3. 【比較】20歳代~70歳代の貯蓄ゼロ世帯は?

【比較表】20歳代~70歳代「貯蓄ゼロ」世帯割合(二人以上世帯)

出所:金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査」をもとにLIMO編集部作成

【平均値・中央値・金融資産非保有の割合】

  • 20歳代:214万円・44万円・35.7%
  • 30歳代:526万円・200万円・23.9%
  • 40歳代:825万円・250万円・26.1%
  • 50歳代:1253万円・350万円・24.4%
  • 60歳代:1819万円・700万円・20.8%
  • 70歳代:1905万円・800万円・18.7%

実は、貯蓄ゼロの二人以上世帯は、30歳代よりも40歳代・50歳代の方が多いのが特徴です。

50歳代は「平均値」「中央値」では30歳代を上回っていますが、一方で金融資産非保有世帯の割合は若い30歳代よりも多くなっているようです。

子育てや教育費などが家計を圧迫し、貯蓄を減らす世帯が40歳代~50歳代で多くなる傾向があると推察されます。

4. 【新NISA】老後対策として「積立投資」も選択肢のひとつ

2024年は新NISAスタートの年。貯蓄に回せる状態になったら、2024年からスタートした新NISAを活用して投資にチャレンジするのもひとつの手です。

過去の統計に基づくと、投資は長く続けるほど損益が安定し、プラスの収益を確保できる可能性が高くなります。

元本割れのリスク等への考慮も必要ですが、適度なリスクの投資信託に投資するのもよいかもしれません。

資産運用には様々な制度があり、それぞれ制度が変更されることもしばしば。スタートを切る前の、十分な情報収集や勉強が重要となります。

5. 「先取り」タイプの貯蓄などで、計画的な資産形成を

実は「年収が多い」といえども、貯金や金融資産までもが多いとは限りません。

高年収・高所得の人々、たとえば年収1000万円以上であれば「老後資金」の計画を不安に思ったり、取り崩したりする心配がないとは言い切れないのが現状。

「高所得貧乏」という言葉があるように、年収が高いにもかかわらず貯金の少ない人がいることも事実です。

家庭環境や社会情勢の変化により貯蓄できない場合もありますが、継続的に貯蓄を続けるためには、毎月の給料や収入から一定額を先に貯蓄し、残りのお金で生活していく「先取り貯金」が効果的です。

先取り貯金であれば、基本的に一度申し込みをすれば毎月一定額を貯蓄できるので、きちんとお金を貯めることができるでしょう。

これを機に自身に合った貯蓄方法について考えてみてはいかがでしょうか。

5.1  【ご参考】50歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:24.4%
  • 100万円未満:9.3%
  • 100~200万円未満:5.8%
  • 200~300万円未満:4.2%
  • 300~400万円未満:5.1%
  • 400~500万円未満:3.2%
  • 500~700万円未満:5.0%
  • 700~1000万円未満:5.7%
  • 1000~1500万円未満:8.8%
  • 1500~2000万円未満:6.0%
  • 2000~3000万円未満:7.2%
  • 3000万円以上:10.8%

参考資料

荒井 麻友子