さて、イオンの株主としてオーナーズカードの権利を得たあと、株はどうするべきでしょうか。

まず前提としておさえておきたいのは、2月23日までに株を買い、2月末の株主名簿に載って受け取ることができるオーナーズカードの有効期限は半年(8月末まで)だということです※1。もし、9月以降の半年の優待を受けたいなら、8月末の株主名簿にも名を連ねる必要があります。

株を売ってまた買い戻すといった手間を考えれば、株を持ち続けるという考え方もあります。持ち続ける間は株価の変動リスクを負うことになりますが、株式売買手数料を支払う必要はありません。

一方、2月23日の翌営業日となる2018年2月26日(月)に売却しても2月末の株主名簿には載りますので株主優待は手に入れることができます。9月以降もオーナーズカードの権利が欲しいということであれば、8月末の権利確定日までに再びイオン株を購入する必要があります※2

※1 新規株主の場合、オーナーズカードが届いてからの利用になるため、利用可能期間は短くなります。

※2 保有株式を全部売却した後、再購入した場合で次の株主権利確定日の株主名簿に同一株主番号で登録されると、売却前に発行されたカードを継続して利用できます。 一方、次の株主権利確定日において、証券会社から受け取る株主の登録情報の変更等により株主番号が変更になった場合や株主権利確定後に再購入した場合は、いずれも売却前に発行されたカードは株主権利確定日の翌日より無効となり、新規株主として新しく発行されたカードとなります。詳しくはイオンのホームページなどでご確認ください。

ポイント3 イオンの業績をアナリストはどう見ているのか

株主優待がきっかけで、イオンの株を長期にわたって保有することになる個人投資家もいるかもしれません。業績も少しチェックしておきましょう。

まず、2018年2月期Q2累計(3-8月期)の業績は、営業収益(売上高にあたります)が対前年同期比+1%増、営業利益が同+18%増の850億円、経常利益が同+17%増の856億円、親会社株主に帰属する四半期純利益(以下、当期純利益)は42億円(前年同期は▲53億円の当期銃損失)でした。

ちなみに営業収益は第2四半期の過去最高収益であり、営業利益、経常利益も最高益を更新しています。

通期の会社予想を見ると、営業収益が同+1%増、営業利益が同+8%増の2,000億円、経常利益が同+7%増の2,000億円、当期純利益は同+33%増の150億円となっています。

小売業に詳しいアナリストは、イオンの業績のポイントについて、次のようにコメントしています。

「同社の本業であるGMS事業の回復を実現できるかが最大のポイント。意外に知られていないのですがイオンのGMS事業は2018年2月期上期では営業損失の状況。2017年2月期通期の決算でもGMS事業で連結の営業利益が1,847億円のうちわずか25億円に過ぎません。

同社の収益は総合金融、ディベロッパー事業などが柱となっており、これらの収益規模を維持しながら、GMSの業績改善を達成することが株式投資家の最も期待すべきことでしょう。仮にそれが実現できるのであれば、同社の利益規模はさらに拡大させることが可能と見ています」

1月にはQ3の決算発表が行われる予定です。もしイオンの株主になることを検討するのであれば、業績も一度チェックしてみるとよいかもしれません。

なお、イオンの個人株主になるメリットやオーナーズカード入手までの手続きなど、詳細については、イオンのホームページなどもあわせてご確認いただければと思います。

LIMO編集部