近年では60歳代からでも働いている方が多いですよね。

少子高齢化で年金への不安も高まるなか、「できるだけ長く働き続けたい」ともうすぐ40歳代になる筆者も考えていますが、一方で「いつまで働けんるんだろう」という不安もよぎります。

年齢を重ねるほど気力だけでは動ききれず、健康や体力への不安を感じるもの。仕事を続けるだけでなく、その他でも老後資金への対策の必要性を感じるでしょう。

現状でも70歳代になると大半の方がリタイアしていますが、では70歳代ではみなどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。

70歳からの老後について考えます。

1. 70歳代「貯蓄2000万円以上」二人以上の世帯はどれくらい?平均と中央値の差とは

今回は金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」より、70歳代の貯蓄を確認します。

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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」をもとにLIMO編集部作成

1.1 70歳代・二人以上世帯の貯蓄(平均と中央値)

  • 平均:1905万円
  • 中央値:800万円

70歳代・二人以上世帯では、平均ではおしかったものの、中央値とともに貯蓄2000万円を超えませんでした。

2000万円以上保有している世帯は28.3%と全体の約3割。およそ3~4世帯に1世帯であり、少数派といえます。

平均と、より実態に近い中央値では1000万円以上の差があります。

円グラフをみると1000万円以下という世帯も多いことがわかります。

2. 70歳代「貯蓄2000万円以上」ひとり世帯ではどれくらいか。平均と中央値の差とは

次に70歳代・ひとり世帯の貯蓄を見ていきましょう。

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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」をもとにLIMO編集部作成

2.1 70歳代・ひとり世帯の貯蓄(平均と中央値)

  • 平均:1433万円
  • 中央値:485万円

ひとり世帯になると平均、中央値ともに二人以上世帯より400万円前後低くなっています。

2000万円以上保有しているのは24.3%。

それよりも貯蓄ゼロ世帯の方が28.3%となっており多いとわかります。

ひとりでまとまった老後資金を築くのは簡単ではありませんから、若いころからの計画的な貯蓄が重要となるでしょう。

3. 「貯蓄2000万円」は平均で何歳から達成できるか

先ほどの資料では70歳代で貯蓄2000万円には平均値でも届いていませんでした。

次に、厚生労働省「令和5年版高齢社会白書」を参考にして年代別の貯蓄額を見てみましょう。

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出所: 厚生労働省「令和5年版高齢社会白書」

3.1 「平均貯蓄額」年代別にみる

  • ~29歳:414万円
  • 30~39歳:774万円
  • 40~49歳:1134万円
  • 50~59歳:1846万円
  • 60~69歳:2537万円
  • 70歳~:2318万円

上記は平均になりますが、こちらでは70歳代で貯蓄2000万円超となっていました。

年代別に見ると、貯蓄1000万円を達成しているのは40歳代から。

50歳代では1846万円と2000万円に近づき、達成できるのは60歳代からでした。

「老後2000万円問題」が話題となりましたが、実際に達成できるのは60歳代に入ってから。

現役時代は住宅ローンに教育費など出費が多く、子どもが巣立った後に貯蓄を増やしたり、退職金が入ったりしなければ2000万円達成は厳しいというご家庭も少なくないでしょう。

貯蓄を2000万円貯めたい方は、上記の平均額を目安とするといいでしょう。

ただ、より実態に近い中央値は平均よりも低い可能性が考えられます。

4. 【70歳代の年金月額】平均的な受給額とは

最後に老後の収入の柱である、公的年金の平均月額も見ていきましょう。

厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70歳代の平均年金受給額は以下のとおりです。

4.1  厚生年金受給者の平均的な年金月額

  • 70歳:14万1026円
  • 71歳:14万3259円
  • 72歳:14万6259円
  • 73歳:14万5733円
  • 74歳:14万5304円
  • 75歳:14万5127円
  • 76歳:14万7225円
  • 77歳:14万7881円
  • 78歳:14万9623円
  • 79歳:15万1874円

※国民年金部分も含む

4.2 国民年金受給者の平均的な年金月額

  • 70歳:5万7405円
  • 71歳:5万7276円
  • 72歳:5万7131円
  • 73歳:5万7040円
  • 74歳:5万6846円
  • 75歳:5万6643円
  • 76歳:5万6204円
  • 77歳:5万6169円
  • 78歳:5万5844円
  • 79歳:5万5609円

厚生年金で14~15万円台、国民年金では5万円台でした。

実際には加入期間によって、また厚生年金は収入に応じて払った保険料によって、将来の受給額は個人差が大きくなります。

また、少子高齢化により、年金受給額は下がることも考えられるでしょう。

まずはねんきんネットなどを利用して、自分の年金受給予定額を確認するといいでしょう。

5. 70歳代以降の老後も安心できる貯蓄計画、健康維持、仕事の検討を

今回は平均的な金額をみてきましたが、70歳代以降も安心できる貯蓄を築くのは簡単ではないと改めてわかります。

日本では約30年ほど平均年収が400万円台のままの中、昨今の物価高や社会保険料の値上がりでは、さらに貯蓄が厳しい世帯も多いでしょう。

老後資金2000万円を目標にするとしても大金で現実味が湧きにくいかもしれませんが、だからこそコツコツとした積み重ねが重要となります。

2024年からは新NISAがはじまり、またiDeCoといった国の税制優遇制度もありますが、預貯金にあわせて資産運用を始めるなどの工夫をするのも一つでしょう。

運用となればリスクもありますが、効率的に貯蓄ができる可能性もあるため、選択肢の一つとして検討する余地はあります。

また、収入を増やすだけでなく、生活のダウンサイジングをして出費を減らすことも重要でしょう。

健康を維持しながら、60歳以降も働き続けられる仕事を探して、長く働き続けることも老後資金を作るには有効です。

今年も約半月で1年が終わり、自身の貯蓄やキャリアを振り返るにはよい機会でしょう。

今回の統計を参考にしながら、自分に合った老後資金対策を検討してみてください。

参考資料