2018年2月2日に行われた三井化学株式会社2017年度第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料
スピーカー:三井化学株式会社 コーポレートコミュニケーション部 副部長 IRグループリーダー 吉田修 氏
2017年度第3四半期決算説明会
吉田修氏:みなさまこんにちは。三井化学IRグループの吉田です。弊社ネットカンファレンスにご参加いただき誠にありがとうございます。
本日弊社は2017年度第3四半期決算を発表いたしました。また第3四半期決算の状況を踏まえ、11月1日に公表しております通期の業績予想の修正を発表いたしました。
業績の概要、状況の概況、財務諸表等につきまして、ご提供している資料をもとにご説明させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
目次をご覧ください。まず2017年度第3四半期決算の概要をご説明し、続きまして2017年度業績予想見直しの概要についてご説明いたします。
2017年度第3四半期 事業概況およびトピックス
1ページをご覧ください。2017年度第3四半期事業の概況およびトピックスを記載しております。
詳細説明は割愛させていただきますが、第3四半期も成長3分野を中心とする主要製品の堅調な販売推移。国内需要の底堅さを背景に石化関連事業も販売が堅調に推移し、順調な進捗となっております。
トピックスにつきましても、いずれも成長3領域での事業戦略に沿った動きとなってございます。
決算の概要①
2ページをご覧ください。第3四半期決算の概要でございます。売上高は9,598億円。前年同期比897億円の増収となりました。営業利益は757億円。前年同期比41億円の増益。経常利益は789億円。前年同期比94億円の増益。
親会社株主に帰属する四半期純利益は609億円。前年同期比109億円の増益。各段階損益で前年同期を上回る決算となっております。
為替レートにつきましては、112円で前年同期比5円の円安。内訳としまして1Q111円。2Q111円。3Qは113円となっております。
国産ナフサ価格はキロリッター当たり3万9,900円。前年同期比7,600円の上昇となっております。こちらも内訳を申し上げますと1Qが3万9,100円。2Qが3万6,100円。3Qが4万4,600円という状況になっております。
決算の概要②
続きまして3ページをご覧ください。有利子負債につきましては4,237億円で前年度末に比べ162億円減少となっております。現預金を有利子負債から控除したNet有利子負債は3,583億円で前年度並みの水準となっております。
自己資金につきましては5,096億円で前年度末に比べ599億円増加しております。
この結果NetのD/E倍レシオは0.09ポイント改善し、0.70ポイントとなっております。
自己資金比率についても3.0ポイント改善し、36.9パーセントとなっております。
連結対象会社数につきましては、連結子会社93社。持分法適用会社38社。合計131社が連結対象会社となっております。
セグメント別 売上高・営業利益の内訳(増減分析 対前年決算)
続きまして4ページをご覧ください。セグメント別の売上高・営業利益の内訳および対前年同期の営業利益増減分析でございます。
売上高合計は前年同期比で897億円の増収となりましたが、これは成長3領域。基盤素材の主要製品の販売数量の増加。円安による為替換算差および基盤素材を中心に原料価格上昇による販売価格改定を実施した影響でございます。
営業利益の合計は前年同期比で41億円の増益となっております。このうち数量差は85億円のプラス。交易条件が48億円のプラス。固定費他につきましては92億円のマイナスとなっております。
成長3領域および基盤素材の各セグメントで数量は増加しております。
また基盤素材を中心に交易条件も改善となっております。一方で固定費他につきましては、1つは4年に1度の大規模定修を実施した影響。
これに加えまして、戦略的に進めています研究費の増加。こういったものにより減益要因となっております。
それではセグメントごとにご説明いたします。モビリティは売上高が2,348億円。営業利益が329億円となりました。
営業利益の増減要因は数量差は自動車部品用途。ICT情報通信技術関連用途を中心に、販売は引き続き堅調に推移しております。結果29億円のプラスとなりました。
交易条件は円安による為替影響を主因に17億円のプラス。固定費他は研究費の増加等により28億円のマイナスとなりました。
ヘルスケアにつきましては売上高が1,034億円。営業利益が79億円となりました。
営業利益の増減要因は眼鏡レンズ用材料および不織布の販売が堅調に推移したことにより数量差は18億円のプラスとなりました。
交易条件は不織布における原料価格上昇等により、わずかではございましたが1億円のマイナスとなっております。
固定費他は研究費の増加および在庫固定費の増加等により、17億円のマイナスとなりました。
フード&パッケージングにつきましては、売上高が1,446億円。営業利益が145億円となりました。営業利益の増減要因としましてはコーティング機能剤、機能性フィルムシート、農薬の販売が堅調に推移しております。この結果、数量差で32億円のプラスとなってます。
交易条件につきましては、原料価格上昇の影響等により、13億円のマイナス。固定費他は農薬の研究開発費の増加等により、23億円のマイナスとなっております。
基盤素材につきましては売上高が4,590億円。営業利益が265億円となりました。営業利益の増減要因としましては、数量面では国内ポリウレ品事業を中心に販売が堅調に推移しております。
交易条件は内需堅調な状況下で、ナフサクラッカーおよび各誘導品プラントが引き続き高稼働を継続し、またアジアのオレフィン市況につきましても高水準で推移しております。この結果、45億円のプラスとなっております。
固定費ほかにつきましては、2Qに実施いたしました4年に一度の市原工場での大規模定修の影響を主因に25億円のマイナスとなっております。
その他セグメントにつきましては、1億円のプラスとなっております。
営業外損益及び特別損益の内訳
続きまして5ページをご覧ください。営業外損益および特別損益の内訳を記載しております。
上段の営業外損益の合計は32億円のプラスとなりました。前年同期比で53億円の増益となっておりますが、これは持分法投資損益の改善および為替差損益の改善によるものでございます。
下段の特別損益の合計は50億円のプラスとなっております。特別利益には資産売却益および国内子会社の解散にともなうJVパートナーの債務免除益等を計上しております。
なお、この債務免除益につきましては2Qで発生しておりますが、その際にもご説明しております。
最終的には少数株主持分のところで消去されて、実質的に親会社株主に帰属する四半期純利益の影響はございません。
貸借対照表
続きまして6ページをご覧ください。貸借対照表でございます。総資産1兆3,817億円。前年度末に比べまして、562億円の増加となりました。
このうちたな卸資産の増加につきましては、主に原料価格上昇による影響でございます。
固定資産の増加については主に株価上昇による株式時価評価の影響。それから新規設備取得等によるものでございます。純資産残高は前年度末に比べ641億円増加しております。四半期純利益の計上を主因に、412億円増加しております。
キャッシュ・フロー計算書
続きまして、7ページをご覧ください。キャッシュ・フロー計算書でございます。
営業活動によるキャッシュ・フローは、584億円。投資活動によるキャッシュ・フローは、マイナス364億円。この結果、フリーキャッシュ・フローは、220億円のプラスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済を主因に418億円のマイナスとなっております。
続きまして、2017年度業績予想の概要についてご説明いたします。第3四半期の実績をふまえまして、通期の業績予想の修正を行っております。
2017年度第4四半期のトピックス
8ページをご覧ください。2017年度第4四半期のトピックスを記載しております。株式会社アークの株式取得に関しましては、この1月に公開TOB(株式公開買い付け)はすべて完了しております。
それから三井化学SKCポリウレタン株式会社の、システムハウスのインド拠点の稼働開始が、第4四半期に予定しております。
それから不織布関連の設備、あるいは増強といったものですが、これにつきましては営業運転に向けた、最終的な試運転を実施している状況でございます。
業績予想の概要
続きまして、9ページをご覧ください。業績予想の概要でございます。通期予想として、売上高は1兆3,650億円。営業利益は1,050億円。経常利益は1,080億円。親会社株主に帰属する当期純利益は、780億円を見込んでおります。
なお、業績予想の前提としまして、為替レートは通期で111円。第4四半期の前提は、110円としております。国産ナフサ価格は、キロリットル当たり4万2,200円。第4四半期の前提は、4万9,000円程度としております。
期末配当予想につきましては、10月1日の株式併合後のベースで、1株当たり40円を予定しております。
なお、昨年12月から開始しました自己株取得は、予定どおり完了しておりますので、これを加えました総還元性向は、今回の業績見通しの当期純利益ベースでは、28パーセントになる見込みでございます。
セグメント別 売上高・営業利益の予想(対前年決算)
10ページをご覧ください。売上高・営業利益のセグメント別の内訳につきまして、第3四半期までの累計の実績、それから通期の予想値及び前年比較を記載しております。
売上高につきましては、主要製品の拡販、原料価格の上昇等を主因に2016年度を上回る見込みでございます。
通期の営業利益につきましては、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングの3領域が、前年比増益。基盤素材につきましても、安定的な利益が見込める状況でございます。この結果、前回予想を上回り今年度も過去最高益を更新できる見通しでございます。
セグメント別 営業利益の予想(対前回予想・年度)
前回予想値からのセグメントごとの変化点は、次のスライドで説明させていただきます。
11ページをご覧ください。前回予想との比較でございます。まずモビリティにつきましては、引き続き自動車部品関連材料を中心に、販売が堅調に推移する見通しでございます。
交易条件につきましては、為替については第3四半期まで、円安方向で推移しておりますので、プラス要因となっておりますが、第4四半期は概ね想定線の動きという状況でございます。
一方、原料価格につきましては、現在上昇基調にありますが、これについて第4四半期ではマイナス影響を織り込んでおります。この結果、前回の見込み並みという状況でございます。
ヘルスケアは、第4四半期にかけて歯科材料の改善が見込まれますが、一方で、不織布等で原料価格上昇の状況を織り込んでおりますので、結果的には前回比較で10億円の減益を見込んでおります。
フード&パッケージングは、機能性フィルム・シートを中心に販売が堅調に推移しております。また、農薬も第4四半期にかけまして、販売数量の増加が見込まれます。
一方で、原料価格の上昇を織り込んでおりますので、こちらも前回並みに推移する見込みでございます。
基盤素材、こちらは引き続き流動品の需要が堅調に推移し、設備の高稼働が継続する見通しでございます。海外【主観?15:28】につきましても、堅調に推移していることから、前回比較で30億円の増益を今回見込んでおります。
結果としまして、全体で20億円の上方修正ということにしております。
営業外損益及び特別損益の内訳①
続きまして、12ページをご覧ください。営業外損益の内訳を記載しております。
営業外損益の年同合計は、30億円のプラスを見込んでいます。持分法投資損益の改善を主因に、前年比で改善する見込みでございます。
営業外損益及び特別損益の内訳②
続きまして、13ページをご覧ください。特別損益予想の内訳を記載しております。
特別損益予想の年度合計は、10億円のプラスを見込んでおります。特別損益の減少により、特別損益は前年比で大幅に改善する見込みでございます。
キャッシュ・フロー計算書
最後に14ページをご覧ください。キャッシュ・フロー計算書の予想でございます。
通期の営業キャッシュ・フローは、前回予想から変更はございません。
一方、投資活動によるキャッシュ・フローにおきましては、先ほどトピックスで申し上げました、アーク社の株式買い付け、これを実施いたしましたので、前回から資質が増加する見通しでございます。
この結果、フリーキャッシュ・フローも、前回から減少する見通しでございます。
15ページ以降に、補助資料をつけておりますので、ご参考にしていただければと思います。
以上、第3四半期も順調な進捗となっておりますが、引き続き収益力強化、財務体質の改善に取り組んでまいります。2017年度第3四半期決算の概要、及び2017年度業績予想の概要につきまして、ご説明を終わります。