50歳代になると定年退職というゴールが徐々に近づいてくるため、老後資金について考える機会が増える方も多いでしょう。特に、おひとりさまの場合は老後の生活費をすべてひとりでまかなう必要があり、早くから資金準備に取り組む必要があります。
令和2年国勢調査結果によると、おひとりさま世帯は年々増加しており2020年においては世帯全体の38.1%を占めています。さらに、男女ともに65歳以上のおひとりさま世帯が増加傾向にあります。
おひとりさまで老後生活を送ることになる方は、どのくらいの貯蓄があるのでしょうか。みんなの実態を解説するとともに、50歳代から取り組むべき老後資金対策をご紹介します。
50歳代おひとりさまの貯蓄額の中央値は53万円
50歳代のおひとりさまはどのくらいの貯蓄があるのか、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」を元に確認していきましょう。
調査結果によると、50歳代のおひとりさま世帯の平均貯蓄額は1048万円です。1000万円を超えていることに驚く方もいるかもしれませんね。それもそのはずで、より実態に近い「中央値」は53万円となっており、平均値と大きな差が生じています。
これは、数千万円の貯蓄がある方が平均値を押し上げているためで、実際には貯蓄が無い方やあっても100万円以下という方が少なくないことが主な理由です。
50歳代おひとりさま世帯の貯蓄額ごとの割合を下表にまとめましたのでご覧ください。
おひとりさま世帯のうち「貯蓄なし」の世帯が39.6%、「100万円未満」の世帯が11.5%で、合わせて半数以上を占めていることがわかります。中央値が53万円となるのも納得できるでしょう。
老後生活のためにやるべき2つのこと
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老後の生活費は主に年金になる方が多いですが、今後の年金支給額がどのように変化するかは不透明です。支給額が減額されると生活費をまかなうことが難しくなるため、年金以外に資金を準備しておく必要があります。
そこで、老後生活のために50歳代からやるべきことを2つご紹介していきます。
支出を見直す
まずは、生活にかかる支出を見直すことから始めてみましょう。日々の細かい節約も大切ですが、固定費の見直しをするとより効果が期待できます。
固定費には、水道光熱費や居住費、保険料、通信費などがあります。たとえばガス代と電気代をセットにすると割引になるサービスを利用すると光熱費を安くすることができます。また、住宅ローンを返済している場合は、金利の安い商品に借り換えをしたり、資金に余裕があるときに繰上げ返済をして早期完済を目指したりするのも良いでしょう。
ほかにも、加入中の生命保険の保障の見直しをして、保障の重複がないか、不要な保障が付帯していないかなどをチェックしてみましょう。必要最小限の保障のみにすると保険料の節約効果が期待できます。
iDeCoなどで資産運用する
資産運用には、株式投資や投資信託などいくつか種類がありますが、老後資金形成のためにはiDeCoも選択肢のひとつです。
iDeCoは公的年金とは別に任意に加入できる私的年金で、申し込みから掛け金の拠出、運用商品選びや実際の運用をご自身で行います。原則として60歳以降に拠出した掛け金とその運用益を受け取ることができます。
iDeCoは税制優遇措置が設けられており、掛け金は全額が所得控除の対象になるため、所得税や住民税の支払い負担が軽減します。また、運用益も非課税なうえ、受取時も公的年金等控除や退職所得控除を受けることが可能です。
税制面でのメリットが多い制度ですが、原則として60歳まで資金を引き出すことができません。そのため、無理のない拠出金額を設定することが大切です。また、投資商品を含むため、運用成績によっては元本割れリスクがあることを十分に理解したうえで取り組みましょう。
まとめにかえて
50歳代おひとりさまの貯蓄額は平均1048万円ですが、より実態に近い中央値は53万円です。3000万円を超える貯蓄額がある方がいる一方で、貯蓄なしやあっても100万円以下の方が半数以上を占めています。
今後の年金支給額がどれくらいになるのかは不透明なため、年金以外の方法で老後資金を早めに準備することが大切です。まずは、日々の支出を見直しむだを省いたうえで、iDeCoなどで資産運用することも検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省統計局「令和2年 国勢調査 人口等基本集計結果 結果の概要」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】「iDeCo公式サイト」
木内 菜穂子