3. 医療費や社会保険料で免除されるのは?
被災地では、金品や身分証を持たず避難した人もいるでしょう。その状態で毎月の社会保険料や治療費は払えません。
そのため、社会保険料や医療費についても、自己負担が免除されています。
国民年金と社会保険料について、どのように免除されるかそれぞれ確認しましょう。
3.1 国民年金の保険料
2024年1月16日に、日本年金機構は能登半島地震で被災した人を対象に、国民年金保険料の免除を決定しました。
住宅や家財、その他の財産の被害金額がおおむね2分の1以上の損害を受けた場合に保険料が免除されます。
免除を適用するには、本人からの申請が必要です。
以下の書類を用意して、年金事務所か市区町村役場に提出してください。
- 国民年金保険料 免除・納付猶予申請書
- 国民年金保険料 学生納付特例申請書
- 被災状況届
保険料は、2023年11月から2024年6月分まで免除される見通しです。
申請手続きの詳細は、市区町村または年金事務所で確認してください。
3.2 公的医療・介護サービスの自己負担
被災した地域では、医療や介護サービスを受ける場合、自己負担が必要ありません。
病院で治療を受ける場合、以下の条件に該当すれば保険証や現金がなくても受診できます。
- 住家の全半壊、全半焼、床上浸水又はこれに準ずる被災をした場合
- 主たる生計維持者が死亡し又は重篤な傷病を負った場合
- 主たる生計維持者の行方が不明である場合
- 主たる生計維持者が事業を廃止し、又は休止した場合
- 主たる生計維持者が失職し、現在収入がない場合
介護サービスを受けた場合も同じく、窓口でのサービス利用料が不要です。
窓口での負担免除については、2024年4月末までを予定しています。
今後の被害状況によっては免除期間が延長される可能性もあるので、引き続き自治体から提供されるホームページなどを確認してください。
4. 北陸応援割も登場
被災地の免除に続き、政府は「北陸応援割」で観光促進を支援する割引制度を発表しました。
1人1泊あたり2万円を上限に、観光客の宿泊料金の半額が補助されます。
岸田首相は、記者会見で能登地方の観光需要の喚起策は今後も手厚く支援していきたいと表明しているので、割引率が拡充する可能性があります。
復興やボランティア、保険料の減免、観光需要のニーズ喚起と、さまざまな支援が実施されますが、今後も新たな支援策が発表されるのか、注目が集まります。
参考資料
- 金沢市社会福祉協議会「令和6年能登半島地震 生活福祉資金(緊急小口資金)特例貸付」
- 総務省「大規模災害時の災害減免基準について」
- NHK「令和6年能登半島地震における放送受信料の免除について」
- 日本年金機構「令和6年能登半島地震により被害を受けられた皆さまへ」
- 日本年金機構「被災された被保険者の皆さまへ、国民年金保険料の免除についてのお知らせ」
- 厚生労働省「「令和6年能登半島地震」で被災された方々の医療機関等での窓口での支払いは不要です」
- 政府広報オンライン「令和6年2月2日(金)午前-内閣官房長官記者会見」
川辺 拓也