70歳で貯蓄ゼロの5つの対策
70歳代で貯蓄額ゼロの世帯は、2人世帯で約2割、単身世帯で約3割と少なくない割合で存在することが分かりました。
70歳代で貯蓄が全くないと、生活ができない、生きていくことができないということなのでしょうか。貯蓄がなくとも生きていくための方法はいくつかあります。
親戚など頼れる人に相談するということも必要になってくるかもしれませんが、身寄りのない場合でも下記のような方法で生活していく道を見つけることができるはずです。
健康を心掛ける
健康でいることはお金をかけないことにつながります。
散歩など日々の適度な運動や栄養バランスのよい食事、睡眠をしっかりとることを心がけましょう。厚生労働省のデータによると、生涯でかかる医療費は70歳までと、70歳代以降とで比較するとほぼ同額だといいます。
医療費の自己負担額は70歳になるとこれまでの3割負担が原則2割負担へと軽減されますが、なるべくケガや大病にはかからないようにしましょう。
定年後も働く
定年退職後の70歳代でも、健康で働く気があれば労働をして収入を得ることができます。
経験を活かした得意分野での仕事を持つ、ということから探していくとみつけやすいのではないでしょうか。シルバー人材センターなどで仕事を紹介してもらうことができます。
働く日数や時間数は体力に合わせて無理のないように設定しましょう。
年金と給与の範囲内で生活をまかなう
公的年金支給額と働いて得られる収入額の範囲で生活をまかなえるように、節約を心掛けましょう。
無駄な支出は控えて、赤字になるようであれば優先順位をつけて順位の低いものから支出項目を削減していくことも考えてみましょう。
近所の散策や家庭菜園など、趣味はお金をかけなくとも楽しめることに注目してみるのも良いでしょう。
社会福祉協議会や自治体の窓口で相談する
生活困窮に対する相談窓口は、都道府県および市の福祉担当部署や社会福祉協議会、社会福祉法人などに設けられています。
どのような支援が得られるかは自治体によって異なるようですが、おおくは相談者の話を聞きとり、意思を尊重しながら、個々の状況に応じて適切な支援プランを作っていきます。
プランを実行するにあたっては寄り添いながら支援を行います。相談は無料、相談に関する個人の秘密は守られます。
生活保護を受ける
生活保護を受けることは国民の権利です。生きていくために必要なときには住んでいる自治体の福祉事務所の生活保護担当に相談し、申請をします。
生活保護の申請をした人に対しては、保有する資産や貯金などについて調査を実施します。
調査の結果、保護が決定した場合、厚生労働大臣が定める基準に基づいた最低生活費から収入(年金や就労収入等)を引いた額を保護費として毎月支給されます。
70歳代の貯蓄まとめ
今回は、70歳代の世帯の貯蓄額についてみてきました。
データからみると、70歳代で貯蓄ゼロの世帯は一定数の世帯があることが分かりました。
また、貯蓄を保有している世帯といっても、保有する貯蓄額にはばらつきがあり、生活費を十分に賄うことができる世帯とゆとりのない世帯があります。
このデータは将来の自分の老後生活をどのように暮していくのかを想定するのに参考になると思います。できるかぎり現役世代のうちに老後を見据えた貯蓄や資産運用を心掛けておくことが大切です。
しかし、たとえ70歳代になって貯蓄がゼロになったとしても、生活をしていく方法はあります。一人で悩み悲観してしまうまえに頼れる人、また自治体の窓口に相談するようにしましょう。
参考資料
- しるぽると「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
- しるぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」
- 厚生労働省「年齢階級別1人当たり医療費(平成22年度)(医療保険制度分)」
- 政府広報オンライン「様々な事情で暮らしにお困りの方のための相談窓口ができます!」
- 厚生労働省「生活保護制度」
- 厚生労働省「参考2 生涯医療費(令和元年度)」
高橋 禎美