能登半島地震の被災地では、2024年1月27日から石川県によるボランティアの派遣が始まりました。

年金保険料の免除など被災地への支援が、さまざまな方面で行われています。

今回は、被災した世帯向けに政府の支援策や貸付制度について解説します。

1. 政府が実施している支援策

まずは、政府が実施している被災者への支援策を2つ紹介します。

  • 生活福祉資金の特例貸付
  • 10万円の給付金

特に10万円の給付金は、2024年1月26日に発表された「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」で追加された内容です。

それぞれ確認しましょう。

1.1 生活福祉資金の特例貸付

生活福祉資金の特例貸付は、当面の生活費が必要な世帯に対して緊急で資金を貸し付ける制度です。

原則として貸付限度額は10万円ですが、以下のケースに該当していると、20万円まで貸し付け可能です。

  • 被災による死亡者が世帯にいる場合
  • 要介護者が世帯にいる場合
  • 4人以上の世帯の場合
  • 妊産婦や学齢児童がいる場合

無利子で融資を受けられて、かつ貸付日から1年以内は返済する必要はありません。

ただし、その後は2年以内に貸し付けを受けた金額を返済する必要があります。

1.2 10万円の給付金の給付対象

10万円の給付金は、政府が2023年11月に住民税非課税世帯に対して実施を決定した物価高対策支援です。

原則として住民税非課税世帯に給付する制度ですが、新たに「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」で、被災した世帯で一定の要件を満たす場合も給付対象にすると発表しました。

対象の世帯は、住民税が免除された世帯で「家屋や家財の損害額が50%以上で所得が500万円以下」が対象になります。

他にも、2024年2月2日の閣議において被災者向けの減税措置が決定されました。

具体的な手続き方法や給付金の受け取り方法は、各自治体のホームページや今後の発表を参考にしてください。

政府の支援策以外について、確認してみましょう。

2. NHKは受信料の免除期間の延長を決定

NHKも被災地の受信料を免除しています。

すでに、2024年1月から2月にかけて受信料は免除する方向でした。

しかし被害状況が甚大なので、免除期間が4ヵ月延長され、2024年6月まで免除されます。

受信料が免除されている地域は、以下の通りです。

居住していた建物が「半壊」「半焼」「床上浸水」によって被害を受けている世帯が、免除の対象になります。

NHK受信料免除の対象地域2/2

出所:NHK「令和6年能登半島地震における放送受信料の免除について」を元に筆者作成

受信料を免除する世帯はNHKが調査するので、個別に手続きをする必要は原則ありません。

受信料について不明点があれば、対応窓口に問い合わせして確認しましょう。

3. 医療費や社会保険料で免除されるのは?

被災地では、金品や身分証を持たず避難した人もいるでしょう。その状態で毎月の社会保険料や治療費は払えません。

そのため、社会保険料や医療費についても、自己負担が免除されています。

国民年金と社会保険料について、どのように免除されるかそれぞれ確認しましょう。

3.1 国民年金の保険料

2024年1月16日に、日本年金機構は能登半島地震で被災した人を対象に、国民年金保険料の免除を決定しました。

住宅や家財、その他の財産の被害金額がおおむね2分の1以上の損害を受けた場合に保険料が免除されます。

免除を適用するには、本人からの申請が必要です。

以下の書類を用意して、年金事務所か市区町村役場に提出してください。

  • 国民年金保険料 免除・納付猶予申請書
  • 国民年金保険料 学生納付特例申請書
  • 被災状況届

保険料は、2023年11月から2024年6月分まで免除される見通しです。

申請手続きの詳細は、市区町村または年金事務所で確認してください。

3.2 公的医療・介護サービスの自己負担

被災した地域では、医療や介護サービスを受ける場合、自己負担が必要ありません。

病院で治療を受ける場合、以下の条件に該当すれば保険証や現金がなくても受診できます。

  • 住家の全半壊、全半焼、床上浸水又はこれに準ずる被災をした場合
  • 主たる生計維持者が死亡し又は重篤な傷病を負った場合
  • 主たる生計維持者の行方が不明である場合
  • 主たる生計維持者が事業を廃止し、又は休止した場合
  • 主たる生計維持者が失職し、現在収入がない場合

介護サービスを受けた場合も同じく、窓口でのサービス利用料が不要です。

窓口での負担免除については、2024年4月末までを予定しています。

今後の被害状況によっては免除期間が延長される可能性もあるので、引き続き自治体から提供されるホームページなどを確認してください。

4. 北陸応援割も登場

被災地の免除に続き、政府は「北陸応援割」で観光促進を支援する割引制度を発表しました。

1人1泊あたり2万円を上限に、観光客の宿泊料金の半額が補助されます。

岸田首相は、記者会見で能登地方の観光需要の喚起策は今後も手厚く支援していきたいと表明しているので、割引率が拡充する可能性があります。

復興やボランティア、保険料の減免、観光需要のニーズ喚起と、さまざまな支援が実施されますが、今後も新たな支援策が発表されるのか、注目が集まります。

参考資料