LIMOが2023年02月にお届けした記事から、人気の記事をピックアップして再掲載します。

(初掲載*2023年02月05日)

2022年は、物価上昇の1年だったといっても過言ではありません。この流れは今年も継続する見込みとのことで、これまで以上に家計への影響が懸念されます。

物価が上がると資産の価値が目減りします。例えば、これまで100円でパンを1つ買えていたとします。パンが200円に値上がりすると、100円はパン半分の価値しかないことになります。

つまり、同じ100円でも「価値」という点で見れば下がっているのです。今後モノの値段が更に上がることになれば、見た目は変わらないものの、その価値が実はどんどん下がっていきます。

最近では、日本マクドナルドが原材料費の高騰、人件費や物流費の上昇などを理由に、この1年で3回目となる値上げを実施したことが話題となりましたね。

そんななか、「老後は年金だけで暮らしていけるのか?」そんな不安の声をよく耳にします。標準的な夫婦世帯の年金月額は「平均約22万円」とも言われますが、実際の受給額事情はどうでしょうか。

そこで今回は、老後生活の一つの軸となる「年金」について、最新の受給額を厚生年金、国民年金に分けてお伝えしていきます。

1. 【厚生年金・国民年金】年金制度のおさらい

まずは簡単に年金制度の確認です。日本の公的年金制度は、「国民皆年金」となっています。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)・厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとにLIMO編集部作成

図のように、20歳以上の全ての人が加入する国民年金と、会社員や公務員が加入する厚生年金から構成される、いわゆる「2階建て」のしくみです。

国民年金のみに加入している人(自営業者などの第1号被保険者)は、年金保険料を自分で納付します。

厚生年金に加入している人(会社員や公務員などの第2号被保険者)は、毎月の年金保険料を勤務先と折半で負担し、保険料は毎月の給与から天引きされます。

専業主婦など、第二号被保険者に扶養されている人(第3号被保険者)は、個人としては保険料を負担する必要はありません。

老後には受給要件を満たす人は全て「老齢基礎年金」を受け取ることができます。厚生年金に加入していた人は、上乗せで老齢厚生年金を受け取ることができます。

このように、日本の公的年金制度は、基本的に国内に住む20歳から60歳の全員が年金保険料を納付し、その保険料を高齢者などへ「年金」として給付するシステムです。