優雅に咲く花の美しさや濃厚な甘い香りで、世界中の愛好家を魅了する洋ラン。そのゴージャスな花姿は、お祝い用のギフトや式典の装飾としても高い人気を誇っています。

ランは育て方が難しいと思われがちですが、育て方のコツがわかれば初心者でも大丈夫。

今回は洋ランの栽培方法や育てやすいオススメの品種を参考価格とともに紹介します。

1. 洋ランとはどんな植物?

ヨーロッパ各地で大ブーム!「オーキッドハンター」が現地に派遣された歴史を持つ洋ラン

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1.1 洋ランの歴史

洋ランはもともと東南アジアなど熱帯から亜熱帯にかけての高温多湿な環境で自生していた多年草。19世紀にイギリスに持ち帰られ、優美でオリエンタルな花はヨーロッパ各地で大ブームに。

珍しい品種を手に入れたい富裕層は、こぞって「オーキッドハンター」と呼ばれるランの採集人を現地に派遣します。その後明治時代には品種改良されたさまざまな品種が日本に渡来してきました。

日本には野山に自生しているランがあったため、西洋から渡ってきたランを「洋ラン」と呼んで区別し、現在に至るまでコレクターやマニアの熱い視線を集めています。

1.2 洋ランの品種

15000種以上の品種があると言われている洋ラン

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洋ランはその多様性においては群を抜き、世界中に15000種以上もの品種があると言われています。しかも品種改良により現在も進化中で、豊富な花色と個性的な花の形がつぎつぎと登場。

洋ランは大きくわけて「地生ラン」と「着生ラン」に分類されます。地生ランは地中に根を張り乾燥が苦手です。水を十分に蓄えられるように、茎が太くどっしりした印象。

着生ランは樹木や岩などにくっついて生息し、空中に伸ばした「気根」という根から水分を吸収するため乾燥にもよく耐えます。洋ランよりスリムで野趣あふれる草姿です。