2024年1月より、新NISAの制度が新たに始まり注目が集まっています。今まで投資をしたことがない方も、関心が高まっているのではないでしょうか。
それに伴って将来を考えると、お金に対する不安が大きいと感じる方も多いでしょう。
老後、主な収入源となるのは「年金」です。
2023年12月25日、最新の年金データが公表されました。今回は、現在支給されている「厚生年金」と「国民年金(基礎年金)」の平均月額を1歳刻みで見ていきたいと思います。
1. 【年金一覧表】60歳~89歳が受給する厚生年金の平均月額
まずは、にほんの公的年金制度をおさらいしましょう。
厚生年金とは、会社員や公務員だった方が国民年金に上乗せして加入する年金です。納付要件を満たした場合、将来は老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金が受給できます。
以下で紹介する年金額には、国民年金の金額も含まれています。
1.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:厚生年金9万4853円
- 61歳:厚生年金9万1675円
- 62歳:厚生年金6万1942円
- 63歳:厚生年金6万4514円
- 64歳:厚生年金7万9536円
- 65歳:厚生年金14万3504円
- 66歳:厚生年金14万6891円
- 67歳:厚生年金14万5757円
- 68歳:厚生年金14万3898円
- 69歳:厚生年金14万1881円
1.2 厚生年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:厚生年金14万1350円
- 71歳:厚生年金14万212円
- 72歳:厚生年金14万2013円
- 73歳:厚生年金14万5203円
- 74歳:厚生年金14万4865円
- 75歳:厚生年金14万4523円
- 76歳:厚生年金14万4407円
- 77歳:厚生年金14万6518円
- 78歳:厚生年金14万7166円
- 79歳:厚生年金14万8877円
1.3 厚生年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:厚生年金15万1109円
- 81歳:厚生年金15万3337円
- 82歳:厚生年金15万5885円
- 83歳:厚生年金15万7324円
- 84歳:厚生年金15万8939円
- 85歳:厚生年金15万9289円
- 86歳:厚生年金15万9900円
- 87歳:厚生年金16万732円
- 88歳:厚生年金16万535円
- 89歳:厚生年金15万9453円
年齢があがるにつれ、平均月額が上がっている様子がわかります。若いほど年金額が少ないとも言えますね。
老齢厚生年金の金額を決める計算式に用いられる乗率は、改定を繰り返しています。
乗率が低くなると、年金額も必然的に下がってしまうということです。
2. 【年金一覧表】60歳~89歳が受給する国民年金の平均月額
続いて、国民年金についても確認しましょう。こちらも同様の傾向が見られるのでしょうか。
2.1 国民年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:国民年金4万2616円
- 61歳:国民年金4万420円
- 62歳:国民年金4万2513円
- 63歳:国民年金4万3711円
- 64歳:国民年金4万4352円
- 65歳:国民年金5万8070円
- 66歳:国民年金5万8012円
- 67歳:国民年金5万7924円
- 68歳:国民年金5万7722円
- 69歳:国民年金5万7515円
2.2 国民年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:国民年金5万7320円
- 71歳:国民年金5万7294円
- 72歳:国民年金5万7092円
- 73歳:国民年金5万6945円
- 74歳:国民年金5万6852円
- 75歳:国民年金5万6659円
- 76歳:国民年金5万6453円
- 77歳:国民年金5万6017円
- 78歳:国民年金5万5981円
- 79歳:国民年金5万5652円
2.3 国民年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:国民年金5万5413円
- 81歳:国民年金5万5283円
- 82歳:国民年金5万7003円
- 83歳:国民年金5万6779円
- 84歳:国民年金5万6605円
- 85歳:国民年金5万6609円
- 86歳:国民年金5万6179円
- 87歳:国民年金5万6030円
- 88歳:国民年金5万5763円
- 89歳:国民年金5万5312円
こちらは若干ですが、年齢があがるほど金額は下がる傾向が見られました。
国民年金への加入が義務付けられていない時期もあったため、一定以上の年齢の方は、納付期間が短いことも要因のひとつです。
なお、以下の点には留意が必要です。
- 65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者であること
- 65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した者であること
3. 【速報】「2024年度の受給額」が決定!
2024年1月19日、厚生労働省より2024年度(令和6年度)の年金額例が発表されました。
くわしくみると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は6万8000円。夫婦2人分の標準(※1)的な年金は23万483円。前年度より6000円以上の増加となりました。
※1 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準。
注釈のとおり、厚生年金の金額は「40年間会社員として月額43万9000円を稼いだ夫の厚生年金と国民年金」と「40年間専業主婦(もしくは自営業など)だった妻」の夫婦2人分の額です。
2023年度(令和5年度)が22万4482円だったため、6001円増えた形です。ちなみに、2022年度(令和4年度)は21万9593円でした。2年連続のプラス改定となります。
これまではマイナス改定が続いていたので、シニアにとっては嬉しい「プラス改定」に思えます。
しかし、とくに厚生年金は働き方で大きな個人差がうまれます。気になる方は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で自分の年金受給見込額をチェックしてみてください。
4. 安心した豊かな老後を迎えるためには
今回は60歳~89歳が受け取る年金の平均額について、1歳刻みで確認しました。
全年齢での平均月額は厚生年金で14万3973円、国民年金で5万6316円。その差は決して小さくないとわかります。
厚生年金の受給額は、払い込む期間や年収によって幅があります。いずれにしても、年金だけでは充分ではないことから、自助努力が必要となります。
現在は、銀行に置いていてもお金が増えない低金利時代といえるでしょう。資産運用を始めてみるのがよいかもしれません。
投資には元本割れのリスクはありますが、ポイントさえ押さえればリスクをできる限り小さくできます。
国が推奨している税制優遇制度であるNISA制度やiDeCoを活用するなど、自分に合った老後対策を考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
菅原 美優