3. 住民税非課税世帯が高齢者に多いのは年金額が原因?

住民税非課税世帯の7割以上が高齢者であることがわかりましたが、高齢者に集中している要因として「年金額の低さ」が挙げられます。

厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金・国民年金の平均月額は下記の通りです。

  • 厚生年金:14万3973円
  • 国民年金:5万6316円

上記を年額にすると、厚生年金が「約172万円」、国民年金が「約67万円」となります。

厚生年金は、会社員や公務員だった場合に受給できる年金で、現役時代の加入期間や年収によって年金額が変わります。

国民年金は、自営業や専業主婦だった場合に受給できる年金で、長期間の未納などがなければ年金額に大きな個人差はありません。

65歳の場合、配偶者なしの場合は155万円以下、65歳以上で配偶者ありの場合は211万円以下で住民税非課税世帯となります。

厚生年金・国民年金の平均受給額と住民税非課税世帯の要件を比較した際に、多くの年金受給者が該当しているのがわかります。

4. 年金だけに頼らない老後生活の準備を

本記事では、住民税非課税世帯の年齢別の割合について紹介していきました。

住民税非課税世帯のうち、高齢者世帯が占める割合は全体の7割以上であり、高齢者が中心となっていることがわかります。

その背景として考えられるのは、年金受給額の少なさであり、厚生年金・国民年金どちらの受給者においても住民税非課税世帯に該当する可能性があります。

「老後は年金がもらえるからなんとかなる」と思っている方は、今一度年金だけに頼らない老後資金の準備をしておけると安心でしょう。

参考資料

和田 直子