老後生活の大きな収入源となる「老齢年金」ですが、私たちが受け取れる年金額をご存知でしょうか。

老後の年金は、現役時代とは異なり大きな収入アップの見込みが少ないことから「できるだけ多くもらいたい」と思う人も多いでしょう。

大卒の初任給がおおよそ20万円ですが、それ以上を年金収入として得ているシニアは何%くらいいるのか気になります。

2023年12月に公表された最新統計から、その割合を見ていきましょう。

また後半では、夫婦で受け取れる老齢年金のシミュレーションもパターン別に紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 日本の老齢年金制度「厚生年金」と「国民年金」の仕組み

まずは、日本の老齢年金制度の仕組みについておさらいしておきましょう。

日本の老齢年金は、「厚生年金」と「国民年金」の2階建て構造となっています。

1階部分にあたる「国民年金」は、原則日本に住む20歳〜60歳未満のすべての人が加入の対象で、保険料は一律で年度ごとに見直しされています。

40年間保険料を支払えば、老後に老齢基礎年金を満額受給することが可能です。

2階部分にあたる「厚生年金」は、主に会社員や公務員などが加入の対象で、国民年金に上乗せする形で加入します。

国民年金の保険料が一律なのに対して、厚生年金は毎月の給与や賞与などの報酬によって変わる「報酬比例制」となっています。

そのため、老後に受け取れる厚生年金の月額は個人差が大きく、加入時期や年収によって変動します。

このあと紹介する厚生年金には、1階部分である国民年金(老齢基礎年金)の金額も含まれます。