2023年は多くのものが値上げされ、記録的な値上げラッシュの1年でした。
値上げという現象は、どうしても食品などの身近なものばかりに目がいきがちです。
しかし、実は「国民健康保険料」も2024年度の保険料上限が引き上げられると発表されています。
結果的に3年連続で引き上げとなりましたが、国民健康保険料についての詳細を知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は国民健康保険料の詳細について確認していきたいと思います。
1. 【2024年度】国民健康保険料の上限が「さらに」引き上げ
2023年10月27日に開かれた社会保障審議会医療保険部会において、2024年度の国民健康保険料の上限が2万円引き上げとなることがわかりました。
ちなみに「上限」と表記されているように、加入者の保険料が一律で2万円アップするわけではありません。
所得に応じて決定される国民健康保険料ですが、一定の所得に達すると「上限」が設けられているため、その後の保険料は変わらない仕組みです。
そして、限度額(合計額)の超過世帯を対象に保険料の引き上げが行われる予定。ちなみに、世帯割合は1.4%台です。
厚生労働省の資料では「中間所得層の被保険者の負担に配慮」「引上げにより、中間所得層の伸び率を抑えられる」と説明され、加入者に配慮した改定と強調されています。
2. 今、国民健康保険料の上限額はいくら?
2023年度現在、保険料の上限は104万円となっています。これは基礎賦課分の65万円、後期高齢者支援金等賦課分の22万円、介護納付金賦課分の17万円の合計です。
このうち、後期高齢者支援金等賦課分が24万円に引き上げられることにより、合計は106万円となります。
2.1 上限額に達する年収の目安
国民健康保険料の上限額の引き上げに関係があるのは、所得が一定ラインを超えた方達です。
具体的な年収目安として、厚生労働省では以下のとおり試算を示しました。
- 2023年度:給与収入 約1140万円/年金収入 約1140万円(給与所得 約960万円/年金所得 約960万円)
- 2024年度:給与収入 約1160万円/年金収入 約1160万円(給与所得 約980万円/年金所得 約980万円)
ただし、これは扶養家族のいない単身世帯での試算です。年収1000万円前後の方は、影響を受ける可能性があるといえるでしょう。
税金が高くなり、児童手当が対象外となり、さらには国民健康保険料も上がる……となれば、気になる方も多いのではないでしょうか。