昨今の物価高の影響等を受けて、2023年度の年金受給額は3年ぶりに増加しました。

意外と知らない方も多いですが、このように年金額は受給中も変動します。

2023年度の金額として、厚生年金は「標準夫婦」をモデルケースにすると「22万4482円」と公表されました。

12月15日には2カ月分の年金が支給されるため、このケースであれば約45万円を手にすることになります。

金額だけを見ると、皆さんはどう感じられるでしょうか。大半の方は多いという印象を受けたかもしれません。

ではなぜ厚生年金に加入している標準夫婦が「約45万円」振り込まれるのか。その理由について今回は見ていきたいと思います。

1. 厚生年金は国民年金に上乗せして支給される

日本の年金制度は、「厚生年金と国民年金」が2階建て構造となっています。そのため、厚生年金は国民年金に上乗せして支給される仕組みです。

日本に住む20歳から60歳未満の方は、原則として全員国民年金(基礎年金)に加入します。保険料は一律で、年度ごとに改定されます。

保険料の納付要件を満たした場合、将来は老齢基礎年金が支給されます。

40年間保険料を納付すれば満額が受け取れ、2023年度の満額は月額6万6250円(67歳以下の場合)とされています。

一方、国民年金の上乗せとして、主に会社員や公務員などの「第2号被保険者」は厚生年金にも加入します。

保険料は一律ではなく、報酬比例制。たくさん稼いだ方や長く働いた方が、多くの老齢厚生年金を受け取れるということです。

納めた保険料や加入期間で受給額が決まるため、個人間の差が激しくなっています。

そんな中、厚生労働省は毎年「老齢基礎年金の満額」と「標準的な夫婦の老齢厚生年金額」を公表しています。