2018年2月8日に行われた、株式会社ディー・エヌ・エー2018年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役社長兼CEO 守安功 氏

業績サマリー

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守安功氏(以下、守安):それでは、株式会社ディー・エヌ・エー2017年度第3四半期の業績のご報告を始めたいと思います。

2ページ目が業績のサマリーです。

第3四半期、売上収益が328億円、営業利益はIFRSベースで126億円、営業利益、Non-GAAPで23億円、スポーツ事業を除くNon-GAAPの営業利益で33億円の結果になっています。

3ヶ月前に公表した数字から大きな変動があります。

1つがIFRSの営業利益のところでして、欧米の子会社を清算したことにより、為替差益を取り込んだことで、IFRSの営業利益に関しては大きく増加しています。

一方で、Non-GAAPの営業利益は、大きく未達になっております。要因等は後ほどご説明したいと思いますが、ゲーム事業のところが影響が大きく出ているところと、あとは、ECのところも若干未達になったところがあります。

セグメント別業績(IFRS)

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続いて、セグメント別の業績です。

第3クォーターの公表に対して未達というお話をしました。ゲーム、それからe-コマースともに第2四半期との比較のQonQの比較のところで、若干ですが、減益になっています。

一方で、スポーツ事業は季節要因、オフシーズンがあります。赤字になったり、QonQに関しての変動は大きくなるのは、この事業特性によるものですが、前年同期と比較した場合の赤字幅が改善しており、日本シリーズの直接的・間接的遡及効果で、スポーツ事業に関しては順調に推移しています。

費用構成(IFRS)

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続いて、費用構成になります。

大きな変動はないのですが、マーケティング、販促費・広告宣伝費に関しては、年末商戦、主にゲームで通常よりも多めにかかり、だいたい30億円の水準からはみ出て、35億円になっております。

ゲーム事業

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続いて、5ページ目がゲーム事業です。

年末商戦に向けて1年で1番ゲーム業界が盛り上がるシーズンですので、マーケティング費や運営を強化し伸ばそうとコストを使いましたが、期待に届かなかったということです。

タイトルの単位で申しますと、『逆転オセロニア』は何回かお話ししたように、これまで広告宣伝費を使って新しいユーザーを獲得して売上を伸ばすというタイトルに入っていました。

しかし、第3四半期の年末商戦に向けて広告宣伝費を拡大したところ、なかなか思ったような効果がなく、年末商戦のイベント等も思ったように売上に寄与しなかったことで、『オセロニア』の要因が大きくなっています。

一方で、四半期の推移を見ていただければおわかりのように、商品のグロスとしては、堅調に推移をしています。横ばい、それから若干の微増になっています。

セグメントの利益でみると減少して、いわゆるグロスのコイン消費額から利益に対する返還率が悪化しておりますので、今後に向け、コスト面で、とくにマーケティング面、運用費について包括的に再度点検し、来期に向けて、このコスト構造の変換・改革をしていきたいと思います。

ゲーム事業(任天堂との協業)①

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続いてゲーム事業の個別のトピックです。

まず、任天堂さんとの協業である『Super Mario Run』についてです。前回の発表時に軽く触れましたが、昨年の9月にVer3.0となるメジャーアップデートを実施いたしました。

ダウンロード数も、2億ダウンロードを超えて以降も引き続き順調に推移し、月間アクティブユーザー数も2,000万人前後を維持しています。世界中の多くの方に楽しんでいただけるタイトルになっていると思っております。

そして「Fire Emblem Heroes」も昨年の11月にVer2.0となるメジャーアップデートを実施いたしました。この要因により、アクティブユーザ数の維持・拡大をしており、収益面も順調に推移しております。

先日2月2日にリリース1周年を迎えたことにちなみ、新しいキャンペーンやイベント等を実施し、それにあわせてテレビCMなども行っておりますので、さらに盛り上げていきたいと思っております。

ゲーム事業(任天堂との協業)②

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続いて7ページ目です。

この第3四半期に新しいタイトルとして『どうぶつの森 ポケットキャンプ』の配信を開始しました。配信開始以降、非常に多くのお客さまに楽しんでいただいており、とくにアクティブユーザとしては女性の比率が高く、新しいユーザに楽しんでいただいているのではないかと思っております。

今後はゲーム内容の追加等の継続的なアップデートやイベント等の企画を通じて、日常的に楽しんでいただけるサービスを目指すとともに、収益面についても貢献していけるようにしていきたいと思っております。

ゲーム事業(その他の内製・協業タイトル)

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最後、来年度以降に、簡単に触れたいと思います。

配信中のアプリのタイトル群がそろってきております。まず配信しているタイトルの運営を強化することによって、継続的に末永く、より多くのお客さまに遊んでいただきたいと考えております。

そして、新規のタイトルとして、「マリオカート」のスマートデバイス版のアプリとなる『Mario Kart Tour』の配信を来年度予定しております。リリース日やゲームの内容は、適宜適切なタイミングでアップデートしたいと思います。

続いてゲーム事業(その他の内製・協業タイトル)ですが、この第3四半期に『メギド72』というオリジナルのRPGの配信を開始いたしました。バトルのシステムが非常にユニークで、戦略性の高いタイトルになっています。それ以外でもストーリー性が豊かなものであったり、育成的な面もきっちり入れ込んでおります。そういう意味で質の高い、完成度の高いRPGになっていると思います。

オリジナルタイトルということもあって、まだまだユーザベースとしてはそれほど多くありませんが、遊んでいただいている方の評価は非常に高いと思っております。今後どのようにしてユーザベースを拡大していくのかが重要になってくると思っております。

EC事業

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続いて9ページ、EC事業です。

決済代行、オークションについては安定的に推移しており、それぞれ堅調に推移していると思っております。

一方で旅行に関しては、取扱高が年率でかなり高い成長を続けていましたが、こちらが鈍化してきているということと、より大きな要因として取扱高から売上に転換する転換率、航空券等の商材ミックスやマーケティングチャネルのミックスが変わって、いわゆる粗利率が低下し、売上自体が前年同期と比べて減っているということで、利益面でも減益となっております。

すぐに回復できるかはわかりませんが、要因等は理解しておりますので、打つ手は打って、日々立て直しをしていきたいと思っております。

スポーツ事業

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続いて10ページ目がスポーツ事業です。

ようやく事業に参入してから初めて日本シリーズに進出し、チーム自体が実際に強くなっています。それに伴ってファンの方が増えて、球場・球団一体経営の経営努力によって収益を拡大して、収益をまたさらにチームの強化につなげていくという、良い循環が回り始めたのではないかと思っております。

実際、日本シリーズに進出以降、オフシーズンに入ってもグッズの売上等は非常に高い水準で推移しております。DVD『FOR REAL』は販売数を前年と比較すると、かなり高い販売数になっております。いわゆるファン層がそのまま拡大してきていると実感しております。

今後に関して、収益ドライバーとして多く期待しているのが(球場の)キャパシティの問題です。ほぼ稼働率98パーセントくらいになっておりますので、稼働率を改善するために増築と改修を進めております。改修が完成するのは2020年度になりますが、現状の2万9,000席から6,000席増えます。

それが一番大きな要素ですが、それ以外についても、例えばチケットに関してフレックスプライス制を導入しようということで、人気のあるイベントを実施している日や、対戦カードに応じてチケットのプライスを変更していくことによって収益力を上げていこうと思っております。

グッズ・スポンサーについても、まだまだ伸ばしていけるのではないかと思っております。

2017年度第4四半期 連結業績予想

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最後、業績の予想です。

第4四半期の売上収益としては325億円、営業利益IFRSベースで7億円、Non-GAAPの営業利益で12億円、スポーツ事業を除くNon-GAAP営業利益で29億円と予想しております。

この業績予想の前提ですが、ゲーム事業、EC事業についてはQonQで第3四半期と比較すると若干の増益という見込みを立てております。

一方で新規事業関連は、とくにオートモーティブ等、積極投資しているものもありますので、通常の四半期より多い15億円程度の赤字を見込んでおります。

また、その他の費用として第4四半期は資産の除却、減損等で10億円ぐらいを見込んでおります。

2017年度通期 連結業績予想及び配当金

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通期の連結業績予想及び配当金についてです。

基本的な配当方針自体には変更はありません。1株当たりの配当額が2016年度と同額の32円を予定しており、連結の配当性向としては19.7パーセントを予定しております。

わたくしからの説明は以上になります。

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