【専業主婦世帯VS共働き世帯】老後の世帯収入差はいくら?
ここでは、老後の大きな収入源のひとつである厚生年金の受給額の差を世帯タイプ別にチェックしていきます。
厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、男女別の国民年金および厚生年金(国民年金を含む)の平均月額は以下の通りです。
〈男性〉
- 国民年金:5万9013円
- 厚生年金(国民年金を含む):16万3380円
〈女性〉
- 国民年金:5万4346円
- 厚生年金(国民年金を含む):10万4686円
この数値から、世帯タイプ別に年金受給額をシミュレーションすると以下の結果が出ます。
- 夫婦ともに国民年金(自営業世帯):11万3359円(年額136万308円)
- 夫のみ厚生年金(会社員・公務員の専業主婦世帯):21万7726円(年額261万2712円)
- 夫婦ともに厚生年金(会社員・公務員の共働き世帯):26万8066円(年額321万6792円)
夫が会社員で妻が専業主婦の場合、夫の年金のみ厚生年金分が上乗せされます。共働き世帯では夫婦2人分の厚生年金が受け取れるため、より年金額が多くなる形です。
専業主婦世帯と共働き世帯の年金額の差を比べると、月額で約5万円、年額で約60万円となります。老後まで考えると、大きな差につながるといえるでしょう。
より詳細な金額はねんきん定期便やねんきんネットなどで確認してみてください。
夫婦でよく話し合い、柔軟な対応を大切に
約7割の家庭が共働きな現代。老後の家計収支などを踏まえると、比較的多くの貯蓄をつくっている「共働き世帯」は経済的にも魅力に思えます。しかし、家事や育児への注力やスムーズな分担など、専業主婦世帯にもお金には代えられないメリットがあります。
また、急激な経済変動や病気などを理由に専業主婦の方が就労の必要に迫られる可能性もあります。もしくは、共働き夫婦のどちらかが病気で働けなくなる場合もあるでしょう。
どんな場面でも困らないように夫婦間で話し合いを重ね、柔軟に対応できるように準備していきたいものです。
参考資料
- 内閣府「令和5年版 男女共同参画白書」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
- 厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
荒井 麻友子