つみたてNISAは新NISA「つみたて投資枠」に移管できない

新NISAは非課税期間が無期限のため、つみたてNISA口座で保有する商品を新NISA「つみたて投資枠」に移したいと考える人もいるでしょう。ただし、つみたてNISAで購入した商品はつみたて投資枠に移すことはできません。

つみたてNISAで保有する商品は、2024年以降もつみたてNISA口座で運用を続けることとなります。つみたてNISAの非課税期間は20年間のため、2023年につみたてNISAで購入した商品は2042年末に非課税期間が終了するイメージです。

つみたてNISAとつみたて投資枠で購入した商品は、それぞれ別で運用されることを覚えておきましょう。

つみたてNISAの保有商品を売却して同じ商品を新NISAで購入すればOK

つみたてNISAでの保有商品を新NISA口座へ直接移管することはできませんが、つみたてNISAで保有する商品を一度売却し、そのお金で同じ商品を新NISA口座で購入することは可能です。

つみたてNISAで売却したお金をつみたて投資枠でコツコツ積立投資するも良し、成長投資枠へ一括投資するも良し。ただし、成長投資枠への一括投資は時間分散効果が得られないため、つみたてNISAで売却したお金をどのように増やしていきたいかを熟考した上で行動に移しましょう。

なお、新NISA口座で保有できる金額(非課税保有可能額)は、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて1800万円分までです。つみたてNISA口座で保有する商品を売却して、そのお金で新NISA口座で同じ商品を購入する場合、残りの非課税保有可能額が少なくなることに注意しましょう。

つみたてNISAの積立設定は新NISA「つみたて投資枠」に引き継がれる

新NISA開始に伴い、新たに口座を開設したり、購入する銘柄や金額を設定し直したりする必要があるのか気になる人もいるかもしれません。

現在、つみたてNISAをしている人は、原則新NISAでの積立設定は不要です。つみたてNISA口座を保有する金融機関に自動で新NISAが開設され、つみたてNISAの積立設定も原則自動で新NISAに引き継がれます。そのため、何も手続きせずに現在の積立投資を2024年以降も続けることが可能です。

ただし、新NISA「つみたて投資枠」は年間に投資できる金額が40万円から120万円と大幅に増額となるため、毎月の積立金額を見直してみてもいいかもしれません。

また、新NISAよりつみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能となります。つみたて投資枠は金融庁が定める基準を満たした投資信託のみ対象となりますが、成長投資枠では投資信託、個別株、ETF、REITも購入できるため、成長投資枠も検討してみてもいいかもしれません。