20歳〜30歳代の社会人男女を対象にした「2023年 少子化に関する意識調査」では、現役世代が抱く経済不安や理想の年収額などが浮き彫りになりました。

少子高齢化が加速して若者世代の経済負担が増えるなか、少子化対策に本格的に動き出した日本政府。

岸田総理からも「歳出改革を行った上で国民に実質的な追加負担を生じさせないことを目指す」、つまりは国民への負担が小さくなるよう進める趣旨の発言がありました。

その他、景気の変動や物価高騰など多様な事象が絡み合う社会情勢により、若年層を中心に貯蓄や資産形成への注目度が高まりつつあります。

今回は、ライフスタイルが変化しやすい30歳代のお金事情や貯蓄、平均年収について確認していきます。

【最新】このままでは子どもを持てない…30歳代が抱く「経済不安」

まずは、20歳代から30歳代が抱く「経済不安」について、最新の調査結果をチェックしていきましょう。

キャリア全般に関する研究や各種調査を実行・分析するJob総研は、20歳〜30歳代の社会人男女を対象に「2023年 少子化に関する意識調査」を実施しました。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:現在職を持つすべての社会人/男女/20~30歳代
  • アンケート母数:合計454名(男性6:女性4)
  • 実施日:2023年10月25日~10月30日
  • リリース公開日:2023年11月13日

「子を持つ上での経済的な不安」は87.0%

子どもを持つことへの経済的な不安の有無を問う質問に対して、「とてもある」38.4%、「ある」27.5%、「どちらかといえばある」21.1%と、「ある派」が87.0%を占めました。

上記の質問に対し、経済的に不安があると回答した395人にその理由をきいたところ「教育費が十分に確保できない」が52.4%で最多、次いで「他の支出や返済で精一杯」が45.8%、「保育料や食費の高騰」が43.8%となりました。

教育費の確保以外の背景として、他の支出や返済を優先したいという家庭の収支事情、物価高騰などの社会的影響が見受けられます。

「共働き」を希望する人が挙げる理由とは?

同調査の「共働きはした方がいいと思うか」という質問では「とても思う」37.9%、「思う」22.7%、「どちらかといえば思う」27.3%で「思う派」が87.9%の回答結果でした。

共働きすべきと回答した人の理由は「経済的なリスクが分散できる」が76.4%で最多。

「世帯収入が増える」(67.4%)、「将来的に貯蓄の余裕が出る」(65.7%)と続きました。

子どもを望む若者世代は、現在の社会情勢による景気変動や物価高騰、リスク管理といった金銭面での負担、そして将来を見据えたときの心理的不安を抱えていると考えられます。

【貯蓄額】30歳代の平均・中央値はいくら?

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」をもとに、二人以上世帯・単身世帯における30歳代の貯蓄額をみていきましょう。

30歳代「二人以上世帯」の貯蓄分布(平均・中央値)

  • 金融資産非保有:23.9%
  • 100万円未満:13.4%
  • 100~200万円:10.3%
  • 200~300万円:6.9%
  • 300~400万円:6.3%
  • 400~500万円:3.5%
  • 500~700万円:9.4%
  • 700~1000万円:7.3%
  • 1000~1500万円:6.6%
  • 1500~2000万円:3.5%
  • 2000~3000万円:3.9%
  • 3000万円以上:2.2%
  • 無回答:2.6%

30歳代「二人以上世帯」の平均貯蓄額は526万円で、中央値は200万円でした。

貯蓄なし・貯蓄100万円以下の世帯が全体の約37%を占めるなど、日々の生活で手いっぱいとなり資産形成を進められていない世帯もあるとわかります。

30歳代「単身世帯」の貯蓄分布(平均・中央値)

  • 金融資産非保有:32.4%
  • 100万円未満:18.5%
  • 100~200万円:8.6%
  • 200~300万円:5.6%
  • 300~400万円:5.2%
  • 400~500万円:2.5%
  • 500~700万円:7.1%
  • 700~1000万円:3.7%
  • 1000~1500万円:4.6%
  • 1500~2000万円:3.7%
  • 2000~3000万円:2.5%
  • 3000万円以上:2.8%
  • 無回答:2.8%

30歳代「単身世帯」の平均貯蓄額は494万円、中央値は75万円でした。

そして、貯蓄なし・貯蓄100万円未満の方の合計がほぼ半数を占めます。

より実態に近いとされる中央値からわかるように、貯蓄にまで手を回せない状況にある30歳代は決して少なくありません。

【年収】30歳代の平均年収はいくら?

厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、給与所得者の年齢階級別平均賃金(月収)は以下の通りとなっています。

30歳代前半(30~34歳)では平均28万1000円、30歳代後半(35~39歳)では平均31万2500円という結果となりました。

また、男性と女性との間で4~7万円程度の金額差が見受けられます。

先に紹介したJob総研の調査において、共働きを想定する場合にパートナーに求める理想の年収額も明らかになっていましたが、その結果は平均額646万1000円、中央値560万円、最頻値600万円。

理想と現実に大きなギャップがあることがわかりました。

経済状況に不安がある人は、投資も選択肢に

5/5

kei907/shutterstock.com

kei907/shutterstock.com

Job総研が公表した「2023年 少子化に関する意識調査」では、回答者全体の8割強が子どもを持つことに経済的な不安があると回答していました。

具体的には「教育費の確保」や「食費の高騰」などを不安に感じ、その不安から「経済的リスクの分散」や「世帯収入および貯蓄の増加」といった経済面での補填を理由に、約9割が共働きを望んでいます。

貯蓄額や年収に対して不安を抱いている人は、投資信託なども検討してみましょう。2024年からは新NISA制度の運用もスタート。

つみたて投資枠を活用すれば、投資収益が非課税になるというメリットもあります。

もちろん投資信託にはリスクがあり、どのような金融商品、投資方法を選ぶかによる個人差も出てきますが、自身の経済状況に一石を投じる方法だともいえるでしょう。

参考資料

荒井 麻友子