2023年12月25日に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均受給額は月額5万6316円、厚生年金は月額14万3973円でした。これは税金や社会保険料が引かれる前の額面です。
公務員や会社員などに支給される厚生年金は、国民年金(基礎年金)に上乗せされるため、国民年金のみの方より年金額が大きい傾向にあります。
しかしながら、人生100年時代ともいわれる長い老後生活を月額14万円台で過ごすのは不安かもしれません。国民年金のみの場合は、私的年金や貯蓄など手厚い備えが必要でしょう。
では、これから年金生活が始まる、あるいは年金暮らしが始まったばかりの60歳代シニアは、どれくらい貯蓄をしているのでしょうか。
今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、60歳代・二人以上世帯の貯蓄額をみていきます。
1. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄2000万円以上~3000万円未満は何パーセントか
60歳代・二人以上世帯で「貯蓄2000万円以上~3000万円未満」を達成している人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄2000万円~3000万円未満の割合
- 8.8%
1.2 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄2000万円以上の割合
- 29.1%
1.3 【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1819万円
- 中央値:700万円
貯蓄2000万円~3000万円未満は1割未満という結果に。
また、貯蓄ゼロの世帯を含めた場合の貯蓄額の平均は1819万円、中央値は700万円です。
平均は一部の大きな数値に引っ張られてしまうため、より実態を反映していると考えられる中央値を目安にすると、60歳代で貯蓄2000万円超は平均より多い方となります。