1.1 106万円の壁

年収106万円の壁は、特定の要件を満たした状態で年収が106万円を超えると、社会保険の加入が必要になり、結果として手取りが減少する現象です。

特定の要件は、以下の項目を指します。

  • 従業員数が101人以上
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 2ヵ月を超える雇用の見込み有
  • 学生ではない

上記の要件を全て満たしている場合、年収が106万円を超えていれば、パートタイマーやアルバイトでも、配偶者の扶養からは外れて、社会保険に加入する必要があります。

2022年10月27日に野村総研が実施した調査では、妻の年収が106万円になると、世帯の手取り額が減少すると指摘されました。

手取りが減少する要因は、社会保険料が発生したことによる手取りの減少や、夫の収入から家族手当がなくなったためです。

  • 夫の年収が500万円
  • 二人世帯で他に扶養している家族なし
  • 家族手当を月1万7000円支給

こうした手取りの逆転現象が生じたことで、年収106万円以内に収まるように仕事を調整する人がいるため、結果的に人手不足に陥っています。

1.2 130万円の壁

130万円の壁は、勤務先の事業規模や雇用条件に関わらず社会保険に加入し、扶養から外れる年収ラインです。

社会保険料の負担が発生し、手取りが減少する可能性があります。

年収の壁があると、扶養から外れないよう働き控えを生むため、世帯で手取りが増えるような対策を実施する見通しです。

政府は、こうした年収の壁によって手取り額が減らないように「年収の壁・支援強化パッケージ」を実施しています。

しかし、実際に働く人からは厳しい声が挙がっています。