LIMOが2023年02月にお届けした記事から、人気の記事をピックアップして再掲載します。

(初掲載*2023年02月01日)

「人生100年時代」と長生きの時代を迎える日本では、セカンドライフ前後の生活にも変化が見受けられます。2022年9月19日公表の総務省「労働力調査」で公表されたシニアの就業率は、60歳代前半で71.5%、60歳代後半で50.3%でした。

働き続けるシニアを後押しする制度は整いつつあります。とはいえ、65歳で年金受給をスタートさせ、仕事からは完全リタイヤする世帯も多いでしょう。止まらぬ物価高が、全世代の家計を直撃するいま。この先の収入アップが見込めない年金エイジたちのお金事情も気になるところです。

今回は、65歳以降、いわゆる「年金エイジ」の無職世帯について、貯蓄や生活費、年金などのお金事情を紐解いていきます。

1. 【年金エイジ】65歳以降世帯の貯蓄平均はいくらか?

まずはいわゆる「年金エイジ」にあたる、65歳以降世帯の貯蓄事情を見ていきましょう。

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」より、貯蓄額分布と平均額を確認していきます。

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」

65歳以降・二人以上世帯全体の貯蓄額の平均値は2376万円です。2019年に「老後2000万円問題」が注目を浴びて以来、老後資金の目安の一つとなった「2000万円」のラインは超えていますね。

しかし、平均値は一部のお金持ちによって引き上げられる傾向があります。そこで、より実態に近い中央値を見ると1588万円です。「100万円未満」から「4000万円未満」まで、貯蓄額には大きなばらつきがあることもグラフからわかりますね。