平均寿命という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、それに伴い最近では健康寿命という言葉も聞く機会が増えたと思います。
これは、日常生活に制限のない期間の平均になります。
内閣府の調査結果によると2001年から2019年までに男女共約3歳ほど健康寿命が延びている結果となりました。
多くの方々が迎える老後について、今回は70歳代以上の「貯蓄2000万円超」の世帯にスポットを当てて見ていきたいと思います。
厚生年金と国民年金の平均額も見ることで、老後の備えについて考えてみましょう。
1. 70歳代以上世帯「貯蓄2000万円超」の世帯は約42%
「老後2000万円問題」が話題となったのは2019年。この問題を発端として、公的年金以外の備えを意識する方が増えました。
4年が経ちましたが、いまのシニア世代は貯蓄2000万円をクリアできているのでしょうか。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)詳細結果-(二人以上の世帯)」によると、70歳代以上の貯蓄の平均額は2411万円です。
70歳代世帯の貯蓄現在高について、金額ごとの世帯数も見ていきます。
1.1 70歳代以上の平均貯蓄額:2411万円
- 100万円未満:14万896世帯
- 100万円~:6万4999世帯
- 200万円~:6万426世帯
- 300万円~:6万9205世帯
- 400万円~:6万2104世帯
- 500万円~:7万670世帯
- 600万円~:5万2589世帯
- 700万円~:4万9056世帯
- 800万円~:6万433世帯
- 900万円~:4万6408世帯
- 1000万円~:10万9329世帯
- 1200万円~:8万5755世帯
- 1400万円~:6万9842世帯
- 1600万円~:8万2145世帯
- 1800万円~:5万9305世帯
- 2000万円~:15万265世帯
- 2500万円~:12万1065世帯
- 3000万円~:17万7308世帯
- 4000万円~:33万4754世帯
「2000万円」をクリアする世帯は、合計78万3392世帯。割合にすると約42%です。
一方で、現在貯蓄高が100万円に満たない世帯は14万8896世帯で約8%です。年金収入だけでやり繰りできていれば問題はないかもしれませんが、まとまった資金が必要となった時のことを考えると不安かもしれません。
では、今の70歳代は国民年金や厚生年金をどれほど受給しているのでしょうか。
2. 国民年金と厚生年金「70歳~79歳」はいくら受給している?
老後の収入の柱となる年金についても、厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 を参考に、70歳~79歳までの1歳刻みで確認していきましょう。
2.1 【70歳~79歳】国民年金の平均月額
- 70歳:5万7405円
- 71歳:5万7276円
- 72歳:5万7131円
- 73歳:5万7040円
- 74歳:5万6846円
- 75歳:5万6643円
- 76歳:5万6204円
- 77歳:5万6169円
- 78歳:5万5844円
- 79歳:5万5609円
2.2 【70歳~79歳】厚生年金の平均月額
- 70歳:14万1026円
- 71歳:14万3259円
- 72歳:14万6259円
- 73歳:14万5733円
- 74歳:14万5304円
- 75歳:14万5127円
- 76歳:14万7225円
- 77歳:14万7881円
- 78歳:14万9623円
- 79歳:15万1874円
現役世代に加入している年金が「国民年金」か「厚生年金」かで、受け取れる年金額の水準は異なります。
厚生年金の場合、現役時代の収入に応じた保険料を負担しているため、将来の年金額も手厚くなるでしょう。その分、自営業者などは自分で老後に備えている方が多いです。
3. 年金だけに頼らない老後の準備を
今回は70歳代以上の世帯のお金事情について見ていきました。皆さんの年金はどの部分に当てはまったでしょうか。
老後は現役世代よりも時間にゆとりができます。一方でお金のゆとりがないと、苦しい生活を送る可能性もあります。
老後資金の準備の方法はさまざまです。資産運用も現在は多くの方法があります。ご自身で調べるのが難しい方は、プロに相談するのもひとつの方法かもしれません。
皆さんのゆとりある老後生活に向けて、まずは一歩踏み出してはいかがでしょうか。
4. 貯蓄に関連する質問(FAQ)
参考までに、貯蓄に関するよくある疑問を見ていきましょう。
4.1 Q1.「貯金」と「貯蓄」はどう違う?
「貯金」は、現金を自分で貯めること、あるいは銀行などの金融機関に預けることを指します。金融機関によっては「預金」ということもあり、貯金・預金、そして2つを合わせて「預貯金」というケースもあります。
一方、貯蓄は、貯金に加えて投資信託や株式、債券、外貨預金、不動産、保険、金(ゴールド)などの金融資産全般を指します。ただし、「貯蓄=貯金」を指す場合もあり、考えはさまざまです。
参考:金融庁「投資の基本」
4.2 Q2.「貯蓄」と「投資」はどう違う?
「貯蓄」は、銀行の普通預金や定期預金など安全性重視の金融商品にお金を貯めていくことを指します。一方、「投資」は、投資信託や株式など元本割れリスクを伴う金融商品にお金を投じて資産を増やすことを目的としています。
広義では、貯蓄に投資信託や株式、債券、外貨預金などを含む場合がありますが、「貯蓄と投資」で区別する場合には、以下のように使い分けるのが一般的です。
- 貯蓄=元本割れリスクなし(普通預金・定期預金など)
- 投資=元本割れリスクあり(投資信託・株式・債券・外貨預金など)
参考:一般社団法人 全国銀行協会「Q.「貯蓄」と「投資」はどう使い分けるのですか?」
参考:金融庁「投資の基本」
4.3 Q3.「貯蓄」も「資産運用」に含まれる?
「資産運用」とは、資産(お金)を金融商品を通じて効率的に増やす、あるいは貯めていくことを指します。
一般的に、投資信託や株式などにお金を投じて利益を期待することを資産運用という場合が多いようですが、銀行の普通預金や定期預金などで得られる利息も、お金を運用することによって得られるものですので、資産運用となります。
貯蓄は、広義では預貯金や投資信託、株式、債券、外貨預金、不動産、保険などの金融資産全般を指しますので、資産運用には貯蓄も含まれるということになるでしょう。
- 資産運用=金融商品を通じて資産(お金)を効率的に増やす、あるいは貯めていくこと
- 貯蓄=預貯金や投資信託、株式、債券、外貨預金、不動産、保険などの金融資産
参考資料
渡邉 珠紀