昔から財布のヒモが固い友人に、「年収1000万円くらいもらってる」と言われたらどのように感じるでしょうか?「うらやましい」、「生活に余裕がありそう」などと羨望のまなざしを向けるかもしれませんね。
しかし、年収1000万円といっても、それはいわゆる額面金額であり、そこから社会保険料や税金などが差し引かれます。つまり、手取り額はもっと少なくなってしまうのです。
また、ひとり暮らしなのか家族がいるのかなどによっても手取り額は異なります。
この記事では、年収から差し引かれるものの種類を解説するとともに、世帯ケース別に手取り額がどのくらいになるのかをシミュレーションをしていきます。
1. 年収から差し引かれる保険料や税金
年収1000万円を得ていても、そのままの金額が手元に入るわけではありません。給与明細を見ると、社会保険料や税金などが差し引かれ、実際に口座に振り込まれる金額は減っていることがわかりますね。
年収(「額面金額」ともいわれる)は1年間の収入総額のことをさすのに対し、手取り額は年収から社会保険料や税金を差し引いたものをさします。社会保険料や税金が少ないほど、手取り額が増えることになります。
給与から差し引かれるものとして、主に以下のものが挙げられます。
- 厚生年金保険料
- 健康保険料
- 介護保険料(40歳以上)
- 雇用保険料
- 所得税、住民税
厚生年金保険料・健康保険料・介護保険料は、個人ごとの標準報酬月額に応じて差し引かれる金額が異なります。
標準報酬月額とは、毎月の給与を1〜50の等級(厚生年金保険料は1〜32の等級)に分けたもので、社会保険料を計算する際に利用されるものです。
所得税や住民税は、「配偶者控除」や「扶養控除」、「生命保険料控除」など控除項目と金額が各自異なるため、たとえ給与が同額でも税額が異なります。
つまり、年収が同じ1000万円でも、手取り額が違うことになります。