信越化学の電子材料

半導体市場は、調整局面が当期でも続き、収束にはまだ時間を要すると見込まれる。

同社は厳しい環境下においても、シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を、計画通りに出荷することに注力した。

希土類磁石も、ハードディスクドライブ向けや産業機器用で調整が続いたが、車載市場向けへの拡販に努めた。

今後は、5G、IOT、CASE(Connected、Autonomous/Automated、Shared、Electric)、VR/AR/metaverse という半導体用途と市場の拡大にさらなる対応をしていく。

また、急成長している生成AI用途デバイス向けの製品にも注力する。

EUV(Extreme Ultraviolet Lithography: 極端紫外線露光)用のブランクス(ガラス基板)の量産も開始している。

信越化学工業の業績予想

中国経済の復調は期待通りに進まず、その他地域の景気減速も懸念される。

産業や同社が受ける逆風はこれからしばらく強まることがあっても、弱まることはないと見込まれる。

そのような情勢下、今期の業績予想は据え置き、各事業の伸長に努めるとしている。