「年収1000万円超」世帯の貯蓄はいくら?

給与所得であれ、世帯年収であれ、やはり収入面でみれば限られた人のみ到達できるように思える「年収1000万」という壁。

そんな彼らの貯蓄状況はどのようなものでしょうか。

金融広報中央委員会「2022(令和4)年家計の金融行動に関する世論調査」をもとに「年収1000万円~1200万円」と「年収1200万円以上」のデータを抽出します。

単身世帯、二人以上世帯それぞれの貯蓄状況をまとめました。

金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)の割合(単位:%)

割合が両極端な結果となった単身世帯と比較して、二人以上世帯は全体的にバラつきがみられました。

つづいて年収1000万円以上の世帯の金融資産保有額「中央値」を確認してみましょう。

《年収1000万円~1200万円未満》金融資産保有額の中央値

  • 単身世帯の中央値:2154万円
  • 二人以上世帯の中央値:1000万円

《年収1200万円以上》金融資産保有額の中央値

  • 単身世帯の中央値:3300万円
  • 二人以上世帯の中央値:1800万円

貯蓄額でみても、潤沢な資産があるといえるでしょう。しかし、気になるのはとくに単身世帯で顕著にみられる「金融資産を保有していない」世帯です。

年収1000万稼いでも苦しい……「高所得貧乏」の割合とは

同統計内で確認できる「金融資産を保有していない」割合は、以下のとおりです。

《年収1000万円~1200万円未満》金融資産非保有世帯の割合

  • 単身世帯:12.2%
  • 二人以上世帯:16.7%

《年収1200万円以上》金融資産非保有世帯の割合

  • 単身世帯:33.3%
  • 二人以上世帯:13.0%

「年収1000万円~1200万円」の単身世帯16.7%・二人以上世帯12.2%、「年収1200万円以上」の単身世帯33.3%・二人以上世帯13.0%が金融資産非保有という状況です。

上記の結果から、二人以上世帯であれば約10世帯中1世帯、単身世帯であれば10世帯中2〜3世帯程度が、年収1000万円を超えてもなお、貯金していない「高所得貧乏」だとわかります。