一般的に、1993年から2005年あたりに社会に出た世代が「就職氷河期世代」と呼ばれています。
現在の40歳前後~50歳代半ばあたりの方々が該当するとされ、実際にバブル崩壊後の就職難に悩まされた世代です。彼らの中には「就職氷河期世代だから」と自分を卑下したり、半ばあきらめている方がいるのかもしれません。
今回は、就職氷河期世代とされる40~50歳代の平均的な年収や貯蓄状況などを見ていきましょう。
年度末を見据え、キャリアを考える方も多いと思います。参考にしてみてください。
1. 40~50歳代の平均年収を他の世代と比較
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」をもとに、40~50歳代の平均年収を見てみましょう。
【40~44歳の平均年収】
- 男性:602万円
- 女性:335万円
- 平均:491万円
【45~50歳の平均年収】
- 男性:643万円
- 女性:346万円
- 平均:521万円
【50~54歳の平均年収】
- 男性:684万円
- 女性:340万円
- 平均:537万円
グラフを見ると、年代が増すごとに平均年収は増えていき、55~59歳でピークを迎えていることがわかります。
年収には個人差がありますが、平均値だけ見れば40~50歳代が特別厳しい状況であるとはいえません。
2. 正規雇用者と非正規雇用者の人数から見た現状
総務省統計局の「労働力調査」をもとに、雇用形態別の状況を見てみます。同調査によると、2022年における15歳以上の労働力人口(就業者数+失業者数)は6911万人であり、その内「役員を除く雇用者」は5689万人です。
さらに、5689万人の内、「正規の職員・従業員」は3588万人、「非正規の職員・従業員」は2101万人となっています。単純に計算すれば、正規雇用者の比率は約63.1%、非正規雇用者の比率は約36.9%です。
このデータを年代別に見てみましょう。
※「非正規の職員・従業員」には、パート・アルバイト、労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員、嘱託、その他が含まれています
15~24歳はアルバイトなどの非正規として働く人が多いこともあり、割合は50%を超えています。また、50歳代以降は役員への昇格や働き方の変化などにより、非正規の割合は高まる傾向にあります。
では、「25~34歳、35~44歳、45~54歳」に注目してみましょう。年代が増すにつれて非正規の割合が増加しており、単純に「非正規の職員・従業員」の数だけを見ても、他の世代と比べて多いことがわかります。
40~50歳代は、住宅ローンの返済や子どもの教育費などの支出が増えやすいとされる年代です。社内においても会社を引っ張る存在として活躍する世代であるにもかかわらず、非正規の割合が高いのです。
就職氷河期世代は、正社員になるのに苦労した世代であるとともに、現在も非正規として働く方々が多い世代であることがうかがえます。