2. 厚生年金は標準夫婦で22万4482円に(2023年度)

厚生労働省によると、2023年度の年金額の例は次のとおりとなります。

  • 国民年金(老齢基礎年金):6万6250円(1人分)※1
  • 厚生年金:22万4482円(夫婦2人分)

※1 2023年度の既裁定者(68 歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万6050円(対前年度比+1234 円)

国民年金と厚生年金ともに、2022年度よりそれぞれ増額になりました。

厚生年金の金額に注目します。

こちらは、「平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準」とされます。

つまり、夫が年収約526万8000円で40年間働き、妻が専業主婦(もしくは扶養内のパート)だったケースなどが該当します。

こうした夫婦を「標準的な夫婦」と定義づけ、夫婦の合計年金は22万4482円であると試算されているのです。

3. 年金「約45万円」が12月15日に支給される夫婦とは

次回の年金支給日は、12月15日です。年金は基本的に2カ月分が支給されるため、標準的な夫婦にあてはまるのであれば「約45万円」の年金が支給されるということです。

もし妻も厚生年金に加入して働いていた場合、あるいは夫の年収がもっと高い場合などは、これ以上の金額を受給できることになります。

反対に、夫の年収がもっと低かった、あるいは自営業である場合などは、年金額はもっと少なくなります。

さらに、年金からは税金や保険料が天引きされます。あらかじめ天引きする金額が決まっているため、これらが引かれた額が実際に振り込まれるのです。

つまり、手取りの金額はもっと少なくなる点に注意が必要です。

実際の振込額は、6月に送付される年金振込通知書などでしっかり確認しておくことが大切です。

「夫婦合計で約45万円」と聞くと多く感じていた方も、月額あたりにすると余裕のある水準とも言い切れないと感じたことでしょう。

さらに、実際の受給額は個人差が大きいものです。「今の高齢者は年金をたくさんもらっている」とは一概に言えないでしょう。