ロコンド、3Q利益進捗率は大幅改善 営業利益36億円の“理想値”実現に向けた新計画を発表

2018年1月12日に行われた、株式会社ロコンド2018年2月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料データシート

スピーカー:株式会社ロコンド 代表取締役社長 田中裕輔 氏

2018年2月期第3四半期決算説明会

田中裕輔氏:先ほどご紹介賜りました、ロコンド代表取締役の田中です。今日はご足労いただきまして、ありがとうございます。

それでは、2017年度(2018年2月期)第3四半期の決算発表を始めます。

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まずは、あらためまして株式会社ロコンドが、どのような戦略でやっていくのかというおさらいをして、そのあと決算の概要と分析に移ります。さらに、第3四半期のアクションの振り返りと第4四半期の計画、今回の株式分割についても触れていきます。

戦略骨子① EC事業

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戦略骨子を、3ページに渡って簡単にまとめています。

まず、当社には3つの事業があります。1つ目がEC事業、2つ目がBtoBのブランドさん向けプラットフォーム(PF)事業、3つ目がブランド事業です。

この3つの中では、当然ながらEコマースが、当社にとっていちばん重要な事業となっています。

EC事業にも、さらに2つのチャネルがあります。1つ目が「LOCONDO.jp」、2つ目が「LOCOMALL」という、楽天さんとYahoo!さんの公式ストアです。

2つのチャネルがどういう位置付けかというと、当社にとってはLOCONDO.jpが、スケールすべき重要なチャネルというふうに捉えています。そのため、例えばZOZO TOWNさんといった他のECと差別化しながら、大きな投資をしていきます。

差別化という観点では、大きく4つのポイントがあります。

1つ目が、サービス自体という観点で、創業以来実視している、返品無料の「自宅で試着」です。

2つ目が、カテゴリの選択と集中という観点で、シューズに特化していることです。この第3四半期も、靴の売上割合が76パーセントにのぼります。靴に特化しながら、シューズアンドファッションとして広げているのが、LOCONDO.jpの特徴です。

3つ目が、価格という観点です。第3四半期の平均単価は、6,870円でした。これは他社と比べても、非常に高い数値だと思っています。「affordable luxury」と呼ばれる中高価格帯に強みがあるのが、他社と比べた当社の特徴です。

4つ目が、顧客層(年齢層)が、他のECと比べると少し高めであることです。35歳から54歳の女性に強いのが、特徴になっています。

一方、LOCOMALLに関しては、楽天さんやYahoo!さんの公式ストアです。基本的には、LOCONDO.jpが強くない領域を補完するチャネルとして位置付けています。

LOCOMALLのサービス内容は、LOCONDO.jpよりも少し下げております。返品は可能ですが、返品に必要な送料はお客さま負担になっています。

カテゴリに関しては、(靴だけでなく)洋服や家具まで幅広くカバーしています。

価格も、LOCONDO.jpよりも低めの中価格帯です。

さらに顧客層に関しても、(女性はもちろん、男性も)幅広くカバーするというかたちです。

まずは、LOCONDO.jpを特化していきます。アメリカのZapposや、ヨーロッパのZalandoといった海外の成功事例を目指して、これからも投資をしていきます。そして、とくに(LOCONDO.jpの)弱い領域をLOCOMALLで補完するというのが、Eコマースの考え方です。

戦略骨子② EC事業 + プラットフォーム(PF)事業

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続きまして、2つ目の事業であるBtoBのプラットフォーム事業のご説明です。ブランド向けのサービスで、現状、いろいろなサービスを行っています。

1つ目が、「BOEM」という自社ECのサービスです。2つ目が、「e-3PL」という物流の受託事業サービスです。3つ目の「LOCOCHOC」は、店舗の販売員さん向けのシステムで、店舗の欠品時に我々がフォローをするものです。4つ目が、今期、非常に強固にした「LOCOPOS」という店舗のPOS機能です。

このように、いろいろなサービスを展開しています。当社が目指していることは、シンプルにEコマースと、各プラットフォームサービスを使って、ブランドさまのオムニ戦略を実現することです。

現状、ファッション業界における非常に重要な課題は、オムニチャネルの実現、つまりオムニ化です。お客さま情報・売上情報・ポイント情報などの各情報とモノ(在庫)を、店舗・EC間で融合していくことが、非常に重要なテーマになっています。

我々は各種サービスを使って、ブランドさまのオムニ戦略を実現します。結果的に、ECを軸に売上を上げていくだけでなく、ECと店舗の収益性も向上させていくことが、このプラットフォームサービスが目指している姿です。

戦略骨子③ EC事業 + プラットフォーム(PF)事業 + ブランド事業

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3つ目が、今年度から始めたブランド事業「MANGO」です。

これをやっている理由は、EC事業・プラットフォーム事業・ブランド事業の3つの事業それぞれに、相互補完性があるからです。この3つのポートフォリオを有することで、1つの事業が強くなれば、残り2つの事業が強くなっていきます。こういった相互補完性をより強化していくために始めたのが、ブランド事業です。

例えばMANGOに関しては、現状はLOCONDO.jpでしか買えない差別化商品の販売という、ブランドのプライベート化があるというのが、現状となっています。当社は、このようなポートフォリオを組みながら、展開しています。

財務ハイライト① 実績および計画進捗率

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7ページが、今回の第3四半期の数値の結果です。

売上(取扱高・売上高・売上総利益)は、順調に計画どおり第3四半期をクリアして、2017年度計画に対する進捗率は、それぞれ70から73パーセントへ推移しています。

営業利益・経常利益に関しましても、(2017年)12月の頭に、適時開示でIRの資料を出しました。その時点で「進捗率の予想は、60パーセント後半だろう」と記載しましたが、まさにその通りでした。

営業利益は、特別経費控除前では、69パーセントの進捗率です。控除後の営業利益は、66パーセントの進捗率です。また、経常利益は64パーセントの進捗率です。なお、特別経費に計上したのは、倉庫の移転費用です。このように、12月1日の適時開示の見込みどおりの結果となっております。

当期純利益は、昨年と比べて下がりました。昨年の当期純利益は2億8,300万円でしたが、そのうち2億円が税効果によるものです。その税効果が影響して、昨年と比べて下がっているということです。

今年度はどこまでいくかというところですが、これは来年以降の中計にも影響する部分ですので、この中計の結果によって、多少左右されていくということです。ただ、利益という観点では、営業利益と経常利益の2つの指標を遵守しながら、経営を行っているというのが現状です。

財務ハイライト② EC事業 取扱高(返品差引後; 百万円) 実績

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あとはいくつか前回の説明会から、当社はデータシートというかたちで、かなり具体的なKPIを表示していますが、そこからいくつかピックアップさせていただきます。

まずは、当社のメインであるEC事業です。この取扱高は前年同期で比較すると、プラス22パーセントです。その中でも、主幹のチャネルであるLOCONDO.jpは、この(取扱高の)中でも78パーセントを占めています。成長率はプラス29パーセントというところで、非常に順調にきているかなと認識しています。

財務ハイライト③ PF事業 e-3PL 出荷ピース数

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2つ目が、PF事業です。先ほど申し上げたとおり、BOEM(併設型)・e-3PL(店舗物流受託)・LOCOCHOC・LOCOPOSを行っています。今回大きく飛躍した事業は、e-3PLです。倉庫・在庫を我々が一元的にお預かりして、それをECだけではなく、店舗への出荷も行うという事業です。

こちらは、この第3四半期に関しては、昨年と比べて約3倍となりました。当社がブランドさまにとって、ECのチャネルだけではなくインフラとしても、非常に重要性が増してきたかなと考えています。

決算数値を踏まえた分析①

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データシートでは限界利益と固定費用も含めて開示していますが、ここを改めてグラフにさせていただきます。ご覧いただくとおわかりのとおり、限界利益(青いグラフ)に関しては、順調に右肩上がりとなっています。ちなみに、釈迦に説法ではございますが、限界利益は、売上から原価や送料といった変動費を引いた利益です。

一方で固定費(オレンジのグラフ)に関しては、この3ヶ年を見ても、ほぼフラットにきています。限界利益が上がれば上がるほど、限界利益から固定費を除いた営業利益に関しては、拡大傾向にあるということです。

決算数値を踏まえた分析②

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このまま、この限界利益と固定費用が進んだ場合どうなるかについて、ご説明します。これは、前回の説明会でも掲げたものです。現在の倉庫(のキャパシティ)が、1万坪ございます。そこで計上できるであろう理想値として、取扱高は300億円・営業利益率は12パーセント・額としては36億円です。

これらが、この1万坪(の倉庫)でできる理想値であることは、前回ご説明させていただきました。では、この営業利益の36億円(の実現)に、先ほどのグラフのとおりでいくと、どれくらいかかるかというところで、シナリオを2つお話しします。

1つ目は、もうそのままグラフどおりに、限界利益も固定費用も推移した場合です。そうすると2028年度、つまり現在(2017年度)から約10年後に、38.3億円を計上できるということです。

2つ目は、限界利益はグラフどおりで、今年度に倉庫の投資等がほぼ完了しているので、固定費用は12億円フラットでいけるとした場合です。その場合は、2025年度(に営業利益が37.0億円に達します)。そういった意味で、グッドニュースとしては、あのグラフのままいけば、2025年度には、営業利益36億円の理想値を達成できます。

しかしながら、経営としては、早くても7年後(の実現)というタイムラインに関しては、非常に遅いと思っています。この時間軸をいかに短くしていけるかが、非常に重要な経営課題となっています。それでは、どうやってそれを縮めていくのかというところで、いくつかそのアクションに関して、ご説明させていただきます。

主なGOOD NEWS①

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まず、この第3四半期に行ったアクションの振り返りでございます。

1つ目は、「LOCONDO Rename」というものを、始めさせていただきました。これはUSEDやアウトレットとは違うものです。ブランドでは(商品が)売れ残ったら、普通はアウトレットモールなどにいって、例えば70パーセントオフぐらいで売ります。

それでも売れ残った場合は、80パーセント・90パーセント……極論95パーセントで売るとすれば、だいたい売り切れます。ただ、そうすればするほど、ブランドの価値・イメージが下がってしまいます。結果として、ブランドさまは、なかなか70・80パーセントオフ以上には、なかなか踏み込めません。

このような現状がある中で、売れ残ったブランドの商品のタグ(Name)を外して、他のブランド……現状は「LOCONDO Rename」というブランドにしていますが、そこに貼り替えます(Re)。そうすることで、より安く売ることができるだけではなく、(商品を)廃棄しなくていいので、エコにもつながります。

あとは、ある「A」というブランドがあれば、ベーシックなデニムや白いシャツでも、「(『A』というブランドは)若い女の子向けだよね」といったイメージが付いてしまうものですが、このブランドのタグを貼り替えることによって、新しく違うターゲットのお客さまにアプローチができるということです。そのようなメリットがあるのが、この「LOCONDO Rename」です。

主なGOOD NEWS②

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また、プラットフォームサービスでは、店舗のPOSをiPadで対応できるような「LOCOPOS」を提供していますが、この第3四半期に、さまざまな機能を増強しました。

とくに重要なところは、店舗在庫をリアルタイム・ECで売れる機能がついたことです。

現状、ファッション業界でも、ブランドさまが店舗の在庫をネットで売る場合、どうしてもリアルタイムでつながっていないのです。その結果として、ネットで買っても欠品が起こるという問題が、実は現状で起きています。

その点、こちら(LOCOPOS)は(店舗とECが)リアルタイムでつながっていますので、店舗の在庫をECで(把握して)、店舗で売り切れたらECで売ることができます。

これが非常に重要なポイントになっていて、現状当社が展開しる「MANGO」だけではなく、大手百貨店の大丸松坂屋さまに、「NINE WEST」というブランドに限って、LOCOPOSを導入いただいています。このような中で、このLOCOPOSが、これからファッション業界におけるスタンダードになっていく可能性は、十分あるだろうと考えています。

新アクション計画 【1月】 ~配送~

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ここからは、もうほぼ1.5ヶ月経っていますが、この次の四半期(2018年2月期第4四半期)に、具体的にどのようなことをやっていくのかについて、お話しします。

まず1つ目は、今月(2018年1月)、早ければ来週にはローンチいたしますが、「ファーストクラス便」を始めさせていただく予定です。

現状、当社で「当日夜間・早朝便」というものがありますが、これをさらにバージョンアップします。お客さまに対してサービス価値を高め、送料に関しても非常に使いやすいかたちにして、新しい配送オプションとして提供していくことが、配送における新アクション計画です。

新アクション計画 【2月】 ~決済~

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2つ目が、「試着後払い」です。現状、例えば「ツケ払い」といった後払いオプションが、ファッション業界において浸透しつつあります。当社も、この後払いをローンチしようというところです。

これは、単純に後追い・真似をするだけではなくて、当社のサービスの特徴である試着を使って、「試着した後に払う」といった、新しい決済オプションです。これを、(2018年)2月にローンチする予定です。こちらの具体的な内容は、リリース時にご案内します。

新アクション計画 【3月】 ~店舗×EC~

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3つ目が、店舗×ECについてです。現状、MANGOという事業に関しては、MANGO原宿店として、原宿に約50坪の店舗を展開しています。この春からは、MANGOだけではなく、ロコンドのセレクトショップ・小型百貨店のようなかたちに変えていきます。

そこでは当然MANGO(の商品)も売るわけですけれども、他のインポートブランドのものも品揃えをして、ロコンドとしてのオムニ戦略を実現していこうという計画でございます。

ここで取り扱うブランドに関しても、今かなり商談が進んでいまして、品揃えという面でも、非常にメリットのある商品が出てくるかなというところです。当然、ここにはLOCOPOSやLOCOCHOCを使って、単なる店舗ではない、いわゆるオムニ化された店舗を、実際にお見せできるかなと思っています。

新アクション計画 【3月】 ~広告~

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最後は、これも(2018年)3月に予定しておりますが、当社のeコマースに関してです。現在、靴に特化して、品揃えも広げ、返品無料も導入し、収益も上がるようになったところです。ただ、スケールすべきチャネルという観点から見ると、まだまだ規模が小さいと考えています。

LOCONDO.jpをスケール化していくにあたって、今何が一番ボトルネックになっているかと言いますと、これは当社がアンケートをした結果を見ても、「明らかに認知度が低い」ということです。

そのような中で、これからファッションECの中で第一人者になっていくためには、まずは当然ながら「認知してもらうこと」が、重要な要素だと考えております。ここからが、当社がそもそも今年度に上場した理由でもあるのですが、そこで調達した資金を使い、大型のテレビCMの配信を開始します。

細かいところはまた後日ご案内しますが、他のファッションECを含めて、過去10年間のすべてのGRPを今回分析・計算しましたが、どのファッションECよりも、大きな出稿量になる予定です。そのような意味で、一気にLOCONDO.jpの知名度を広げていきます。

これが、3月以降の重要な戦略となっています。

中期計画に向けて

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今日ご説明した、配送・決済・店舗・テレビCMという4つのアクション以外にも、まだ現状はご案内できませんが、進めているプロジェクトがあります。あとは、上場時にも申し上げたように、M&Aも並行して検討しております。

これも、ここから2、3ヶ月で詰めていき、今年(2018年)の4月には、2018年から2020年度の中期計画を発表する予定です。そのような中で、現状の曲線のまま(実績が)伸びた場合、理想値を実現できるのは2025年度なのですが、それをいかに前倒しできるかを考えています。

具体的にどのようにやっていくかを、数字と、その裏取りとなるアクション・論拠を、非常に詰めているところです。そこを踏まえた中期計画を4月に発表する予定ですので、そちらをご覧いただき、短期の売上や利益の変動だけではなくて、当社に対する中長期の信頼を、まずは勝ち取っていこうと考えています。

株式分割に関して

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最後に、これはもうご案内のとおりですが、株式分割についてご説明します。

上場時と比較して、現状、株価が上がっていることも踏まえ、株式の流動性向上および投資家層の拡大のため、株式の2分割を(2018年)2月28日に実行いたします。

駆け足ではありましたが、以上が今回の決算説明です。

記事提供:ログミーファイナンス

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