務活動によるキャッシュ・フローについて記載しております。
影響活動によるキャッシュ・フローは、プラスの3億6,500万円です。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、若干上回る、ほぼ同じような数字の3億7,600万円を使っております。
財務活動は、先ほど申し上げたような借入の返済あるいは配当等による支出により、3億2,600万円のマイナスで、全体としはこのページにありますように、現金同等物に関する残高は前年同期に比べて減少しているということです。
簡単ですが、私からは以上です。
谷好通氏(以下、谷):この半期、去年(2017年)の7月から12月は天候の乱れが非常に激しくて、7~8月と非常に悩まされました。
この7~8月と長めでマイナスしたものを、9月でだいたい取り返しましたが、それでもやはり去年の利益には追いつかなかった、下回ったという結果になりました。10月はひと月のあいだに台風が3つも上陸したと、今までなかったことで、また散々やられました。
反対に11~12月は、それを上回り、この第2四半期については、そこそこになることができました。ただ、第1四半期のちょっとしたダメージが取り返せてないということもあります。
LABOでは、そういった変化がまともにきますので、今のところ天気に随分苦しんでいるなというようなイメージが強いんですけれども、これが製品の事業になりますと、90パーセントがガソリンスタンドの方に卸しているわけです。
ガソリンスタンドの世界では、劇的なことが起こっておりまして、いちばん大きなENEOSさん、JXエネルギーさんと、エッソ・モービルの東燃ゼネラルさんが合併をして、圧倒的なシェアを取るようになったということで、非常に競争のない今状態になっていて、非常に穏やかになりました。
やはり人手不足が非常に厳しいということも相まって、ここでの伸びというのが、非常に鈍く、頭を打ったなというようなことを実感しております。
いろんな要素が絡み合って、伸びが止まったなということを実感しています。
ガソリンスタンドさんの業界の中でのkeePerの普及ぶりというのは、実にすごいものがあって、数に限界のある業界ですので、いずれは限界がくるということは思っておりました。
やはり直営店というものを精力的に作っておかないと、ということを2~3年ほど前から思っていて、だんだんその馬力をかけてきたわけです。今期はとくに1月に2軒ずつ出していこうということで、24軒出そうということで、やってまいりました。
その正規のガソリンスタンドの頭打ちというものが、もうちょっと後だとよかったかなと思いつつも、いろんな新規で店舗を作っていきます。
いろんな仕組みを作り上げて、新規店を非常に高いスピードで開けられるようになって、何とか間に合ったというような感じで、今非常にハイペースで作っております。
今期は7月に春日井店、8月に千葉ニュータウン店、久留米店、トレッサ横浜店、広島に長楽寺店、12月に小牧山店、1月に横浜の綱島店と開けてきました。
「1ヵ月に2軒開けるぞ」と言ってた割には、これですとだいたいひと月に1軒ちょっとという感じで、「なかなか言ってるように上がらないじゃないか」というようなことですが、現実にそうなんです。
実はこの間にも、やはりいろいろなことを進めており、この(2018年)3月から1ヵ月に4軒ずつ開けていくというような、非常にハイペースになってきます。
今、関東に主に新店を作っているんですけれども、関東のほうがなかなか建築業者がつかまりません。17年度も随分苦労して、今、同時に7件、工事現場がありますけども、ようやくそういったものが、業者さんも揃えてこれました。
業者さんを揃えるのは、思ったより手間取ってしまったということで、この上半期においては、本当に1ヵ月に1軒ぐらいのペースでしかできなかったというのが、ここに至って非常に早いペースで、業者さんが揃ってきて、今一生懸命作っております。
それが、3月3日に相模原淵野辺店が完成します。それから、3月9日に愛知県の江南という場所で、スタンドの跡地を利用した店舗が出ます。今、工事をやっております。それから八王子の店が、ようやく改装が終わります。もう直前で、これも3月9日を予定しております。
岐阜県の可児という場所に、カーマホームセンター、今はDCMと言いますかね、ダイキさんとカーマさんとホーマックさんが一緒になった、カーマさんに第1号店として出すことになっております。これも今工事をやっており、3月31日に必ず出すという約束をしております。
3月には4件と、4月には豊橋に、これは工事をやったんですけども、オートバックスさんの中です。
それから世田谷の近くの246玉川に4月21日にオープンの予定です。同じ4月には三郷に、LABOの店舗と東京営業所と東京トレーニングセンターを兼ねた、非常に大きなものがオープンします。
これは、関東での機能をもっと充実させたいということで、相当大きなものです。建物そのものも1億円後半になっております。これが3月23日にオープンの予定です。それから、まだ工事に入ってないんですけども、こんなものを作る予定になっております。
4月の一番最後は、大阪の鶴見。こんなものを作ることになっております。もう間もなく着工するはずです。
3月、4月と4件ずつやって、それに続いて5月、6月と4件ずつ続けて作っていくと、16件を4ヶ月の間にオープンさせることになります。私どもも今まで経験のないことですけれども、計画を立てて人の配置も考えて、着々とやっているということです。
この4月には新卒が62人、また入ってきますので、集中して開ける店舗にも充てられていくということです。
昨年の4月に入社した新卒が64名いたんですけども、この64名のうち61名が残って、残念ながら3名は辞めました。やはり土日が仕事というのがどうしても辛いという子もいて、3名辞めてしまいましたけども、ほぼ全部と言ってもいいぐらい、61名が残ってくれましたので、こういった計画も進められたと思っております。
今年は、去年に比べて非常に人手不足の感が強くて、なかなか(新卒が)来ない状況があったのですけれども、たまたまSUPER GTの500クラス、SUPER GTの一番速いクラスで優勝、日本チャンピオンになったということで、そのKeePerというブランドに非常に認知度が上がったんです。ポンと認知度が上がってしまって、人気が出たというのか。
今年集まってくれた若い子62名に「どうしてうちへ応募したの?」と聞くと、「SUPER GTが」と言ってくれました。この(人員の募集に)非常に困ったときにたまたま日本チャンピオンになってくれましたので、非常にラッキーだったということです。
いつまでもこういうラッキーに頼ってはいけませんので、当然ですけれども、がんばって今年・来年の4月に入社してくれる人たちの募集のために、大学回りや高校回りなど、学校回りを非常にこまめにやって、今のところ、会社の説明会へのエントリーは、びっくりするぐらいの人数になっております。
来年も、うまくいけば相当な人数が集められるんじゃないかなと思っております。とりあえず、全国への販売網という意味で、5,640数ヶ所を完備できましたので、そこでの限界を見越した上で、今年はとくに新店を、直営店をしっかり作っていこうということを思っています。
今までは、いわゆる車のアフターの部分を担ってまいりました。それは直営店であり、ガソリンスタンドであり、いわゆる車が売られてから何年かたった後のビジネスです。これはこれで意味があったなと思っています。
というのも、車の寿命がそれなりに伸びてきて、アフターの部分が非常に充実してきています。まだまだこの部分は、しっかりと固めなければとは思っています。ただ実際にアンケートを取ってみても、コーティングのようなものをするのは、新車のときが圧倒的に多いということです。新車に手を付けずに、やっぱり拡大はできないということを思いました。
いわゆるアフターの部分だけじゃなくて、もっと積極的に間違いないかたちでやっていきます。だから、いろいろな車のメーカーの純正も取って、いろいろなかたちで参加していこうとを思っています。業務の拡大です。アフターのところから新車に、あるいは直営にもっと広げていくというようなことです。
そういったものを直接的に支えてくれているのは、やはりキーパーコーティングの優秀性ということに尽きるわけです。これがお客さまに本当に気に入っていただける、そういったものだからこそ、広がっていくわけです。それがどう優秀なのかという部分を、今、動画でいろいろ流しています。これをどう伝えていくのか。
私どもの膜は、SiO2の分子結合が制限的にコントロールされているということが、本当のみそなんです。こういったポイントの部分を公開して、いろんなところに働きかけています。被膜の厚みを計測するというのが、非常に難しかったのですが、やはり1ミクロンありました。
あるところでは塗装の深さに対して、5ミクロンの深さまで埋めることができたということです。ごく普通にあるコーティングというのが、20ナノあるいは30ナノというようなレベルの厚さです。この1ミクロンというのはつまり1,000ナノですので、4、50倍はやはり厚い。そういったものを柔軟性のあるガラス被膜という、非常に独自のもので作り上げてきたということです。
それを公開をして、今まではまねされても嫌だったということで、ほとんど公開してこなかったんですけれども、もう今そういうことを言っているときじゃないということで、公開をしました。
どういう仕組でこうなっていて、ということをあからさまにしながら、特許もどんどん取っています。ある程度荒れた塗装も、「ダイヤモンドキーパー」を塗るとこんなつやが出ちゃう、磨かなくても出ちゃうということです。
それがやはりこの1ミクロンの、ちゃんとしたガラスの被膜によっているということです。だからポリッシャーがいらない、車の塗装を磨かなくてもいい、削らなくてもいいということです。それから厚みがあるので、紫外線も、UVカットも実証しています。アンカー効果があるので、いわゆる有機溶剤というものを使わなくても済みます。だからやり直しが効き、新車にも非常に有利な条件になっています。
こういったことをすべて、今は公開しています。塗装に対してのウロコ、水シミこういったものもまったく付かないような仕組みになっています。これは特許にもなっていますし、そういったことが実際に第三者機関に測って、そういったものを証明してもらっています。二重構造にしているゆえです。つやが違うという部分についても、特許になっています。
特許は、防護になると同時に、公開するということになってしまいますので、あまり公開してこなかったんですけれども、今はもう公開しています。新しい次元に入っているというようなことです。こういうことをいろんな自動車メーカーにも公開して、着々と積み重ねを行っているということです。
このKeeperを、お客さまの車に実現するためのトレーニングセンターも、技術を広めるためのトレーニングセンターも拡充を続けています。13ヶ所になり、技術者ももう2万人を越して、1級検定に受かった人も2万人を越してきたという、新しい段階を迎えてきています。1年の「クリスタルキーパー」、3年の「ダイヤモンドキーパー」、3年から5年の「Wダイヤモンドキーパー プレミアム」、それから今度新しく出ているのが、「艶パック」というもので、広く新しく広げていこうとしています。新製品と新店です。新店が一番良く目立ちますけれども、地味にこういったこともやっているということで進めてまいりたいと思っています。
以上になります。