2023年度の年金額は、67歳以下の新規裁定者で原則2.2%の引き上げとなりました。

国民年金(老齢基礎年金)は満額で月額6万6250円、厚生年金は夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な夫婦世帯の厚生年金の例として22万4482円と発表されました。

また68歳以上の既裁定者は前年度から1.9%の引き上げとなります。

さらに、年金額や収入額が一定以下の方に支給される「年金生活者支援給付金」について、2023年度は2.5%増額されることになりました。

今回は「年金生活者支援給付金」の詳細、そしてその対象の要件を確認していきましょう。

1. 年金生活者支援給付金とは?2023年度の給付基準額は前年度から2.5%アップ

年金生活者支援給付金とは、公的年金の収入やその他の所得が一定基準額以下の方に生活の支援を目的とし年金に上乗せして支給されるお金です。

年金生活者支援給付金は老齢年金、障害年金、遺族年金を受給する人を対象としたものです。

2023年度の支援給付金の給付基準額は以下のとおり、前年度から2.5%の増額となっています。

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出所:日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」

出所:日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」

  • 老齢年金生活者支援給付金:5140円
  • 障害年金生活者支援給付金:1級は6425円、2級は5140円
  • 遺族年金生活者支援給付金:5140円

ただし、老齢年金生活者支援給付金の場合、実際の金額は保険料納付済期間や保険料免除期間等に応じて算出されますので、支給金額が2.5%の増額とならない場合もあります。

障害年金生活者支援給付金は障害等級により給付額が異なり、遺族年金は子の数により均等に分けられます。

2. 年金生活者支援給付金の給付額

年金生活者支援給付金の金額は、老齢年金生活者支援給付金・障害年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金でそれぞれ異なります。

2.1 老齢年金生活者支援給付金の給付額

老齢年金生活者支援給付金の額は、月額5140円を基準に、保険料納付済期間等に応じて算出され、次の(1)と(2)の合計で求めます。

(1)保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5140円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
(2)保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1041円 × 保険料免除期間※/ 被保険者月数480月

給付額の算出のもととなる保険料納付済期間や保険料免除期間は、年金証書や支給額変更通知書等で確認することができます。

2.2 障害年金生活者支援給付金の給付額

障害年金生活者支援給付金は障害等級により以下の通り異なります

  • 障害等級1級:月額6425円
  • 障害等級2級:月額5140円

2.3 遺族年金生活者支援給付金の給付額

遺族年金生活者支援給付金は、一律で月額5140円です。

ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5140円を子の数で割った金額がそれぞれに支払われます。

3. 年金生活者支援給付金の支給要件

では、年金生活者支援給付金の支給要件をそれぞれ見ていきます。

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出所:厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」

出所:厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」

3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件

以下の支給要件をすべて満たしている人が対象となります。

  1. 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
  2. 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
  3. 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が78万1200円以下である

ただし、障害年金や遺族年金の収入は非課税となるため上記の収入には含まれません。

3.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件

以下の支給要件をすべて満たしている人が対象となります。

  1. 障害基礎年金の受給者である
  2. 前年の所得が472万1000円以下である

ただし、障害年金の収入は非課税となり、上記の所得には含まれません。また、基準となる所得は扶養親族等の人数によって異なります。

3.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件

以下の支給要件をすべて満たしている人が対象となります。

  1. 遺族基礎年金の受給者である
  2. 前年の所得が472万1000円以下である

ただし、遺族年金の収入は非課税となり、上記の所得には含まれません。

また、基準となる所得は扶養親族等の人数によって異なります。

4. 年金生活者支援給付金の受給に関する注意点

年金生活者支援給付金は市町村からの所得データにより給付判定が行われるため、受給者による書類提出などは必要ありません。(所得が確認できない場合は個別に提出を求められるケースあり)

また、以下の場合には年金生活者支援給付金の給付が行われませんのでご注意ください。

    (1)日本国内に住所がないとき
    (2)年金が全額支給停止のとき
    (3)刑事施設等に拘禁されているとき

5. 年金生活へ不安があるなら早めに老後対策を

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marokeistockphoto.com

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今回確認したように、年金やその他所得が一定以下の場合、さらに要件を満たせば「年金生活者支援給付金」を受けることができます。

老後をむかえるにあたって、「年金生活者支援給付金」のような制度があるということも覚えていると役に立つ日があるかもしれません。

しかし、豊かな老後生活をおくるには年金だけでは頼りないことも事実です。

貯蓄だけでなく、資産運用を活用して老後資金を準備している方も増えています。

資産運用も多様多種です。自分自身の目標、価値観、性格に合った方法で資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。

年金やその他の所得が一定以下の場合、要件を満たせば年金生活者支援給付金が受けられます。

こうした制度は申請制となるケースもあるため、通知される文書などにはしっかり目を通しましょう。

一方で、自分の老後生活を豊かにするために、年金以外の老後資金を準備することも大切です。

貯蓄だけでなく、資産運用で資産を守りつつ増やす方もいます。iDeCoや個人年金保険などで、独自の年金を作る方もいます。

自分自身に合う方法を見つけて、着実に資産形成をしていきましょう。

参考資料

盛長 健一