1. 【ゆうちょ銀行(7182)の株】3月の金融セクター不安と売出しのタイミングが重複

2023年3月はシリコンバレーバンクの破綻やクレディ・スイスのUBSによる買収がグローバルな金融セクターの株安要因となりました。

直接的な業績へのインパクトは不明確ですが、一時は金融セクター全体に悪影響が波及するとの不安感から、幅広い金融関連株が下落しています。

ゆうちょ銀行においては、さらにこのタイミングに株式の売り出しが重なったことも下落要因となったと考えられます。

告知が2023年2月27日に実施されていて、3月20日~3月24日にかけて受け渡しが行われています。

これは、もともと日本郵政が保有していた株を市場に流通させることで、日本郵政の出資比率を引き下げる目的のある取り組みです。

金融不安と売出しのタイミングが重複したゆうちょ銀行ですが、株価下落のトレンドが5月ごろまで続きました。

2. ゆうちょ銀行は業績や見通しにより株価が反発か

ゆうちょ銀行の株価は6月頃から回復に向かいますが、5月の後半に発表された2022年度決算の内容は投資家の安心材料になったと考えられます。

ゆうちょ銀行ではもともと2022年度の業績見通しを、前年度比減益と想定していました。

結果的に、2022年度の純利益は当初見通しの3200億円より上振れて3250億円となりました。

2021年度の3550億円からは減益となったものの、当初想定よりは下落幅が抑制され、かつ配当水準は年間50円を維持したことなどが安心材料の一つになったと考えられます。

また、2023年度の見通しについても発表されていますが、次年度は3350億円の増益見通しとなっています。

米金利などは依然として高い中で、順調な見通しを示したことも投資家にポジティブに捉えられたと考えられます。