3. 「年金を増やす方法」はあるのか
厚生年金の受給額を増やす方法として、まず「現役時代の年収を上げる」ことが挙げられるでしょう。
また、「繰下げ受給」で、年金受取を後ろ倒しすることで年金額を増やすことも可能です。繰下げ受給の上限年齢は75歳。1カ月繰下げるごとに0.7%の増額率が適用され、最大10年(120カ月)繰下げた場合、年金額は84%アップします。
現役時代の年収を上げる、とはいえ限界があるでしょう。また、繰下げ受給を検討する場合、受給開始までの資金繰りがネックとなるケースも多いはずです。
まずは、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でご自身の受給見込み額を把握してみましょう。どの程度の老後資金が必要となりそうか判断する材料の一つとなるでしょう。
年金だけに頼らない自助努力を
超低金利が続くいま、銀行などの預貯金だけで資産を殖やすには限りがあります。
資産を効率よく殖やすには「お金に働いてもらう」すなわち資産運用を検討することがポイントとなるでしょう。
最近ではiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やつみたてNISAなど初心者でも始めやすい非課税制度が注目を集めていますね。
投資は元本保証ではないためリスクを伴いますが、長期で積立投資することでリスクと上手に付き合うことも可能になります。
まずは情報収集からはじめてどういった投資方法が自分に合っているのか探してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年度(2021年)厚生年金・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「老齢年金ガイド」
- 国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」
田中 友梨