2020年度から小学校、2021年度に中学校、そして昨年度は高校で学習指導要領が改訂されました。文部科学省は「思考力」「判断力」「表現力」の育成に重きをおき、その影響は各教科の学び方の変化にも波及しています。

思考力と表現力を促すアクティブラーニングが増え、親世代の頃の学校の学びよりも児童生徒が積極的に関わる授業が行われています。

一昔前なら一部の優等生や積極的な子どもたちだけがやっていた「自分の考えをまとめて人前に出て話す」も平等に機会が与えられています。

表現力を鍛えることに繋がりますが、自分の意見をまとめるには国語力が不可欠であり、適切な言葉、相手に伝わりやすい文章を考えることは社会に出ても重要なスキルです。

国語力は全ての教科の土台であり、不足していると算数や理科といった理系科目でも問題文の意味を理解することも難しくなります。しかし、市販の学習漫画を購入し、上手に活用することでも、語彙を鍛えることもできます。

そこで今回は、どのように国語力を伸ばしていけばよいのか、具体的に考えていきます。

漢字や語彙力を鍛えることが大切

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国語力を伸ばすには「本を読むこと」とよく言われますが、子どもに本を読ませる前に漢字力や語彙力がどの程度なのか把握することが必要です。

どんなに本を読ませても、その本を理解できるだけの語彙力がなければ時間の無駄になってしまいます。例えば、自分の年齢より対象年齢が低いとされている本を読みたがる場合は「ただ単に本が好きではないから楽をしようとしている」のではなく、成長に合わせた読書ができるほど漢字スキルや語彙力が育っていない可能性があります。

そういう時は、漢字のテストの点数の推移や、今の学年で使用している国語の教科書の内容を理解しているか、家庭で確認してください。

なお、小学校の漢字50問テストでは、本当の実力を知ることはできません。それは、事前に答えが配布されることが珍しくなく、子どもたちは答えを全部暗記してテストを受けることになるので、高得点を取りやすいためです。

子どもの漢字力を正確に把握するには、家庭で市販やインターネット上の無料教材を活用して既習漢字の書きのテストをおこなってください。読みに関しては漢字が苦手な子でもある程度できるので、「漢字の書きの正答率」が子どもの本当の漢字力になります。

語彙力に関しては、教科書に出てくる作品を難しいと感じているのであれば危険信号のシグナルです。語彙に特化した学習漫画を活用し、漫画を通して語彙を増やしていきましょう。

本をたくさん読んで鍛えるのは時間がかかり、本嫌いな子にとっては逆効果になりかねないので市販の学習漫画を上手に導入して抵抗感なく語彙を鍛えてください。