4. 70歳代シニアの就業率はどのくらい?
厚生労働省が公表した「令和4年版高齢社会白書」で70歳以上で働く人の割合を見てみましょう。
4.1 70歳代以上シニアの就業率
- 70歳~74歳:32.6%
- 75歳以上:10.5%
70歳代前半(70歳~74歳)は2011年から2016年にかけて微増。2016年から2019年にかけて就業率がやや大きく伸びたものの、2021年にかけてはほぼ横ばいです。
近年、高齢者の雇用環境が急ピッチで整備されていることを鑑みると、これからは働くことを選択するシニアが増えていくかもしれません。
しかしながら、老後生活の柱となるのはやはり「貯蓄」と「公的年金」ではないでしょうか。
老後も仕事があるなら働けばいい!と楽観せず、あくまでも公的年金と貯蓄で生活できるよう将来に向けたプランニングはしておきたいものです。
5. ゆとりある70歳代を迎えるために資産形成を
今回は、70歳代のおひとりさま世帯の貯蓄と年金事情についてお話をしていきました。
国の統計によると、1950年当時の平均寿命は男性58歳、女性61.5歳でした。70歳代の方にとっては、ご自身が子どものころには考えられなかったような長寿をすでに達成されていることになります。
さらに「人生100年」と言われる時代を迎え、これから先もまだ長く人生が続いていくことが想定されます。自分らしい生き方をするために、資金の確保は欠かせません。
こうした社会の変化を受け、国も税制優遇をしながら個人の資産形成を後押しするNISAやiDeCoなどの制度を拡充しています。
こうした制度を活用して、こつこつ時間をかけて資産形成に取り組むことを考えてみてはいかがでしょうか。
公的年金だけではゆとりのある生活には足りませんし、貯金だけでは数十年という長い期間での物価上昇に対して無防備すぎます。
投資に元本割れリスクはつきものですが、長生きリスクや物価上昇リスクを含めた幅広いリスクに備えるには、やはりバランスよく様々な資産を持っておくことが大切です。
参考資料
- 厚生労働省「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
- 厚生労働省「令和4年版高齢社会白書 」
上田 輔