老後もひとりで生活していくおひとりさまにとって、リタイア後の生活は不安の種の一つともいえるでしょう。
特に老後資金はいくら必要なのかわかりにくいですし、昨今の物価高のように社会情勢による家計への影響をみると、よりその不安を感じるものです。
2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、厚生年金の平均額は月約14万円台でした。
「ひとり暮らしだから年金だけで生活できるだろうか?」と思う方もいると思いますが、そこから税金や社会保険料がひかれた中で生活することになるため、実際には個人差があります。
今回は現代シニアの年金額と60歳代の貯蓄額の平均を見ていきます。
1. 65歳から受給する「厚生年金・国民年金」平均年金月額はいくら?
一般的な年金の受給開始年齢は65歳からです。
では、現代シニアはどれくらい年金を受給しているのでしょうか。厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、まずは年金の平均月額をみていきましょう。
1.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
1.2 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
日本の年金は国民年金と厚生年金の2階建てとなっており、自営業などのかたは国民年金を、会社員や公務員などは厚生年金を受給します。
厚生年金は加入期間だけでなく、収入に応じた保険料を支払うため、受給額に個人差があります。
男女別にみると月額で約6万円の差があり、これには男性より女性の方が賃金が低い傾向にあること、また育児や介護で働き方をセーブする傾向にあることが理由と考えられます。
老後資金にいくら必要か考える際には、まず将来の年金受給予定額を把握することが大切。ご自身についてはねんきん定期便やねんきんネットで確認しましょう。