インフレ対応の給付金
冒頭で紹介した2024年夏ごろ実施が検討されている所得税の減税と合わせて、住民税非課税世帯には給付金の支給が見込まれます。
物価上昇率が賃金上昇率を上回っているため、政府は「想定より上振れした税収の国民への還元を検討する」としています。
詳細の決定は未だですが、住民税非課税世帯には「7万円の給付金を減税より早い時期に支給する」という案が出ています。
上記案が実施されると、2023年度上半期に住民税非課税世帯に支給された3万円の臨時特別給付金(地方自治体によって名称や支給金額が異なる)と合わせると、10万円の給付金が受けられることになります。
その他の優遇措置
一時的な給付金以外にも、国や地方自治体は住民税非課税世帯に対する優遇措置を設けています。
国が行う主な優遇措置は次の通りです。
- 国民健康保険料・国民年金保険料の減額や減免
- 保育料や教育費の支援(0~2歳の保育料の無償化、奨学金など)
- 医療費の軽減措置(高額療養費の負担軽減など) など
地方自治体が行う優遇措置や助成制度については、各地方自治体のホームページなどで確認しましょう。
65歳以上の高齢者世帯の約35%は住民税非課税世帯
総務省統計局の「令和4年国民生活基礎調査」によると、65歳以上の高齢者世帯の約35%は住民税非課税世帯です。全年齢平均の24.2%を大幅に上回っています。
年齢が高くなるほど住民税非課税世帯の割合は高くなり、60歳代では19.2%であったのが、70歳代では34.9%、80歳代では44.7%まで高まります。
会社員が退職したり自営業の人が引退するなどして収入が年金だけになると、所得が非課税基準を下回るようになり、住民税非課税世帯が増えます。